15~26歳の男女の10人に1人が「いつか起業したい」、起業意向の高い都道府県第1位は和歌山県 ~「若年層の起業並びに起業家に対する意識調査」

「若手起業家が減っている」との調査はいくつかあり各種ニュース等で引用されています。ただ…年間200社以上のスタートアップにお会いするスタートアップタイムズでは、なんとなく肌感と違うなと感じていました。そこで、Startup Times編集部では「若年層の起業並びに起業家に対する意識調査」を企画いたしました。

Q.いつかは「起業」をしてみたいと思う(15〜26歳の男女/n=500)

若年層の起業志向:起業したい若者は13.6%

若年層の起業に対する意識調査として、500人の15〜26歳に対して「いつかは「起業」をしてみたいと思う」かをたずねてみました。その結果、回答者の13.6%に「起業してみたい」、41.4%が「起業したいとは思わない」と回答。若年層にとって、起業はまだまだ「リスキーな行為」という印象が強いのでしょうか。

男女で起業に対する積極性の違いをグラフにしました。

起業したいと「思う」女性は11.6%と、男性よりも4%少ないことがわかります。一方で、起業したいと「思わない」女性は33.2%に対して、男性は49.6%と10%以上もの開きがあり、必ずしも女性が起業に否定的という訳ではない様子が伺えます。むしろ、男性よりも自身の将来を決めつけず、起業も将来の選択肢のひとつとして持っているのかもしれません。

都道府県別にみた若年層の起業志向

1位は「和歌山県」

続いて、都道府県ごとに、起業に対する積極性得点の平均値*を算出し、ランキングにしました。

若年層の起業志向の都道府県ランキング
順位 都道府県 スコア      
1位 和歌山県 4.00 26位 高知県 2.67
2位 広島県 3.67 27位 京都府 2.65
3位 岩手県 3.60 28位 福岡県 2.63
4位 群馬県 3.50 29位 愛知県 2.59
  岐阜県 3.50 30位 北海道 2.50
  山口県 3.50   島根県 2.50
7位 静岡県 3.40   宮城県 2.50
8位 宮城県 3.29 33位 茨城県 2.44
9位 青森県 3.22 34位 奈良県 2.40
10位 新潟県 3.14   熊本県 2.40
11位 秋田県 3.00 36位 滋賀県 2.33
  山形県 3.00   愛媛県 2.33
  福島県 3.00 38位 富山県 2.00
  千葉県 3.00   山梨県 2.00
  神奈川県 3.00 40位 長野県 1.50
  福井県 3.00   佐賀県 1.50
  三重県 3.00 42位 徳島県 1.33
  長崎県 3.00   香川県 1.33
19位 埼玉県 2.91   鹿児島 1.33
20位 兵庫県 2.88 45位 大分県 1.00
21位 大阪府 2.86      
22位 石川県 2.83      
23位 岡山県 2.78      
24位 栃木県 2.75      
25位 東京都 2.74      

*回答を「全くそう思わない」=1点、「そう思わない」=2点、「あまりそう思わない」=3点、「少しそう思う」=4点、「そう思う」=5点、「非常にそう思う」=6点として、各県ごとに平均値を算出して、起業に対する積極性のスコアとした。
*なお、今回は鳥取県・沖縄県の方の回答が得られませんでした

1位は、偉大なる起業家、松下幸之助さんを輩出した和歌山県。同県は、人口100人あたりの自営業者数が1位*であり、自らの手で事業を起こし経営している人を身近に見ている影響が大きいのかもしれません。また、高校卒業後に県外の大学・短大に進学する学生が86%*と全国で最も高いことも特徴。周りの同級生が県外に進学する中でも、起業の志が高い若者が和歌山にとどまり学んでいるようです。

2位は、「イノベーション立県」を掲げる広島県。広島県知事の湯崎英彦氏は、自身が起業した会社をIPOまで育てあげた経験を活かし、創業支援に対して積極的であり、その取組が若年層の起業意識にも影響を与えているのかもしれません。

3位は、岩手県。同県では、復興に関連して起業に対して産学官で積極的な取り組みが行われています。

そして、4位には群馬県・岐阜県・山口県が続きます。群馬県は、メガネのJINSで有名なジンズ創業者・社長の田中仁氏の出身地。田中氏は群馬での起業家支援などを行う「田中仁財団」を2014年に立ち上げ、群馬ビジネススクールも運営しています。岐阜県は1996年から、「ソフトピアジャパン」というIT企業が集まる拠点を運営。教育現場でのIoT活用も先駆けて行われたことから、先端の技術に触れて育つ環境が整い起業家精神の醸成にも繋がっているのでしょうか。山口県は、9名もの首相輩出し、通算の在任期間は全国最長。国や世界を動かすマインドが養われるのかもしれません。

* 「都道府県別統計とランキングで見る県民性」さんの「平成24年 就業構造基本調査」再集計による。

日本地図プロットすると、東北の強さがみえる

続いて、先の起業に対する積極性スコアを日本地図にプロットしました。地図が赤い都道府県ほど、起業に対する積極性が高い状態を示します。

東京・大阪・愛知・福岡では、そもそもスコアが低く、むしろ、それらを囲んでいる県で広がるように若干スコアが高いように見受けられます。経済が集まる地域では、むしろ安定志向になってしまうのでしょうか。また、九州・四国と比べて、東北の全体的な起業志向の高さが伺えます。

アルバイト職種別にみる起業志向

回答者の現在就労しているアルバイトの種類と、起業志向の関係を検討しました。

起業したい男子学生には、「オフィス」「調査モニター」「IT」バイトが人気


男性では、「オフィス」「調査モニター」「ITクリエイティブ」のアルバイトに就いている人が起業志向が高いという結果が得られました。起業マインドのある男子学生は、比較的、もくもくと働くアルバイトを好むのでしょうか。

起業したい女子学生には、「営業」「サロン」「ガールズバー」バイトが人気


女性では、「営業」「美容・理容・サロン」「ガールズバー」のアルバイトに就いている人が起業志向が高いという結果が得られました。男性とは対象的に、起業マインドのある女子学生は、コミュニケーションスキルが成果に直結しやすいアルバイトを選んでいるようです。

Q.起業家と付き合いたいと思いますか?(15〜26歳の男女/n=7286)

男女ともに「絶対に嫌だ」は10%程度


起業家に対する意識調査として、7286人の15〜26歳に対して「起業家と付き合って見たいと思うか?」とたずねてみました。その結果、男女ともに「絶対に嫌だ」は10%程度と、将来の経済状況が比較的リスキーとされる「起業家」を恋人として選好することに対して拒絶感が低いことが示されました。

一方で、「ぜひ付き合ってみたい」「結婚を前提に付き合いたい」の比率を合計すると、男性は12.36%、女性は7.14%と低く、「起業家」という肩書き単体が恋人選好に与えるインパクトはあまり大きくないことが読み取れます。加えて、性別により開きがみられ、男性の方が女性よりも、「恋人の起業家」に興味を示しているようです。

成人を迎えた瞬間の男子は、守備範囲が広がる?

「ためしに付き合ってみたい」「付き合ってみたい」「結婚を前提に付き合いたい」の回答を「付き合いたい」として集計し、年齢別での恋人としての起業家選好状況をグラフ化しました。すると、女性では概ね年齢を重ねるほどに許容度が高まっていくトレンドが見られました。しかし、16歳での許容度のみ最も高いという結果でした。

一方、男性では高校卒業・大学卒業のタイミングで許容度が一時的に低くなる傾向が見られます。「別れ」と「出会い」のタイミングでは、身近な女子に目がいくということでしょうか。そして、男性でのみ20歳で急激に起業家への許容度が高まるのが特徴的です。「成人」という節目で、比較的珍しい属性の人に対する興味が一時的に高まるようです。

起業家と付き合いたい男子のバイトは「調査モニター」「医療・介護」「オフィス」


現在のアルバイト職種別に、起業家と付き合って見たい程度を算出したところ、概ね職種別の起業志向度合いと似たランキングとなりました。男性の場合は、自身が起業に興味のある人が、恋人としても起業家を選びたくなるのでしょうか。

起業家と付き合いたい女子のバイトは「医療・介護」「ガールズバー」「フード・飲食」


女性では、「医療・介護・福祉」が1位に。先の男性のランキングでも上位だったので、「医療・介護・福祉」の仕事をする人と起業家は相性が良いのかもしれません。2位が「ガールズバー」だったこと合わせて考えると、年上の人に対してサービスを提供し、かつ、求められるコミュニケーションが高い職種についている人が、起業家に興味を持っているとも読み取れそうです。

編集後記

取材担当進藤
「若手起業家が減っている」との調査はいくつかあり各種ニュース等で引用されています。ただ…年間200社以上のスタートアップにお会いする身としては、なんとなく肌感と違うなと感じていました。調査によると、母集団を変えればまだまだ起業意向の強い若年層に出会えるるのではないかと感じました。
おおくぼ
女子が16歳での許容度のみ最も高く、男性では高校卒業・大学卒業のタイミングで許容度が一時的に低くなる傾向が興味深いですね。「別れ」と「出会い」のタイミングでは、身近な女子に目がいくということでしょうか。

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