ASAC 5期 Demo Day 優勝は医師向けQAサービスのAntaa

冒頭「東京から世界のリーディングカンパニーを」とのASAC會田さんのコンセプト宣言から始まったイベント。

3月27日(火)に開催された イベント「ASAC 5期 Demo Day」。ASACとは「東京から世界に誇るリーディングカンパニーを生み出す」がテーマ。「新結合による新事業創出プラットフォーム」がASACの役割となる。監査法人トーマツと東京都が共同で運営する「成果にコミットすアクセラレーションプログラム」と銘打つプログラムだ。

バッチ5期生の8社は、AIによるニュース提供から、建設ASPまで幅広い。特徴としていえるのは社会的意義の高い事業が多いことだろう。このあたりは東京都の委託を受けてプログラムを運営しているところに由来している。さらに先輩起業家としてASACの卒業生も2社ピッチすることとなった。

3時間にわたるイベントとなったが、目次から興味があるコーナーをご覧いただければと思う。

【編集部注】本取材を行った私、進藤はASACのメンターも務めていますので、インナーメンバーからのレポートになります。

オープンニング

平日夜間の開催だが、100名ほどの投資家、メディア、観覧者、先輩起業家が集結しオープンイノベーションへの意気の高まりが感じられた。

最初にASACのコンセプトについて會田さんよりピッチ。

ASACは大企業のメンターを中心とした90名のメンターの協力により運営されている。

応募企業数も1バッチあたり数十社の水準で比較的倍率の高いアクセラレーターた。

特徴としてメディアデーがあげられ、記事露出がかなりの量を数える。

調達支援なども行い、直近では農産物C2CのVividGardenなどが記憶に新しい。

過去4バッチの輩出企業は以下の通り。

ASAC Batch5 参加企業によるピッチ

2部は1社4分のショートピッチののちオーディエンスから投票を受ける。資金調達や大企業との連携を行っているのでVCや投資担当のみなさん、ぜひコンタクトを取ってみていただきたい。

ストックマーク


ホワイトカラー業務の20%は「情報収集」に使われており、さらにチームでチェックすべき重要ニュースはほとんど同じにもかかわらず、 いまだに各個人で非効率な情報が行われています。Anewsでは、国内外3万メディアからリリースされる1日30万記事を収集し、最先端のAIにより各企業・部署別にカスタマイズして配信することで、情報収集を飛躍的に効率化します。ビジネス活動のベースとなる「情報収集」をAIで効率化することで、ホワイトカラーの生産性向上を目指しています。現在、経済産業省様、帝人様、セブン銀行様、博報堂様、三菱商事様、リクルート様など、リリースから半年で450社以上にご利用いただいています。

[ピッチメモ] 働き方改革をキーワードに、企業内の情報収集コストを業務時間の20%であると捉え、AIが社内チーム向けのニュース配信を行うサービス「Anews」で解決をする。ざっくり言えば個社に合わせた「業界新聞」を作るイメージ。機械学習などを活用し記事の見出し自動作成などを行い業務時間の1%を削減すればよいコスト感の1ID3000円で約600社に導入済み。フューチャープランは社内情報の収集も含めたニュースプラットフォームになること。

ひと旅


日本には、約1,700自治体ありますが、旅行先に選ばれる地域は一握りです。
では、著名な観光名所がない地域には、魅力がないのでしょうか。
私たちは、”地域に住む人”が一番の魅力であり、地域の財産だと考えます。
地域の人と出逢い、会話の中で地域の魅力を知り、”第二の家族”のような関係性を築いた観光客は、
自然と地域への愛着が生まれ、居住地に戻った後も自らが広告塔となり周りへPRします。
本サービスを通じて、地域や地域の人のファンを増やし「観光名所がないから、人が来ない」という考えを変えます。

[ピッチメモ] 例えば京丹後のエリアだけでも空いているのに埋まらない宿泊施設の損失は1500万円、人手不足を感じる施設は8割。お手伝いとして地域にユーザーを送り込み、宿泊と労働をしてもらうことでカバーする。交通費を負担し、業務のマニュアル化を行うことでマッチングを成立させている。9地域2自治体、関東を中心とし3大学と連携して志賀高原等で実績を生んでいる。マネタイズは有料会員や交通機関とのアライアンス等を想定している。フューチャープランは旅館等の改善点を提案する覆面リサーチャーのようなマーケティングサービスを検討している。

Ofuse

僕たちは、”形のない物に対価を払う意識を根付かせる”
をミッションに掲げております。
“形のない物”とは、アニメや漫画などの作品を通じて受け取った感動や勇気すなわち”心の変化”のことです。
そして、人々の心の変化を生み出す者こそがクリエイターであり、
そのようなクリエイターに対して正当な対価が払われる仕組みを提供します。

それは、コンテンツ産業の成長が著しい中、
制作現場が非常に厳しい状況に置かれているからこそ仕組みを通じて解決する必要があり、

Ofuseというサービスはその第一歩です。

[ピッチメモ] アニメ産業は盛り上がっているがアニメータの生活は厳しい。ファンの間でもクリエイターの生活改善の声は上がっているが、なかなか進んでいない。そこを解決するのが1文字2円のファンレターサービス「Ofuse」。実際のコミケ等でも使われている仕組みをWeb化する。9割以上をクリエイターに還元し、クラウドファンディングにあるようなお返しをする負荷も不要。銀魂、ソードアートオンライン、とあるシリーズのクリエイターなども参加している。数千の事前登録もあり、資金調達を行っている。

IMPAKT


開発途上国でのビジネスに特化して、単発でコンサルティングを提供するプラットフォーム「IMPAKT」を運営しています。企業の国際化は年々増えていますが、現地の肌感覚や経験者の知見は活用されておらず、必要としている企業に届いていないのが現状です。本サービスでは、個人の知見をシェアして、現場の情報に詳しいアドバイザーと、情報を求めているクライアントをweb上でマッチングします。いつでもどこでもその道の経験者に相談できることで、これまで情報取得にかかっていたコストや時間、不安などから企業を解放します。そして国際化のハードルとリスクを下げ、日本発・世界を変えるイノベーションを加速させることを目指します。

[ピッチメモ] 新興国向けスポットコンサルを提供。創業者がJICA時代に感じた、肌感がわからない、コストがたかい、相談相手がいないという課題を解決する。オンラインで知見を提供することでコストを下げ無料版と有料版を提供している。ビザスクの海外展開特化版のイメージ。低コストであることが売りでテレビ出演なども経験した60名のコンサルタントが登録されている。マネタイズは利用料と固定費30万円~とコンサルサービスの1/10程度。将来は事業領域を関連領域に拡大して行く想定。

株式会社ファミワン


6組に1組が妊娠に向けて検査や治療を行っているという現実がある一方、多くの夫婦が不安や悩みを抱えながら取り組んでいます。情報不足によって妊娠率の下がった高齢になってから治療を始めたケースや、不正確な情報に振り回されてしまい時間とお金を無駄にしてしまうケースも少なくありません。
ファミワンでは、妊活に取り組む夫婦にパーソナライズされたサポートを提供します。東京大学や医療機関との共同研究、不妊カウンセラーや不妊症看護認定看護師などの知見、そして経験者の声を集約し、状況に合わせたアドバイスを実施。年齢や妊活経験に合わせた情報提供・意識啓蒙・行動推奨を行い、夫婦二人で適切に妊活に取り組む世界を作ります。

[ピッチメモ] 妊娠を希望する夫婦は1000万組、直近でも体外受精の数は伸びており、クラスにひとり体外受精の子がいるイメージ。妊活は平均59万円18か月の時間とコストがかかる。解決しようとしても正しい情報がすくなく夫婦のモチベーションを維持しずらく、相談相手がいないと言う課題がある。ファミワンは夫婦個々に合わせてLINEを通じたパーソナルアドバイスを送っていく。問診票をベースに専門家がアドバイスをしている。3980円/月の有料プランや法人向け福利厚生でマネタイズしていく。創薬やシンクタンク、クリニック送客まで広げていく構想。

ライブデリジャパン


「共有する音楽体験で次世代型の豊かなライフスタイルを創る」を理念に掲げ、現役音大生による出張演奏サービス「LiveDeli」を運営中。1年間の運用を通じて、音楽体験への高い期待値と、演奏市場の守旧性を肌で感じてきました。実地で学んだ演奏依頼ノウハウと演奏家ニーズにもとづいた、笑顔を広げたい演奏家と感動空間を創るユーザーを繋ぐプラットフォーム「ムジカル」を生み出し、新しい音楽体験を提供します!

[ピッチメモ] 家族との1番の思い出は「非日常」だが身近な空間でそれを体験できるものが少ない。ライブデリは演奏家のUberを目指し、演奏家を家庭に派遣する。家族で参加型のイベントを行うことで非日常の体験を家庭に持ち込むサービス。利用は簡単で演出メニューを選ぶだけ。ここが他にはない差別化ポイント。商業施設などの集客費用、体験ギフト領域などに広げていき、演奏家のマーケットプレイスを作る構想。

CONCORE’S


Photoructionは建設現場を中心とした建築・土木の生産業務を効率化するためのSaaSです。生産過程で必要な情報(写真や図面、工程など)をプロジェクト単位で簡単に共有、管理、活用することができるサービスです。現状の建設現場はデータの整理や資料の作成など、本質的でない仕事に技術者の時間が非常に多く割かれてしまっています。Photoructionはモバイルとクラウドを用いて、それらの手間を圧倒的に効率化し、技術者が本来の仕事だけに従事できる世界を実現します。また、生産過程で生じる情報が構造的なデータとして蓄積できるため、データを活かした現場の運営や、経営課題の解決にも繋げることが可能です。

[ピッチメモ] 建設業はまだIT化が進まず、利益率が低い業界。これを製造業並みに自動化・IT化された世界を目指す。直近では建設現場で必要な報告や図面、写真、TodoなどをすべてWeb化する業務ツールPhotoructionを提供している。5000プロジェクトで導入され、関連業務としてデータを利用した業務自動化や図面の読み取りASPなどを展開している。今後は地方自治体や保険業、人材派遣業と組んで行く想定。

アンター株式会社


医師に求められる医学知識の増大速度に対し、情報収集にイノベーションが起きていません。
Antaaは医師同士の実名制のネットワークを構築します。我々が提供するAntaaQAの特徴は、現場の医師Empowermentしていくことです。障壁のない医師のネットワークを構築し、医療現場の課題を解決していきます。今後、医師同士がAntaaプラットフォーム上に蓄積した知見を共有することで、日本中の医師が最先端の知見を備え、最高品質の医療を提供できることを目指しています。

[ピッチメモ] 整形外科の医師が展開するサービス。IT化や技術革新により医療情報はものすごいスピードで増えており、現役の医師ですらついていくことが困難でGoogle検索をしているのが現実。それにより専門分野以外の判断は困難で誤診や事故につながりやすい。Antaaは医師同士のQAサイトでそれを解決する。現在は1000人以上の医師が登録している。事例としては手術の必要性の回答が12分でされ、通常数時間かかる判断が早期化されている。また実名メディアの副次効果として近くの医師が患者の受付を名乗り出るようなことも起きている。医師が集合知で患者の課題解決をしていく世界を作っていく。

アルムナイピッチ(先輩起業家ピッチ)

投票集計が行われている間に、先輩起業家のピッチが行われた。40社あるうちのタスカジとライナフの2社。

まずはタスカジから。


掃除から料理、チャイルドケアまで、 業界最安値水準で安心安全の家事代行独自テストにパスした多様性豊かで経験豊富なハウスキーパー(=タスカジさん)と家事を依頼したい人が出会えるシェアリングエコノミーシステム。

[ピッチメモ] タスカジは2期生。1時間1500円で家事のお手伝いが呼べる。72%の子供のいる女性は仕事で活躍できなくなると回答。代表の和田さん自身がその体験を経て起業。家事代行の利用率は3%。理由は価格が高いから。だいたいのユーザーの相場観は1500円であるのに一般サービスは3500円から6000円程度かかる。間に業者をいれないC2C契約を行うことでハウスキーパー側は手取りを多く、利用側は安く利用できる。

そのうちの20%をタスカジ側が受け取る仕組み。レビューやハウスキーパーごとに異なる価格を参考にし24時間どこでも探せ、損害賠償保険、ハウスキーパーの本人確認・面接・研修、レビューによる仕組みで安心して発注できる。またサービスの範囲も何でもあるので幅広い。

ターゲットは共働きの800-2000万円層で従来の2000万円overの層とは異なる。依頼数は1年で3倍の2.9万人、半分は定期利用に移行する。ハウスキーパー数は900名。メディアからも注目され、au、レオパレスなどとの提携も決まっている。

そしてライナフ。


ライナフは、スマートロックの「NinjaLock(ニンジャロック)」、オートロック付きの共有エントランス向け開錠システム「NinjaEntrance(ニンジャエントランス)」をIoTハードウェアとして提供。また、これらのハードと連動して、不動産オーナーや管理会社向けに「スマート内覧」「スマート会議室」「スマート物確」といったサービスを提供している。

[ピッチメモ] ライナフは3期生。スマホコントロールできる鍵などのデバイスメーカでありながらサービスを作る会社。無人の不動産内覧の「スマート内覧」、無人の貸会議室運営「スマート会議室」など。これからは家庭向けの不在時に宅配サービスや家事代行などが利用できるスマートロック対応の不動産を増やしていく。スマートロックとクラウドカメラを使い、居室内には入れないが玄関には入れる状況を作る。住まいを次のステージに持っていくのが目標。

表彰

卒業生を代表して卒業の盾が東京都の担当より手渡された。

そしてオーディエンス賞は医師向けQAのAntaaが受賞した。

毎バッチ、その期で活躍したメンターを表彰するのだが、なぜかベストメンター賞は私…に。

ということで最後にみんなでパシャリ。

メンター陣は超一流、大手企業が勢ぞろい。これだけのメンツに一気に会えるイベントも珍しい。

編集後記

おしん記者
ASAC會田さんからご招待をいただき、行ってきました。あいかわらずの熱気で汗をかいちゃうほど。

スタートアップタイムズでも起業家のPR支援として取材を行っていますのでお気軽にお問い合わせください。

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