常盤瑛祐
QubitalではData Science Consultant (Technical Operation)、Tokyo Otaku ModeではMarketing、One Voice Campaignなどを経験。環境国際条約政策提言、国内ネット選挙解禁、アート製作、ビッグデータ分析、等の業務を経て2017年1月にインドで現地調査を行った結果、既存OSが最適なOSだと思わないユーザーが一定数いることが分かり、今年の2017年3月にスマホ向けOSの開発を事業に決める。2017年7月にSkyland Venturesから出資をうけ、エンジニア8人のチームでプロトタイプ開発を完了した。
StatCounterによれば2017年のスマホOSのシェアはiOS(iPhone)19.59%、Android:71.95%、Windows:1.03%、その他:8.46% となっている。国産OSは存在せず海外企業に依存しているマーケットである。
その中で新たなOSスタートアップが誕生し、DeNA共同創業者の川田尚吾氏とFreakOut創業者の本田謙氏から総額2000万円の資金調達を行った。それが「アメグミ」だ。
全世界のユーザーの3割を占める、生活アプリしか必要としないユーザーを対象にスマホOS「SUNBLAZE OS」を作っています。
この試みは2017年3月にスタートしたばかりだが、川田尚吾氏と本田謙氏から資金調達。大手アライアンスに向けて動き始めている。既存株主はBLINCAMやKay meにエンジェル出資をしている山本真司氏と、U25向けシード出資をしているSkyland Ventures。12月にプロトタイプが完成し、新たな人材採用を進めていくため今回の調達を行った。
開発を同時並行で進めつつ、このOSが搭載されたスマートフォンの生産と販売は自社だけでは難しいため、現在オープンイノベーションによる大手企業とのアライアンス先を検討しているそうだ。
なぜこんな試みが始まったのか。
スマホは買い替え、売り切りモデルが基本になっています。OSアップデートが過剰すぎるか、まったくされないために1年半で強制終了したりする機種もあったりします。それはユーザーから「寿命かな」と見えますがそうではありません。
「最低限の機能」を求めるユーザーが持つスマートフォンやタブレットに特化すると最低限のOSアップデートでやっていけて、端末自体の寿命も延びるのです。
このようなスマホの利用シーンに着目しているのはなぜか。
2017年1月にインドで現地調査を行った結果、Androidが最適なOSだと思わないユーザーが一定数いることが分かりました。軽く見積もっても3億人は超えると見ています。
インドなどの新興国に限らず、ゲームや動画をほとんど使わず、SNSや検索、チャットなどの最低限の機能しか使わないユーザーはたくさんいますし、シンプルなOSはIOT機器などへの組み込み、業務用スマホや、公的機関も使いやすいのでチャンスは増加すると見ています。
たしかに、多くのユーザーが使う機能は限定的。ガラケーが熱心なファンがいるのもその証と言えるだろう。
将来を聞いた。
現在はデモプロダクト制作を終え、本格開発を同時並行で進めています。このOSが搭載されたスマートフォンの生産と販売は自社だけでは難しいため、現在オープンイノベーションによる大手企業とのアライアンス先を検討しています。
アライアンス先の候補は、大手通信キャリアや広告代理店、アプリ開発会社、IoT製品を扱っている会社で、中国の工場での生産と、世界各地での販売網の構築をやってくださるパートナーを模索しています。
アメグミからはOSの管理と工場とのコミュニケーションなどを提供し、協業による既存スマホ市場への破壊的イノベーションを実現します。
もうひとつはもっと先の目指す世界。
直近はスマホOSをうまく使って、ありとあらゆる社会課題、教育、保険、求人、決済、奨学金、防犯などを解決していきたいと思っています。
私たちが作っているスマホOSは、ゲームや動画を重視していません。なので遊んでいない人がターゲットで「努力する人のためのスマートフォン」になりたいと思っています。
現在はスマホのOSですが、PCなどはもちろんテレビやバイクにも搭載していきたい。
「努力しやすくするプラットフォーム」とは変わっているがビジネス上はメリットがあるのか?
「努力している」ユーザーに絞るということは人間として成長する人に絞るということ。そうすればキャリアアップも実現するだろうし、収入も上がってARPUがあがるはず。ビジネス上のメリットが出てくると思います。
スマホOSを軸に、事業を広げていく構想だ。
取材担当進藤
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