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インタビュー 2017.04.04

リーガルテック「残レコ」で社会課題に挑む弁護士スタートアップ

今日は、社会問題としてあるのに、誰もアプローチしていない問題に挑むスタートアップのインタビューです。弁護士が作った残業代推計・証拠確保アプリ「残レコ」を運営する株式会社日本リーガルネットワークの南谷さんに話を聞いてきました。

【編集部注】日本一ベンチャーを周るサーファーこと、會田さんのご紹介で今回の取材につながりました。ありがとうございました。


<南谷さんの略歴>

都内法律事務所で弁護士として勤務後、大手戦略コンサルティング会社での経営コンサルタント経験を経て、2015年に南谷綜合法律事務所を開設。経営コンサルタント時代には、複数の新規事業プロジェクトやインターネット系サービスのプロジェクトに関与。

唯一無二のサービス残レコで裁判に勝てるのか?

【編集部注】創業ストーリーやサービスについては東洋経済オンラインさん、R25スマホ情報局さんで素敵な記事がありますのでぜひご一読ください。

おしん記者

「残レコ」ってユニークですね。どんなところに注目したんですか?

南谷さん

リーガルサービスへのアクセスの効率化に限らず、リーガルサービス自体にテクノロジーを持ち込みたいなと考えて残業代に着目しました。

おしん記者

どんな風にサービスは動くんでしょうか?

南谷さん

まず、ユーザーにいくつかの簡単な質問に答えてもらうことで、労働契約や就業規則の内容を推測し、そのユーザーが残業代を請求できる勤務体系なのかと、請求可能な残業代の概算額を表示します。

おしん記者

そこから?

南谷さん

勤務地を登録すると、後は自動でGPSベースのログを取っていって、会社との示談交渉や裁判で証拠として使える形でオフィスにいた時間、すなわち就業していたであろう時間の記録をサーバに保管していきます。また、ユーザーが就労していた時間を自分で入力することもでき、この情報も入力した日時と共にサーバに保管されます。

おしん記者

なるほど、GPSログなどを証拠にするんですね。でもそれって証拠価値あるんですか?

南谷さん

GPSのログの方は、問題なく証拠価値が認められると思います。GPSログは客観的な情報ですし、残レコではユーザーが後からGPSのログを編集できない設計にしているので、証拠としての価値はより高くなるでしょう。過去の裁判事例から考えると、オフィスにいたことが証明できる場合は、基本的には、働いていたと推定されるでしょう。
ユーザーが自分で入力したログの方も、証拠としての価値が高まるように作っています。たとえば、過去の入力履歴を弊社のサーバで保管することで、残業代請求の直前にねつ造した物でないことを示すことが出来ます。

おしん記者

ってことはエクセルとかはあまり意味がない?

南谷さん

そうですね、記入した日時のログが取れていない場合、証拠としての価値は低いと考えられます。手書きメモのほうが紙の経年変化とかで見れる分まだましでしょうね。

おしん記者

さすが弁護士さんだ。このアプリを使えば裁判に勝てる?

南谷さん

実際に働いていたなら、ほとんどの場合で勝てると思いますよ。それに、実際は、あまり訴訟にならないでしょうね。訴訟やっても雇用主側が不利なんです。示談したい気持ちは企業にもあるし、守秘義務を巻くので風評被害も考えると示談が多いんですよね、現実は。


南谷さんが運営する「残レコ」は弁護士が作った残業代推計・証拠確保アプリ

社会問題としてあるのに、誰もアプローチしていない問題

おしん記者

なんでまたこんなサービスを?

南谷さん

社会課題を解決することに興味があって、大学時代から弁護士を目指しました。弁護士として就職したあとに、転職してコンサル会社で働きました。自分の考える社会課題の構造的解決のために、やはり起業したくて、「社会問題としてあるのに、誰もアプローチしていない問題」を考えました。

おしん記者

それが残業だった?

南谷さん

リーガル関係のビジネスを考えた時に、自分で考えて出てきたんですね。思いついて、2ヶ月くらいで辞めて、2ヶ月で創業しました。

おしん記者

思いついてから早いですね。弁護士出身ならではの強みってありますか?

南谷さん

リーガルテックをやっていますのでサービスの設計自体を法令や判例ベースでチェックできるのが強みですね。裁判を前提に作るから、ユーザーや企業を守れるんですよね。

おしん記者

そこは専門家ならではの強みですね。他には?

南谷さん

たとえば弁護士が執筆したわかりやすい「残業代Q&A」というのも用意していたり、50人の弁護士が登録してくれていて、全国にネットワークを作れているのも弁護士出身ならではかもしれません。

おしん記者

反対に苦労したことは?

南谷さん

仲間探しですね、一人目の早野は早かったが、エンジニアは苦労した、というか今も苦労しています。法律事務所、コンサルって経歴ですから知り合いからいなかったですね。

個人だけでなくホワイト企業や、なりたい会社を支援する

おしん記者

リーガルテックは海外が先行してますよね、訴訟大国というか。

南谷さん

アメリカにはサービスがたくさんあって、リーガルテックのイベントなんかも開かれるほどです。たとえば交通違反の摘発に対し質問してくと異議申し立てができるようなサービスもあったりします。

おしん記者

大きなサービスでいうとどんなのがあるんでしょうか?

南谷さん

最近で言うとLegalZoomというサービスがあり伸びています。2億ドル以上の評価がつくほどです。

LegalZoomは米国各州の法律に対応した役所手続き支援サービス。登記、不動産、商標登録、移民登録、特許登録などの役所手続きを、書類作成から提出まで自動サポート。

おしん記者

国内も次々事業者が出てきていますが、どんな計画でしょう?

南谷さん

まず現在は弁護士の仕事で稼いでいる状態なので徐々にサービスを拡大したいですね。短期的なマネタイズについては弁護士さんへの相談をする広告で収益を狙っています。弁護士さん側から考えると損はない話。ユーザーからは基本的にとらない設計です。

おしん記者

長期的には?

南谷さん

やはり本丸の「日本の労働環境を公正にする」というところをサービスにしたくて、個人だけでなくホワイト企業や、ホワイト企業になりたい会社を支援するようなサービスを検討しています。

おしん記者

ホワイト企業支援コンサルみたいな感じ、今の日本の環境では注目されそうですしユニークですね。楽しみです。
【編集部注】残レコではプロダクトの磨きこみのためエンジニアの仲間を募集中。
採用はこちらから

編集後記

「社会問題としてあるのに、誰もアプローチしていない問題」は難しいテーマであることが多いのですが、個人だけでなくホワイト企業や、なりたい会社を支援するという事業に昇華していこうとされているところがとてもユニークだと感じました。

スタートアップタイムズでもスタートアップの支援として取材を行っていますのでお気軽にお問い合わせください。

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