「心理学×AI」説明不可領域に切り込む「EMOSTA」

小川 修平

 

米大学卒業後7年間の投資銀行勤務を経て独立、M&Aブティックのパートナーとしてアドバイザリーをしつつ、グローバル人材育成事業、東南アジア進出支援事業などを手がけたのに、自らの事業としてエモスタを設立。32歳。

心理学×テクノロジー

人間の感情は定性的で計測ができない、世の中はそのような諦めムードである。そこにあえてメスを入れる企業がある、エモスタだ。一般的に定性的なものと呼ばれる感情を定量化できるソフトウェア開発し、そのパターンから「共感」や「コミュニケーションの質」の解析に挑戦をしている。

一言でいうと、「心理学×テクノロジー」です。人々があいまいにしている部分を定量的に説明をしたい、それがわたしたちの企業です。

わたしたちの研究分野は、主に人間の基礎感情データから意味のあるパターンを見出すことです。まずは世の中にまだ存在しない感情データを蓄積するために、ポール・エクマンの提唱する7つの基礎感情を判定できるディープラーニングを研究しています。AIの名前は「エモリーダー」。既に、人間の表情を何れかの感情として判定することが研究の成果によって達成できております。

その判定率は93%とかなり高い。

 

 

実際にはどの分野で役に立つのだろうか。

例えば、エモスタでは、「人間の学習における感情のサイクル」などの分野について分析をしています。学習サイクルにおいては、人は集中と非集中状態を繰り返し移動をしています。非集中状態に陥る前に、適切なアドバイスを受けることによって人は、再度集中状態に戻ることができます。この作業は熟練の教師やファシリテーターは無意識に行っていますが、定量的に分析はできていませんでした。

 

“Dynamics of affective states during complex learning” by S. D’Mello, 2011, Learning andInstruction, p. 3. Copyright 2011 by Elsevier.より許諾を得て掲載

上の表では人間の集中状態から非集中状態までの導線を表している。円で囲われているところは、人間の感情を表す。エモスタでは感情の変化ポイントを測定するつもりだ。それぞれのポイントに適切なアドバイスをいれることにより、人を再度集中状態に戻すことが可能である。「勘」や「経験」に頼っていた部分が、明確化されるのだ。

一番上の円が学習における集中をしている状態になります。次に習の過程で情報の新規性に対して抱く「驚き」や理解に難があった場合は「行き詰まり」を感じます。

そこから、いかに集中している状態に戻すかが教師やファシリテーターの腕の見せ所です教師やファシリテーターはこのようなタイミングで体験談を織り交ぜてわかりやすく説明したり、障壁を超えるために困難さへの共感を示したり、ともに解決する姿勢を示すとで集中している状態に戻すことができますが、これが適切に行われないと人は次第に課題解決をやめてしまい「無表情」を示します

学習においてのケースですが、人生のいたるところ、学生や社会人でも全く同じことが言えます。逆に適切なタイミング先にあげたようなコミュニケーションがなされると課題解決に取り組みます。課題を解決した時、「達成感」を覚えると再度「集中」の状態に戻れるといわれます。この行動は、経歴が長い先生やファシリテーターなどが無意識に行っておりますが、これを心理学の知見とテクノロジーを組み合わせることで定量化・体系化する。人によって千差万別、表情に出ない人も多くいすよね。そこをディープラーニングで正確に判別をする、心理学で蓄積されている知見を適切なタイミングで活用できるようにする。これが我々の大きな目的でもあります。

 

感情判別の技術を使い、人々の感情の同期である「共感」ポイントの判別も可能だという。

共感ってどのタイミングで起こるか、感覚ではわかりますよね。ここも説明ができない分野なんです。

昔ある住宅販売の営業マンをモニターしたんです。営業先は30代付近の夫婦、夫が営業マンに質問しました。「〇〇さんは家を買ったことがありますか」営業マンは、「買ったことないです」と答えました。途端に夫婦ともにネガティブな感情が生まれ「共感」が発生しました。きっと家は売れなかったでしょうね。

逆に言うと売り上げが高い営業マンのパターンを分析して、お客様との共感の瞬間を認識することによって、定量的に顧客との関係性の構築や信頼形成などを感情&表情によって判定することができるようになります。
なんとなく、「すごいやつ」の理由を解明することができます。

また会議でも同じことが言えると思います。俗にいう「いいミーティング」ってあるじゃないですか。その瞬間ってみんなが共感していますよね。共感の感情を測定できれば、どの瞬間、どんな話で共感したかわかりますので、より質の高い会議を行うことが可能になります。

感情分析の技術は、今まで「感覚」に頼っていた部分を数値化できる。コミュニケーションに更なる磨きをかける、この壮大なプロジェクトに挑戦するつもりだ。

表情の裏にあるもの、それを知りたい

なぜそれに興味をもったのか。

幼少期から学生まで、私はもともと引っ越し族でした。生まれは大分、小学校はアメリカ、中高私立で横浜、大学はアメリカでした。子供のころって引っ越しって結構ナイーブになりますよね。簡単に仲間外れにされてしまいますので、かなり人が何を考えているかをよく見ていました。そうしたらいつのまにか、それを説明したくなっちゃって。いい意味で人間への関心を持ちました。そこからは自然と人の感情をデータ化したいと思うようになってました

義理の兄弟が共同創設者だという。

妹の旦那、義理の弟になるのですが、彼が共同創設者になります。彼は心理学の畑の人間ですが、同時に自身でプログラミングもできテクノロジーに明るいです。あるとき彼と話していて、心理学とAIを掛け合わせたら面白いという話がでてきて、是非世の中の課題解決に使おう、ということで今の会社をつくりました

 

EMOTIONALな〇〇を作りたい

将来をきいた

グッドパッチの心理学版みたいなサービスを作りたいと思っています。グッドパッチさんってデザインというツールを使って、世の中の課題解決に役だてていますよね。僕らは心理学×テクノロジーというツールを使って課題解決をしたいと思っているんですね、特に「心理学」の部分に重きを置いていきたいとは思っております。

心理学って結構学問としては研究されているんですけど、全然データ化はできてないんですよね。まずはそこの部分をしっかり研究できたらと思っています。

次は計測できた感情のデータをもとに、ロボットなどに搭載させたいですね。人ってカメラを向けられると自然でいられなくなりますよね、でもロボットだったら気になりませんよね。そこで人間に一番合う性格を感情側の視点から研究をしてみたいと思います。

 

現在はパートナーの募集に力を入れているようだ。

AI専門と心理学専門はいるんですけど、他の専門家はいないんです。例えば営業専門の方とか。AI×心理学×営業ってすごく面白そうじゃないですか。ご興味ある方、ぜひお問い合わせください。

未知なる領域にメスを切り込む、エモスタの未来に期待だ。

 

編集後記

取材担当中山
僕も営業をやっているんですけど、「エモリーダー」欲しい!目指せNO1営業!

AIアクセラレーター、募集中。メンタリングを受けた人の感想はこちらこちら

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