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インタビュー 2017.01.12

世界の聴覚障害を持つ方の「恋人と電話したい」を叶えるスタートアップ

顧客が実際に欲しがるものを作れーポール・グレアム

と言われる通り、顧客が本当に欲しがるものを作るのはスタートアップのセオリー。今日は、聴覚障害を持つ方の「恋人と電話したい」を叶えるスタートアップのインタビューです。「難聴テレフォン」を開発するエル・ピー・シーの岩瀬さんに話を聞いてきました。

【編集部注】ETICの鈴木さん、野田さんのご紹介で今回の取材につながりました。ありがとうございました。

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<岩瀬さんの略歴>

 キャンパスベンチャー全国大会 特別賞・日刊工業新聞賞
キャンパスベンチャー中国テクノロジー部門最優秀賞
IEEE GCCE 2013 Student Paper Award
15th IEEE HISS 優秀論文賞
第12回キャンパスベンチャーグランプリ中国佳作
日本機械学会若手優秀講演フェロー賞
学長奨励賞
専攻長賞
TOKYO STARTUP GATEWAY ファイナリスト オーディエンス賞

恋人と電話したい」思いに動かされる

おしん記者

どんなきっかけで起業を?

岩瀬さん

ぼくは大学の研究時代からこれまで聴覚障害者の方がコミュニケーションを円滑に取る方法について研究してきました。世の中にはそれを必要とする人がいるにもかかわらず問題は解消されていません。そこで早く世の中に提供したいという思いから会社を設立し研究開発を続けることにしました。

おしん記者

聴覚障害者の方が抱えるどんな困ったことを研究しているんですか?

岩瀬さん

聴覚障害者の方の生活は、僕たちにとって当たり前なことが彼らには非常に困難なんです。

おしん記者

例えば?

岩瀬さん

簡単な例を挙げると、聴覚障害を持つ方の子供が倒れた時、話すことが難しいので症状を伝えることができない、聴くことができないので相手の指示が分からない問題があります。難しい例では産婦人科など、何かあった際に電話ができないと責任が取れない等で受診拒否されたりします。

おしん記者

命がかかった問題ですね。

岩瀬さん

そうなんですが、私が「難聴テレフォン」を考えた理由はもっと身近でした。

おしん記者

身近というと?

岩瀬さん

僕の心を動かされたのは、「恋人と電話したい」という声でした。些細だけど大事で共感できる願いです。それで「難聴テレフォン」を考えました。

リアルタイムと話者の個性を再現する

おしん記者

恋人たちの会話にはどんな課題が?

岩瀬さん

リアルタイム性と話者の個性です。

おしん記者

リアルタイム性というと?

岩瀬さん

あうんの呼吸というか。これまで健常者音声に字幕を付けるサービスや、文字を読み上げるサービス、電話代行サービス等々便利なサービスが提供されてきました。でも、「◯◯だよねー」「だよね」というような会話の楽しさを再現してくれるものはありませんでした。

おしん記者

たしかに。身近であるほど欲しいものですね。もうひとつ、話者の個性というと?

岩瀬さん

聴覚障害の方の声はそれぞれに個性があります。先天性の方などは独自に発話をするので一概に「あ」=「あ」とはいかないことがあります。

おしん記者

なるほど、この2つの課題が岩瀬さんのテーマなんですか。

岩瀬さん

そうです。この2つを解決する聴覚障がい者の方でも使える電話を開発します。

仲間は集まった。技術はある。絶賛資金調達中。

おしん記者

となると、技術的には高度そうですね。

岩瀬さん

そうですね、話者適応という技術を使います。

おしん記者

技術的な見込みは立ってるわけですね。

岩瀬さん

そうです。これによって聴覚障害者の方が発声した間違った音声でも正しい言葉に変換されて文字として出力されます。その文字を音声合成によって読み上げることで、健常者に音声で情報を伝えることができます。

また、相手からの返答も音声認識によって文字に変換され確認できます。この手法を用いることによってリアルタイムにコミュニケーションを取ることができます。

おしん記者

仲間も集まっているとか?

岩瀬さん

3人のメンバーがいて、所属企業で実績を出していたり、強い想いもあります。例えば岡本は過去に過去にこのサービスを作ろうとしていましたが、音声認識の技術の問題で断念するといった過去を持っています。今回はその技術開発も予定しています。

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岩瀬さんのチームには兼務ながら、実績も十分な仲間が集まっている。

おしん記者

頼もしい仲間ですね。この仲間とどのような世界を実現する予定ですか?

岩瀬さん

2017年内には開発を完了して、2020年までに国内視聴覚障害者の3分の1にあたる10万人にこのサービスを届けます。サービスが成長する間に外国語変換機能を追加、発話を外国語に対応させて、世界のユーザーに届けたいと思っています。

おしん記者

もう開発を待つのみって感じですね。他に力を入れたいことは?

岩瀬さん

開発資金が不足していて、資金調達予定です。また、技術者チームでマーケッターも募集していて、それが今力をいれていることですね。
【編集部注】岩瀬さんはサービスをできるだけ早く廉価で提供するため、クラウドサーバなどのインフラ支援も併せて募集している。googleさんやAmazonさんのご担当の方、いかがだろうか。みなさんも岩瀬さんの夢をシェアして協力してあげて欲しい。
支援・応援のお申し出はこちら

編集後記

『「恋人と電話したい」という思いに心動かされた』と語る岩瀬さん。その思いの証明のひとつとして、インタビューでは9割の聴覚障害の方が「欲しい」と手を上げているそうです。

スタートアップタイムズでも岩瀬さんのような創業前スタートアップの支援として取材を行っていますのでお気軽にお問い合わせください。

取材はこちらから

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