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インタビュー 2018.04.18

ついにβ版がリリース!独自経済圏を作れる「コミュニティ通貨発行サービス」fever

今田孝哉

1993年生まれ/福井県出身。2012年にiPhone買取サイトを自身で立ち上げ、2013年にはローカルに特化した音楽フェスを立ち上げ3年後には福井県大規模に成長。2015年に「世界で一番起業家を輩出する」をビジョンに掲げるファインドスターグループ(スタークス株式会社)に入社し、新規事業を立ち上げに従事。2017年にAsobicaを設立。

コミュニティ価値を最大に

ビットコインの台頭により、世の中の通貨概念は次のフェーズに進もうとしている。信用の中央集権化は次第に分散型な価値観へと変遷をとげてきた。コミュニティ単体でも信用を獲得できないか、そこから価値を生み出せないのか。目を付けたのがコミュニティ通貨発行サービス「fever」の運営元「asobica」社である。

一言で言うと「コミュニティ通貨の取引所」を提供しています。コミュニティオーナーはコミュニティコインを発行し、そのコインで購入できる商品の登録を行います。商品はコミュニティにまつわるもの・サービスであればなんでも構いません。あるコミュニティでは、 コミュニティのメンバーが提供するクラウドファンディングの相談ができる権利など、個人に紐づいたスキルを提供したりしています。

 

コミュニティ通貨発行サービス「fever」

 

現在はβ版としてサービスをリリースしており、既に数万コインの申し込みが入っているという。

通貨発行サービスなので、通貨部分についてきいた。

我々のコインは大手ECサイトなどのポイントとなどの仕組みと似ています。1つのポイントがそのプラットフォームでしか使えないように、feverで発行するコインはコミュニティ内でしか使えないコミュニティコインです。違う点としてはユーザー同士で売買できる点ですね。仮想通貨のようなものと考えていただければイメージしやすいかもしれません。

ただ通常の仮想通貨とは違い、我々の場合はfever内でしか利用できない通貨であるため、仮想通貨とはまた性質が変わります。
それらを通じてコミュニティがプラットフォーム内で外部から資金調達ができ、さらにはコミュニティ内の価値の交換をコインを通じて行うことで、一つの経済圏を作ることができるようになります。

 

上記の画像は、登録(上場)をしているコミュニティのページになる。

内容は本当にさまざまです。最近オリンピック種目に選ばれ盛り上がりを見せているBMXという競技のコミュニティがあったり、プロのドローンレーサーが集まっている日本ドローンレース協会というコミュニティがあります。

箕輪編集室のコミュニティページ。販売しているのは、オンラインサロンをプロデュースしてもらえる権利やゲスト出演できる権利などだ。

オリンピック正式種目化を目指す、日本ドローンレース協会のページ。フライト体験チケットやイベントの参加権や空から映像を撮ってもらえる権利など、実際に価値はあるものの商品化されていなかったものが登録されている。

地方創生を行う団体、黄桜すいプロジェクトのページ。個別商品の詳細情報が記入されており、限定のビールセットが販売されている。「ふるさと納税」のようなイメージに近い。

 

どちらかというと「クラウドファンディング」に似ているサービスです。決定的な違いとしてfeverでは単発の資金調達や仲間集めではなく、「継続的」な資金調達や仲間集めをできる点にフォーカスをしています。

応援したい人が応援して終わりではなく、応援した後も継続的に参加し続ける仕組みがあります。 今後はコミュニティ側が応援する人に対してfever上でおもてなしをしていきながら、応援者や仲間と継続的に交流していくための機能もさらに強化していきます。

コミュニティ特化型サービスであるため、プロジェクト本体に対する投資ではなくその運営母体に対する投資である。故に一度投資をしたユーザーは、心理的にも長期に渡ってコミュニティを応援する(関わる)傾向にあるのだ。

 

サービスの今をきいた。

現在は6つのコミュニティが上場しており、コインの公募を開始しております。上場申請もかなりの数頂いているのですが、徐々に増やしていきサービスの文化づくりをしっかりと行っていきたいと思ってます。なので、申請いただいた方には少しお待たせしてしまうことにはなるのですが、徐々に承認を出していく予定です。

 

分散型コミュニティ時代へ

どういう経緯で創業したのか。

私は学生時代の全てを福井県の田舎で育ってきまして、大学生の時に「地元に都会の人を集めたい」という思いから音楽フェスを主催で数年間運営していました。ただ最後の年で資金調達に失敗し、借金を抱えてしまいました。当時、福井では最大規模のフェスになり、県や地域の人からの応援や期待の声は年々大きくなる実感があったのですが、想定以上にお金は集まりませんでした。

勿論自分自身の実力不足が大きいのですが、そこでお金集めの難しさや課題にぶつかったんです。そこからクラウドファンディングを始めとする資金調達の仕組みに興味が湧いた。なので次のプロジェクト「MOA大学」というU25のコミュニティを立ち上げた際には、クラウドファンディングを3回程実施しました。

実際やってみて気づいたこと、感じたことは沢山ありました。継続的に運営しているコミュニティや団体にとっては、もっと良い方法の支援者や仲間集めの方法があるはずだと思ったんです。
そしてもう一つ。これは資金調達とは少し違う部分ですが、コミュニティ運営をやっている中で、コミュニティ内で勝手に仕事がマッチングしていくのに気が付きました。カメラマンとデザイナーがマッチングして一緒にプロジェクを立ち上げていて。その時に、人は普段から知ってる人(信頼している人)に仕事をお願いしたり頼みごとをしいんだと思ったんです。同じ美容室に通い続けるのと同じ構造ですね。カットや上手い人はおそらく探せばそこら中にいるけど、結局自分のことを知ってる人や慣れている人にカットしてもらいたいから、美容室を変えないわけです。行きつけのバーやスナックも同じ。
そう思うと、ほとんどがフリーランス化してくるこれからの時代に、個人と個人の仕事がマッチングする場所は「コミュニティ」だと確信しました。

独立した個人が、自分の仕事を増やし、信頼を増やすためにコミュニティがもっとこれから重要になります。ファンクラブのような中央集権型コミュニティではなく、個人が主体の分散型コミュニティの時代です。そんなコミュニティこそがこれからは必要とされていく。

 

コミュニティ運営で失敗をしたにも関わらず、同じくそこで挑戦する気迫は凄みを感じる。失敗したからこそ、よりシャープなコミュニティ支援サービスにたどり着いたのであろう。

 

経済圏作りの民主化

将来をきいた。

私がこれからしていきたいのは経済圏作りの民主化です。経済圏作りというのはコミュニティ作りでもあり国づくりとも言えます。一つの価値観に共感した人達だけが集まり、集まった人達でルールや独自の通貨を作り、その国(コミュニティ)だけで生きていける、そんなイメージをしています。日本円はあまり持っていないけど、あるコミュニティ通貨は沢山持っていて裕福に暮らしていける。そんな未来が必ずくると思ってる。

人はより自由を求める生き物なので、フリーランスが増えた時と同じで、プラットホームさえ整っていけば人はより自由な方を求めていくと思ってます。自分でルールを作り、自分で通貨を作り、自分で経済圏を作っていくような、より自由な生き方ができる。そのためのプラットホームを作っていきたいと思っています。

feverが今後巻き起こす熱量は実際にどれくらいになるのか、引き続き追いかけていきたい。

feverを知る

編集後記

取材担当中山

中山って昔(今も)e-sportsのジャンルにはまり込んでいるんです。もちろんプレイヤーもしていますし、コミュニティ支援の方もなんかやりたいなーって思ってます。今田さん早くサービス広げて、ゲームだけで食っていける世界作ってください!

AIアクセラレーター、募集中。メンタリングを受けた人の感想はこちらこちら

「AI.Accelerator」

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