
インスタグラムで自分の体験を発信する際、他人の目が気になってしまう人も多いのではないだろうか。いかに「インスタ映え」するかを考え、投稿している人は多い。
このような現状では、体験の価値が「人からどんなふうに見えるか」で決まってしまうことがある。自分自身の体験でさえ、人からの基準で発信するかどうかを決めているのだ。
しかし、本来は自分の体験の価値は自分自身で決めるものだ。人からの視点ではなく、自分の視点で価値を決めていくことが重要になる。
そこで、人に見られるためではなく、自分の探求のために自分の行動を記録できるサービスが登場した。クリプトバーレイ株式会社が運営する「LifeSize」だ。
いったいどんなサービスなのだろうか。代表取締役 辻拓実氏に話を聞いた。
代表取締役
辻拓実
――LifeSizeについて教えてください。
LifeSizeは「チェックインアプリ・アルバム」です。
チェックインアプリとは、Foursquare(フォースクエア)に代表されるように、自分がどんな行動をとったのかを記録できるサービスです。
LifeSizeは「自分を映す鏡」として、自分のさまざまな側面がわかるようなサービスを目指しています。
――具体的な機能について教えてください。
機能はシンプルで、ご飯を食べたり景色を見たりするときにカメラで写真を撮るだけです。するとカメラロールに保存されることはもちろんのこと、AIが体験を解析し自動でタグ付けしてくれます。
この機能を通して、自分の個性を見えるようにしているんです。
――技術的な特徴は何がありますか?
技術的な特徴は、位置情報と機械学習の画像認識を融合させていることです。
これにより、その人のメタ情報を取得できます。
――ユーザーについて教えてください。
LifeSizeは、社会人から40代にかけての男性をメインターゲットとしています。これは、結果的に男性の支持が多くなったからです。もしかすると、男性の方が自分に対する探求心が強いのかもしれません。
普段の休暇などの場面で使っていただきたいと思っています。
――ユーザーにとってのメリットはどんなものがありますか?
ユーザーにとってのメリットは、自分が何者なのかを知れることです。
僕は、自分のことは自分が一番わかっていないと思っています。たとえば、鏡がない世界だったら、自分の姿はわからなかったでしょう。しかも自分のパーソナリティを映す鏡は、まだ世の中に存在しません。
このように「全体像としての自分」はなかなかわからないと思うんです。だからこそ、自分を俯瞰できるLifeSizeは特徴的だと思いますね。
――LifeSizeの強みについて教えてください。
LifeSizeの強みは、自分の行動を記録するための手間を減らしていることです。
従来のチェックインアプリアは、その場所に行ったらボタンをタップしなければなりませんでした。この作業は忘れるし、めんどくさいと感じる人も多いんですよね。
そこでLifeSizeは、写真を撮る行為をトリガーとして行動を記録できます。そのため、めんどくささを軽減しているんでうs。
――会社を立ち上げた経緯について教えてください。
クリプトバーレイ株式会社を立ち上げた当初は、暗号通貨の事業に取り組んでいました。ToC向けの暗号通貨を創ろうと思っていたんです。
しかし、時期尚早だった。そのため、暗号通貨のプロジェクトは一時中断。新たな事業として「LifeSize」に取り組んでいます。
――それからLifeSizeを立ち上げるまでにどんな経緯があったのですか?
LifeSizeを立ち上げたのは、当時の恋人がきっかけでした。
彼女はアーティストで、絵描きをしていました。
絵を描いているところを見ていると、彼女は自分の絵の写真を定期的に取っていたんです。「なんで自分の絵の写真を撮っているの?」と尋ねると、写真を撮ることで自分の作品を俯瞰しているとのことでした。
自分が絵を描いているだけでは、全体像がわからなくなってしまうんですよね。これは人も同じことだと思いました。
そこで、自分を俯瞰するためのサービスを開発したんです。それが「LifeSize」でした。
――今後のLifeSizeの展望について教えてください。
今後は、マネタイズのためにも複数のプロジェクトを検証していこうと思っています。
まず考えているプロジェクトが、飲食店のリピート率向上を支援できるサービスです。
現在、集客率を上げるサービスは存在します。しかし、リピート率を高めるサービスは少ない。そのため、飲食店のリピート率を向上させる施策は店舗まかせになってしまっているんです。
この課題を解決できるサービスの開発を考えています。
――どんなふうにリピート率を向上させていくのですか?
LifeSizeで記録されている食事のデータを使って、お任せ注文ができるようにすることを考えています。
それまでの食事を分析して、そのお客さんに合ったメニューにパーソナライズしていきたい。1度その店で料理を食べたら、次来た時にはメニューが最適化されることを目指しています。
――パーソナライズの機能は幅広く応用できそうですね。
はい。このパーソナライズの機能は、旅行のプランニングにも応用できます。
LifeSizeを使えば、観光地の回り方のデータを取ることができるので、自動で旅行プランを策定できるんです。
旅行会社や航空会社とコラボして事業を進めていきたいですね。
――ミッションについて教えてください。
私たちはLifeSizeの開発を通して、アプリの中にもうひとりの自分がいるような世界観を作りたいと思っています。
体験そのものの純粋な価値を守りつつ、自分の個性をシェアできる世界の実現を目指しいきます。
LifeSizeが気になった方は、ぜひサイトをチェックしてみてほしい。
取材担当橋本
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