[勉強会レポ]HR Techの覇者を決めるものは? 人事コンサル大野順也氏 

Startup times編集部です。

今回はドコモ・イノベーションビレッジ主催の「HR Tech勉強会 〜AI時代のIT人事ソリューション〜」のレポートをお届けいたします。

大野順也さん

株式会社アクティブアンドカンパニー 代表取締役社長 兼 CEO

「躍動感溢れる未来を創造する」組織活性化に特化した人事コンサルティングサービスを提供する株式会社アクティブ アンド カンパニー代表。1974年、兵庫県出身。大学卒業後、株式会社パソナ(現パソナグループ)で営業を経験後、営業推進、営業企画部門を歴任し、同社関連会社の立ち上げなども手がける。後に、トーマツコンサルティング株式会社(現デロイト・トーマツコンサルティング株式会社)にて、組織・人事戦略コンサルティングに従事。2006年、株式会社アクティブ アンド カンパニー創立・設立。著書に「タレントマネジメント概論(ダイヤモンド社)」がある。

HR Techとは?

勘と経験によって判断されがちだった「HRマネジメント」は、人材育成・人材獲得競争激化を背景に経営戦略との結びつきが強くなりました。そして、人事の役割の変化に加えて、テクノロジーの発展により「HR Tech」と呼ばれるサービスが生まれました。

HR Techが使われるポイントとしては、採用・育成・人材管理・福利厚生・評価といった人事の業務の中での「効率化や効果の最大化」、企業と求職者や社員間とのコミュニケーションにおける「効果的なアプローチの実現」などが挙げられます。最近では求職者の学習支援においてもHR Techが活用されています。

2017年のHR Techの市場規模はの国内で180〜200億円。2021年には3倍に成長するともいわれています。しかし、海外では日本の比ではない投資が行われており、まだまだ伸び代がある領域とも思えます。

今後のHR Techにおけるポイント

HR Techは、採用、配置、育成、退職、管理・評価、情報共有・コミュニケーションといった人事のフローに沿ってソリューションが作られています。カオナビさんが特集したHR Techマップでは50のサービスが紹介されていますが、現状これらのサービスの多くはいずれかの目的に特化したサービスが多いです。

これからのポイントとしては、それぞれに特化ツールから抜け出し、いかにプラットフォームを築けるかが挙げられます。このポジションをはやく作り上げたところがHR Techの覇者となるでしょう。また、これまで扱われてきた定量データに加えて定性データを収集・分析し、多面的に人を捉えるサービスが今後主流になると思います。そして、実際の活用方法を含めたソリューション提供も鍵になります。HR Techは非常に優秀なツールが多いのですが人事からすると使いにくいツールが多い。痒いところに手が届くサービスが受け入れられるようになるはずです。

HR Techが挑む課題と抱える課題

挑む課題としては、3つ考えられます。1つ目は「時間・プロセスの短縮」。例えば、入社プロセスだったら、最適な人材といかに早く接点を持ちいかに早く入社まで導けるか。現状、うまくいっているHR Techのサービスを見ても、削減効果がはっきりとしているものが目立つ気がします。2つ目は「エンゲージメントの強化」です。海外では日本のように終身雇用が前提ではないので、この領域が非常に発展しています。日本では難しいでしょうが、健康診断のデータまで活用するサービスもあるようです。3つ目は「精度の向上」です。一つひとつの推定や予測は非常に繊細なテーマで、精度を出さないと活用どころではなくなるテーマもあります。活用対象のデータの範囲と量が課題になります。

抱えている課題としては、2つ。1つは「データの収集方法」です。例えば、履歴書や職務経歴書をデータ化せずにキャビネットの肥やしにしている企業がほとんど。今の人員情報は持っていても、過去の異動情報の詳細を残していない企業もあります。いかにデータを残すか、いかにデータにするかが重要です。また、ビッグデータを活かすには1万の判断データが必要とされますが、1万回異動させるわけにはいきませんよね。判断のデータどのように集めるかは大きな課題です。2つ目は「文化・風土への挑戦」です。人事は既成概念を超え難い部門。日本では、聖域とされる会社も多いです。この中で、どのような枠組みを考えることができるかが課題になるでしょう。

ドコモ・イノベーションビレッジ

ドコモ・イノベーションビレッジは、革新的な技術やサービスを持つベンチャー企業とドコモおよびNTTグループ企業がパートナーシップを築き、イノベーションを協創するプログラム。活動の一環として毎週2回(火・木)、様々なテーマの勉強会と参加者の交流の機会を提供する「Villageコミュニティ」を開催している。

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