
「スタートアップスタジオ」をご存知だろうか。これは、起業家支援の一つの形で、新たな事業を連続して生み出していく仕組みのことである。
この仕組みを使い、独自の方法でプロジェクトや起業家を支援しているクリエイター集団が、株式会社R-StartupStudioだ。国内外のクラウドファンディングなどを使うことで、スタートアップでも日本にとどまらずに、自身のプロジェクトを世界へ発信することができるそうだ。
ファウンダーの大森さんは、オンラインサロンの運営や海外を訪れた経験などを通して、存在意義を感じられない社会の価値観を変えたいと思い起業した。サービスの提供を通じて、「誰もが存在意義を感じられる、全員が主役になれる社会の実現」を目指している。
「株式会社 R-StartupStudio」とはどんな会社なのか。詳しく見ていこう!
株式会社R-StartupStudio ファウンダー
大森 寛之
ーー「R-StartupStudio」を一言でいうと?
R-StartupStudioは、未来を創る優れた技術を埋もれさせないために国内外のクラウドファンディングなどを積極的に活用し、独自の方法でプロジェクトを支援しているクリエイター集団です。
国内外のクラウドファンディング経験が豊富なクリエイターが多数在籍しており、各種スキルを持ったクリエイター達はチームを組み、起業家と伴走することによって、プレシード段階のプロジェクトの抱える様々な問題を解決していきます。
世の中を変える可能性のある技術であれば、どんなニッチな技術でも大丈夫です。戦略やストーリーメイクなども一緒に行っていきます。
今世界にある様々な社会課題を解決していく為に、この国に眠る革新的な技術が世界に認知され実装されていくことを私たちは目指しています。
ーー利用方法を教えてください。
起業家は、HPにあるフォームに現在行っているプロジェクトを送っていただきます。その後私たちから連絡をして面談などを行い、私たちが支援しようとなったら実際にプロジェクトが始まるといった流れです。
クリエイターは、今までは既存のメンバーだけで構成されていましたが、今後新たに募集をしたいと思っています。募集の際には起業家の時と同じように、どのようなことがしたいかをフォームで送っていただく流れです。具体的には月額1万円のコワーキングサロンを作って、そこに登録した人たちでプロジェクトを支援していくことを予定しています。
また、最近は支援を求めるプロジェクトの数も増えてきたので、弊社に所属し全体を支援する運営側の人材の募集も検討しています。
ーーR-StartupStudioのひとつの機能性として、グローバルでのクラウドファンディングの展開というのがあると思うのですが、スタートアップがグローバルでクラウドファンディングを実施するメリットを教えてください。
大きく6つのメリットがあります。
1つ目はプロジェクトのビジョンが明確になる点です。私たちが関わらせていただくスタートアップやプロジェクトは、ビジネスモデルやマネタイズポイントが明確でない、もしくはプロトタイプもできていない、けれどアイディアがあって情熱があるといったものが多いです。こうした方々が私たちと一緒にプロジェクトを進めることにより、それぞれのビジョンを描きやすくなります。
2つ目はプロダクト化の前に精度の高いテストマーケティングができる点です。弊社のマーケティングチームは数値の取得や管理が強みなので、精度の高いテストマーケティングをすることによりピボットもできますし、効率よく自分のプロダクトを世の中に広めるお手伝いができます。
3つ目はトラクションを獲得できる点です。弊社はネットワーキングにも力を入れてきたので、学生起業家から年配の方まで幅広い繋がりがあります。こうしたところにPRができるので、トラクションを獲得するお手伝いもできます。
4つ目は世界中のメディアに向けてPRができる点です。海外向けのクラウドファンディングを使うので、国内ではなく海外のメディアに一気にPRすることができます。
5つ目はファンコミュニティを形成できる点です。クラウドファンディングはお金を集めることよりも、共感者やファンを集めることが重要です。私たちは、プロダクトや思想、理念に共感してくれる濃いファンを集めることができます。また、ファンコミュニティができたときにどのようにマネジメントしていくかが重要だと思うのですが、弊社がもともとオンラインコミュニティを行っていた関係上ナレッジやノウハウが非常にあるので、スタートアップに提供することができます。
6つ目はエクイティを放出することなく資金調達ができる点です。現在、資金調達はVCから資金調達をすることがトレンドになっていますが、エクイティを放出しなければならないといったデメリットがあります。クラウドファンディングであればデメリットがなく、億単位、もしくは必要な額を必要なタイミングで資金調達できるというのが大きなメリットだと思います。
ーープロジェクトを支援するクリエイター側のメリットは何でしょうか?
大きく3つのメリットがあります。
1つ目は自分のスキルを社会貢献のプロジェクトなどに活かすことができる点です。私たちと関わることで、今まで培ってきたスキルを社会貢献や人を笑顔にするプロジェクト、自分が心からワクワクできて共感できるプロジェクトに活かすことが可能です。
2つ目はワクワクできるプロジェクトに関わりながらきちんとお金を稼げる点です。クラウドファンディングを強みとしているので、本気でやれば支援額も億を超えるようなプロジェクトもあります。そのため、クリエイターの生活ができるような報酬は十分にお支払いでき、経済的にも潤います。
3つ目は自分のスキルアップ・キャリアアップに繋がる点です。スタートアップ領域や日本の技術を世界に発信するとなると、かなり質の高いものが要求されるので、それに伴って自分のスキルアップやキャリアアップにも繋がると考えています。
以上の3点以外にも、同じ考えを持った人たちと繋がれることでしたり、イベントスペースやコワーキングスペースを自由に使えるといった特典もあることも魅力の一つです。
ーー 一般的なスタートアップスタジオとの違いを教えてください。
サロン型になっていることです。
通常のスタートアップスタジオでは、一般の人では絡むことが難しいといったデメリットがあります。しかし、私たちはサロン型という形をとることで、個人で活動されているフリーランスの方などでも、自分のこととしてプロジェクトに携わりやすい環境作りを意識しています。
ーー起業に至った経緯を教えてください。
2019年に創業したのですが、それ以前はオンラインサロンのようなものを運営していました。
そこで情報交換をして、それぞれ仕事を生み出したり、フリーランスで仕事をする上で出てくる孤独感や目標の定め方などについてみんなで考えて話し合う環境を作っていたんです。
その中で、みんなスキルを持っているなら何か面白いことしたいよねとなって、小さなプロジェクトのクラウドファンディングをしたり、コピーライティングをしたりというのを無料で行っていました。
これがやっていて面白くて。ですが、小さなプロジェクトは単発で終わってしまい、継続的に持続可能な形にするのは難しいので、もっとインパクトのあることをしたいと思いました。
また、自分の社会における存在意義や使命感を見つけようと家とオフィスを解約してキャンピングカーで日本一周をしたことがあります。ミニマリストのような生活をしながら、日本中のいろいろな方々とお会いしたり、大自然の中で自分と向き合って何をすべきか考えました。
そんなときに、若くして起業し成功している先輩が視察旅行で海外へ行っていて。幸せって何なんだろうと考える時期でもあったので、その先輩たちと最初にデンマークに行ったんです。
当時、世界の幸せランキングで上位だったので、日本とは何が違うのかを現地の人を実際に訪問して話を伺いました。北欧を中心に、ヨーロッパやイスラエル、アジア圏の発展途上の場所などを回り、「教育」と「政治」と「スタートアップ」の三分野について学んで、アイスランドでは大統領にまで会わせて頂き、社会全体に対しての考えを伺うことができました。
また、有名なスタートアップを紹介してもらってオフィスに行ったり、その人の世界観や人生観、死生観、スタートアップを成長させるための課題観を聞いたりました。
世界中いろいろなところを回って、同じようにそれぞれの国の特性や文化を見させてもらう中で、一人一人が自己の存在意義を感じにくくなっている、いまの社会全体を覆う風潮や価値観を変えたいと思ったんです。
その手段として、多くの人が協力することでスタートアップを超連続的に生み出すことの出来るスタートアップスタジオという事業体を選びました。
フリーランスやクリエイターが数多く集まるR-StartupStudioでは、既存のエコシステムでは実現することの出来ない独自のスタートアップ支援策を組むことが出来ます。
R-StartupStudioには、スタートアップに所縁のあるVC出身者やスタートアップ関係者だけでなく、クリエイターやアーティストや社会活動家など多種多様な人たちが支援者として活動しています。私もそうですが、スタートアップ業界に対して無知なアウトサイダーだからこそ出来ることが必ずあると考えています。
ーー今後このサービスはどのように進化していきますか?
まずは国内外問わず、社会を良くするような技術やアイディアを持っているのにも関わらず、なかなか周りから助けてもらえてない人たちの支援を推し進めて行きたいと考えています。
設立から2年間で少しずつ実績も残せるようになってきました。それによって最近は色々なところからお話を頂いていますし、新しいメンバーやVC経験者にも私たちの考えに共感していただいてメンバーが増えている状態です。ここから一つずつ結果を出していって、さまざまな人たちと組んでいきたいと思っています。
また、あと2年ほどで日本各地に埋もれているところを集中してやりたいと思っています。日本の各地に埋もれてしまっている技術やアイディアや文化を、クリエイターで集まり、連携しそれぞれのスキルを活かし合って世界にどんどん出していきたいですね。
ーー目指す世界観を教えてください。
クリエイターの人たちも、スタートアップの中心に立っている人も、誰もが存在意義を感じられる、全員が主役になれる社会の実現を目指しています。
また、私たちは7年間で解散すると決めています。
7年間で2000の新しいプロジェクトを支援していき、それらが今後持続可能なかたちになり世の中に貢献していく。「7年間」という数字は都市計画・開発で使われている基準です。
まっさらな状態にゼロから創り、想像もできないようなものができる。想像もできないようなことだけど、リアルな数字だと思っています。例えば300年と言われてもイメージができなさすぎるし、2年だとイメージできすぎてしまい、小さくまとまってしまいますよね。そういった意味でこの「7年」が意味深いし、期間を定めたほうがみんなが集中するのでムーブメントも起こりやすいと思ったんです。
現在、2年が終わったのであと5年間は走り抜けたいと思っています。
繰り返しになりますが、R-StartupStudioは、未来を創る優れた技術を埋もれさせないために国内外のクラウドファンディングなどを積極的に活用し、独自の方法でプロジェクトを支援しているクリエイター集団です。
今世界にある様々な社会課題を解決していく為に、この国に眠る革新的な技術が世界に認知され実装されていくことを私たちは目指しています。
ここで少し、支援事例の一部を紹介させてください。
2020年は、独自かつ世界有数の大型3Dプリンティング技術を活用することで気候変動問題の解決を目指すスタートアップのクラウドファンディング支援をはじめ、SDGs推進に情熱を燃やす社会起業家のプロデュース、新型コロナウイルスの影響で苦しむ飲食店のDXを支援するプロジェクトの立ち上げや、「日本の落語を世界の『RAKUGO』へ!」を合言葉に日本独自の伝統芸能を世界に発信し続けるカナダ人落語家、桂三輝さんの活動のサポートなど、多種多様な“挑戦”のお手伝いをさせていただきました。
私たちR-StartupStudioは、この支援の輪を拡げていき、誰もが存在意義を感じることができる社会を実現させることで、「次の世代により良い地球と社会を残す」という、今を生きる我々大人に与えられた責任を果たします。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。この記事を通して私たちの想いを知っていただき、R-StartupStudioのに挑戦に興味を持っていただけたら嬉しいです。
ーー R-StartupStudioに支援の相談をしたい方や、自分のスキルや経験をスタートアップの支援に活かしてみたいという方は、どうすれば良いでしょうか?
ありがとうございます。私たちは、社会課題の解決に繋がる可能性のある革新的な技術や、社会的意義のあるプロジェクトへの支援を積極的に行っています。
そのような技術を持つスタートアップや、この社会を、地球をより良くする為のプロジェクトに携わる方からの各種サポート依頼を随時受け付けておりますので、お気軽に私たちにご相談ください。
ビジョンの明確化、チームビルディング、事業計画のブラッシュアップや、PR戦略やブランディング戦略、精度の高いテストマーケティングの実施や資金調達など、あらゆるご要望に対応することができます。
各種サポートをご希望される場合は、R-StartupStudio公式LINEに「支援希望」とメッセージをお願いします。担当者からご返信させていただきます。
また、私たちの想いに共感し、共にスタートアップやプロジェクト支援を行うクリエイターも募集しています。年齢や経験は気にせず、まずはご相談ください。弊社公式LINEに「クリエイター希望」とメッセージをいただけると嬉しいです。
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