長浜佑樹
株式会社 New Revo. 代表取締役
福岡出身。学生時代にUberを目にし、物流をテーマに起業した。起業当初はUberEatsライクな「FASTMART(ファストマート)」を運営していたがピボットし「ロジクラ」を現在運営する。
物流や流通領域はLogiTechと呼ばれ最近ではSoucoやShippioなどスタートアップが誕生している。だが、小規模事業者が利用できるサービスはそれほど多くはない。
そんな領域で「在庫管理をクラウドで」でできるサービスを提供するのがNew Revo.の長浜さんだ。
物流現場の入出荷作業を削減できるクラウド在庫管理システムです。倉庫や事務所の作業の60%もの時間が入出荷作業に使われておりその作業時間を削減します。
アカウント作成からバーコード発行まで約3分。すぐに利用できる。
倉庫業務と言うと少しイメージがつかないが、クラウド化が企業の課題の解決になるのか。
多くの現場では紙やExcelでの在庫管理をやっています。これでは時間がかかります。また、ハンディターミナルなどを使った伝票入力もありますがお金がかかります。
私達はスマホでバーコードを読むだけでクラウド上に在庫情報が管理できる仕組みで、時間とお金のコストを削減することで課題を解決しています。
そうするとパッケージソフトなどもあるのではないだろうか。
パッケージソリューションはいくつかあります。しかし基本的に物流事業者が使う仕様になっていて、私達がサービスを提供している中小の小売などの事業者で現場の使えるものではないんですよね。楽天とかYahoo!などに出店する事業者さんは本当に困っています。
大きな物流拠点を持つ事業者ではなく、最近増加している路面店+ECの業態などが顧客だそうで、パッケージ導入やハンディなどのハードに大規模な投資をしなくてよいことが特徴になっている。
クラウドであるメリットはまだあるという。
国内の小売業が抱えている過剰在庫の金額は54兆円にも及び、過剰在庫は中小企業のキャッシュを圧迫しています。これらの大きな原因は発注担当者がデータに基づいた発注ができてないからです。
ロジクラでは2018年ごろに統計学を用いた需要予測を提供し2019年10月には在庫販売等の社内データと、景気動向や電気などの外部データを機械学習にかけることで各企業に最適化された需要予測機能のロジクラ上で提供します。
ロジクラ上に中小企業が集まることによって物流のデータを抱え巨大な在庫売買のマーケットプレースへと進化していきます。
これはクラウドならではの特徴です。
ECマーケットの成長とクラウドの特徴を押さえたユニークな事業と言えそうだ。
なぜこんなサービスを作ったのかを聞いた。
物流が好きなんですよね(笑)高校生から倉庫で働き始めて、バイクのローンを払っていました。大手コンビニや某家具屋などでも業務を経験してきましたが物流は目に触れなくて「あたりまえ」なのがすごいんです。
そしてたまたま、大学で面白い先生がいてアメリカに連れて行ってくれたんですよ。そのころUberがちょうどはやっていて、これって結局物流だなと思ったのがきっかけです。
自分でプログラミングを勉強してプロトタイプを作ってUberライクなもので起業しました。
今は倉庫になっているがそのあたりはどうなのだろう?
FASTMARTで2016年の11月には、Fukuoka Startup Selectionのコンテストで「Global Challenge賞」を受賞したんです。でも、Uberの投資額を見ていると(笑)あとは、実際やってみて規模を拡大するのがとても難しかったので断念しました。でもやっぱり物流が好きで。
1年1か月前に起業して25歳になったばかりの長浜さんだが、倉庫のおじさんと話しているようだ。1時間のインタビューのうち半分以上は物流の話なので頷けてしまう。
まだβリリースのステータスだがシードラウンドの資金調達も果たしている。未来はどう見ているのだろう。
現在は15社ほどでテスト導入をしていただいていますが、ECの成長フェーズに合わせて、まず出荷業務が大変になったら在庫管理をする、そして在庫管理から出店の横展開ができる、というようにスモールビジネスから大きくなるまでをやっていきたいですね。
なぜ手間のかかりそうなスモールビジネスを狙うのか。
お客様毎に異なる物流があるのが日本の物流の効率を大きく下げていると思うんです。クラウドのプレイヤーである私たちが標準となって、お客様に合わせた物流提案をしていけば、効率は大きく上がるはずです。
物流は長い時間スタートアップの参入が少なかった領域。物流が好きで好きでたまらないニュータイプの成長が楽しみだ。
取材担当進藤
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