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インタビュー 2017.08.22

地球の1/3周分歩きながら、5分の1のコストで「ポケモンGO」のようなリアルワールドゲームを作る

ポケモンGOを展開するナイアンティック社によると、横浜みなとみらいエリアで8月9日~15日に行われたイベントで参加者数は200万人に達したと報じた。アップアニーによると、ポケモンGOは2016年度で9.5億ドル(約1100億円)の売上を生んだとしている。

そんな位置情報ゲームマーケットにあらたな仕掛けを持ち込むリアルワールドゲームスの清古さんにインタビューしてきた。

清古 貴史

メディアサービスのプランナー・ディレクターを10年、その後ソーシャルゲーム開発を5年経験。
現在当社のゲームプロデュースを担当

リアルワールドゲームのingressで世界トップクラスのプレイヤー(A16)として活動。
日本のトッププレイヤーを集めたユーザーコミュニティを運営。
Pokemon GOでは現在トレーナーレベル40。リアルワールドゲームで現実を歩いた距離は1万3000km。

従来型と比較すると、5分の1のコストでリアルワールドゲームができる

清古さんが提供するのは、位置情報ゲームのプラットフォーム。

位置情報ゲームエンジンプラットフォームを提供しています。キャラクターを乗せたらリアルワールドゲームが作れます。従来の1つ1つ開発していたものと比較するとものによっては1/5、すくなくとも1/3くらいのコストで作れます。とくに既存のキャラクター版権をお持ちの場合はかなり早く作れてしまいますね。開発で一番大変な地図基盤の開発部分を省けるのがメリットです。

リアルワールドゲームスではパブリッシャーとして早くも1本目のゲームをリリース予定。「ビットハンターズ」というゲームだ。トレーラーをご覧いただこう。※再生ボタンを押してください。

プラットフォーム事業者がゲームを提供するのはどうしてなのだろう。

1作品目の「ビットハンターズ」はデモを兼ねた作品になっています。ライセンス提供、アイテム課金はもちろん、店舗さんにユーザさん誘導したりする、O2O広告モデルのデモでもあります。これをデモに有名な版権をお持ちの事業者さんとの話を並行ですすめていて、引き続きパブリッシャーをやる予定です。

ある程度実績ができたらエンジン提供を積極的に行いたいですね。

4年がかりであったという開発ストーリーを聞いていこう。

日本ではリアルワールドゲームでここまで来ているのはうちだけ

清古さんが、開発のヒントを得たのは4年前。


今のプラットフォームができるまで4年くらいかかりました。ポケモンGOみたいなモデルが注目されていないときから作ってきたので大変だったですね(笑)最初はIngressに衝撃を受けました。文字通りハマりました。

でも、みんなに布教したけどだれもやらなかったんですね。
ここにいる岡部だけが付き合ってくれて周りを洗脳してきました。Ingress自体がマインドコントロールしていくというゲームですが、リアル洗脳してきた感じですね(笑)

未だに社員はまだそんなにハマってなくて、当初イメージできていなかったんです。ただ、最初からイングレスになじみのあるキャラクタ乗せたらみんなやるよなーと思っていました。

取材に同席してくれた岡部さんは笑いながら頷く。

取締役CTO兼CFO 岡部 典孝(おかべ のりたか)
ingressの日本トップクラスのプレイヤー(A16)。囲碁アマチュア高段者で囲碁AI開発経験あり。
Pokemon GOトレーナーレベル33。

どこでもやれそうなゲームエンジンな気がするが、と意地悪な質問をしてみた。

日本ではリアルワールドゲームでここまで来ているのはうちだけだと思います。

従来のソシャゲと違って、屋外で移動する設計が位置ゲームのポイントですが、従来はキロメートル単位の位置取得が普通でした。IngressやポケモンGOはメートル単位で位置取得をしたり遊ばせたりできると言うのが画期的なんですよね。

ここで安易にgoogleMAPのAPIを使えばいいじゃん、と考えて参入した事業者がたくさんいますが、しんどいことになっています。なぜならAPIのリクエストコストはもちろんMapAPIは必要な情報をすべて返してくれるわけではありません。

地図業界とゲーム業界の交流は薄くて理解するのが難しいところなのですが、私たちはMAP代を削ってビジネスの土俵に立つべく基盤を作ってきました。そこが他社さんとの違いです。

実際に多くの記事などで、「無理」と開発者たちがさじを投げてきている。

【島国大和】開発者から見た「Pokémon GO」。無理無理,こんなの作れません http://www.4gamer.net/games/316/G031663/20160826149/

クライアントや上司に「ポケモンGOみたいなゲーム作って」って言われた時に投げつけるまとめ https://togetter.com/li/999088

4年がかりの開発が実って生まれた参入障壁と言えるだろう。

ゲームプラットフォームは氷山の一角

ゲームプラットフォームの事業者かと思えばどうやらそれだけではない。

現在はフロントサービスのビットハンターズなどゲームの会社の顔つきですが、氷山の一角だと思っています。位置情報プラットフォームでゲームはその一つですから。

人が移動するということは、O2Oもあるし、地方創生もあるし、移住もあるし、行動ログ解析もあります。もっと大きく言えば「健康を提供する=歩くということを提供する」サービスの側面もあります。

例えば健康経営という言葉がありますが、人口減少社会にあって労働寿命、健康寿命を延ばすようなアプローチは注目を浴びています。しかし体力は重要になるが維持をするのに簡単なものがないのが課題です。

そんな中でハードルを下げる意味でゲームというインターフェースは有効ですが、表だって見えるユーザー課金よりも裏側で展開されるビジネスの方が大きいのです。

清古さんの話す通り、リアルワールドゲームスのエントランスにはIngressのエージェントカードが大量に展示され、清古さん自身が「リアルワールドゲーム」の虜だ。

リアルワールドゲームス社のエントランス

最後に、なんでそんなに歩けるのかを聞いてみた。

脳内麻薬でしょうかね(笑)医療の世界でもいわれていますが古来から歩くことに人間は最適化されているんです。

副次的に言えば、体力が上がる、仕事の力が上がるからでしょうね。このビジネスも岡部と歩きながらのMtgがビジネスにつながったんです。例えばジョブズなんかも歩きながらMtgするのが好きだったらしいですね。

ガチャ刺激なんかよりもずっと強い刺激が歩くことですから、将来的には現実と仮想現実の融合で、地球のGDPの何分の1かが位置情報まわりのビジネスに行くだろうと思っています。

清古さんは地球の1/3周にあたる1.4万キロをすでに歩いているという。

「リアルワールドゲームス」について知る

編集後記

おしん記者

田所さんが主催するStartUpDatingで知り合った清古さんと岡部さん。ポケモンGOユーザーのひとりとして楽しみなビジネスです。

スタートアップタイムズでも起業家のPR支援として取材を行っていますのでお気軽にお問い合わせください。

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