年間8万匹が殺処分される現状への挑戦。ITでペット市場を再定義する「シロップ」

大学在学時代にロンドンでサッカーをしながら創業を考えた大久保さんにインタビューしてきました。

大久保 泰介

同志社大学在学時代にUKでサッカーをしながらユニクロUK/Parisでプロモーション業務を担当。その後、グリーで採用、財務管理会計、新規事業立案を経験。イギリスと日本のペットと暮らす環境の違いを肌で感じ、人とペットとの暮らしを豊かにしたいと起業。愛犬は、保護犬だったコーギー「コルク」。

ペット市場を再定義する

ペットフード協会によると、日本の犬の飼育数は約1200万匹、猫は約1000万匹。日本はペット大国であるという。その反面、幸せな環境にいられないペットもいる。その環境を変える挑戦をしているのが「シロップ」(Syrup)だ。


年間8万匹のペットが私たちの手で殺されています。年間保護されるペットは13万匹、その中で運よく新しいパートナーと出会えるのは4万匹。圧倒的に殺されるペットが多いのです。また、ペットが家族化することにより飼い主のヘルスケアへの意識が高まっていますが、最適な情報や商品、獣医療を選択することが非常に難しい現状があります。

この環境を変えたいと思っています。

シロップが提供しているのはOMUSUBI(お結び)、ペトこと、の2サービス。
それぞれの役割はこうだ。

まずは、ペットとの出会いの窓口になる保護犬・保護猫の里親募集サイト「OMUSUBI」(お結び)。

保護犬・保護猫の里親募集サイト「OMUSUBI」(お結び)

そして、専門医獣医師などペットの専門家がつくるメディア「ペトこと」。

専門医獣医師などペットの専門家がつくるメディア「ペトこと」

複数のサービスを提供する理由はどこにあるのか。


現在はペットを飼う窓口から、正しい飼い方の情報提供までサービス展開しています。いずれペットに関するあらゆる情報が連携され、個々のペットの健康状態に合った情報や商品を提供するなどペット飼育に関して一気通貫したインフラとなるのが目標です。

ペット業界にフォーカスしたのはなぜか。


大学時代に海外でサッカーしたくてロンドンに行こうと思いました。内定していた会社のロンドン展開の手伝いをしながらサッカーをしていたのですが、ロンドンにはペットショップがほとんどないんです。でもとってもペットフレンドリーだった。

犬のことを第一に考えるホビーブリーダーがいて、家族全員が同意しなければ飼育できなかったり、社会が動物を受け入れるだけの飼い主のレベルの高さやそれを支える情報やインフラがあったんです。

それに比べて日本のペット領域のITはまだまだ課題がたくさんあることを感じて起業しました。

ペット業界といえば、大手雑誌社からの月刊誌や各種Webメディアも浮かんでくる。


雑誌社さんはやはり紙メディアが強くて、まだWebは空いている印象です。実際サイトの流入もオーガニックが多くて特に「ペットショップからではなく、里親になりたい」ニーズは強い反面、Webに情報がなくまだまだ応えられていない状態ですね。

そこで、大久保さんが着目して開発したのがペットとの出会いの窓口になる保護犬・保護猫の里親募集サイト「OMUSUBI」(お結び)。

OMUSUBI(お結び)に並ぶ保護されたペットたち

「ペットショップと戦える?」と意地悪な質問をしてみた。


保護犬猫推進拡大は小池都知事など行政政策のひとつに決定しています。また今後、動物愛護法が改正されるのも契機になって、ペットショップから飼わないという選択肢が増えてきています。ペットショップ、ブリーダーに次ぐ第三のペットを飼う窓口になっていきたいですね。

もうひとつ大久保さんが注目しているのがペットの医療問題だ。


ペットは高齢化が進んでいます。1/3がシニアペットだともいわれる現状で、医療も高度化しています。ペットの診療を担ってきたのは総合獣医が主流だったのが、専門医は5年で2倍に増えました。反面獣医さんの仕事は増え、医療リスクが高くなっているんです。

結果として、手術や医療を受けられないペットも増えてきました。ここに専門医療、遠隔診断、医療の予防・代替になるようなサプリメントサービスを提供していきたいです。

その構想のひとつが専門医が知見を記事にしている「ぺトこと」。

専門医獣医師などペットの専門家がつくるメディア「ペトこと」記事

そして計画段階であるが、医療の代替、予防となりうるペット用サプリメント。

サプリメントのイメージ。シロップ社資料より

将来の構想は、医療の根本的IT化にまで及んでいる。


大手SIerなどと協業してレントゲン画像AI解析ツール診断や医療論文の解析AIなども検討しています。ペット医療はまだまだIT化が進んでいないところもあるので、来年にはモデルとなるクリニックを開設予定です。機械化で効率化し、経営と臨床の2軸を担ってきた獣医師の負担を減らし、機械がカバーすることで誤診率を減らす取り組みまで行いたいですね。

今後は、全てのサービスを統合しデータを共通化し「ペットとの出会いから医療まで」のプラットフォームとして成長させる考えだ。

編集後記

おしん記者
VACANの河野さんからの「面白いペットテック企業がいる」とご紹介いただけました。殺処分問題はメディアなでも報じられていますが、注目されるほど増える殺処分のジレンマだけでなく医療問題にまでテクノロジーで挑んでいく大久保さんが楽しみです。

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