SIVAという競馬予測サービスとAIシステム開発を主事業とする株式会社GAUSSの宇都宮さんに話を聞いた。
宇都宮綱紀
建築業(鉄筋工)勤務を経て、2006年(26歳)より独学でコンピュータを学びIT業界へ転職。2011年に富士通グループへスカウトにより転職。富士通ではシニアアーキテクトとして、金融系システム開発、パブリッククラウドの新規事業の立上に従事。自身のアイデアで社内の新規事業提案し、2度の事業立ち上げを経験。富士通エンジニアコンテスト(FUJIHACK)で2015年、2016年と初の2連覇を達成。
宇都宮さんが提供するのは、競馬予測サービス「SIVA」。
競馬予測AIを作りました。過去通算の平均回収率は約130%で、うまく的中した日には、回収率288%を出したこともあります。2017年1月からサービス提供を開始し圧倒的な的中率を目指して日々数万件のレースデータから必要な情報をピックアップして提供するアプリです。
サイトには次世代の競馬とある。
利用イメージは宇都宮さんから提供してもらった動画がわかりやすい。
競馬アプリはいくつかあるが、どこが違うのかが気になるところだ。
どこもロジックを開示してないので困ったところですが、結果でお話しますね。ドワンゴ主催の電脳賞でSIVAは全日的中のパーフェクトを達成。さらに、4/2のレース予想では、第2回競技会初の5レースパーフェクト的中を達成しました。
実際昨年2016年の11月からは下の図のように、日々改善を繰り返し回収率100%を超える日が出るようになってきているとのこと。
とても失礼だが競馬アプリだけで生きていけるのだろうか。
そうですよね(笑)ANAPさんと共同で画像解析エンジンを開発したりしています。若いギャルの言葉や検索に特化していて、速度が強みです。ギャルの用語に対応したエンジンを作っている感じですね。
20-30万のデータを解析していますが教師なしでやっていて、グルーピングで自動学習をかけて、強化学習で学習をさせています。
このほかにもいくつかのエンジン提供をしているので、生きていけます(笑)
こちらも利用イメージは宇都宮さんから提供してもらった動画がわかりやすい。
ANAPといえば超老舗。要求も厳しそうだ。どんな効果を狙っているのか。
ECサイトに商品を掲載する際に撮影した画像から、AIで最適なタグを自動生成し、検索エンジンからの消費者の流入数や検索ワードのヒット率の向上を図り、EC売上増加が見込めます。
また、ECサイト運営の中で特に従業員の手間と時間を費やしていた業務をAIで効率化することにより、更なるECサイトの利益率向上や顧客対応等の品質向上に注力できます。
ROIがしっかり設計されたAI導入となっているようだ。
宇都宮さんはどんなバックグラウンドの人なのか。
元々、高校を出て26歳まで鉄筋工だったんです。横浜駅を作ってましたよ。ライブドア事件をきっかけにこの道を志しました。
意味が分からない。プログラミングはできたのだろうか?
いえ、全然。ですから2006年がわたしのプログラマー人生のスタートです。そこから富士通の下請けをやってる会社に入社しました。頑張ってたら2011年に富士通グループにスカウトされまして。
結構なスピードのステップアップに見える。聞けば新規事業の立ち上げもやっていたそう。
新規事業の立ち上げをやっていました。シニアアーキテクトにまでしていただいて金融系システム開発、パブリッククラウドの新規事業など、新規事業立ち上げを2度もやらせてもらいました。それに富士通エンジニアコンテスト(FUJIHACK)で2015年、2016年と初の2連覇を達成するなど、いい経験をさせてもらいました。
なんでそんな人が独立してしまったのだろう。
事業計画を書く仕事もとても勉強になったんですが「もっと作りたい!」となってしまったんですよね。会社でもSIVAの原型のサービスをやることが決定していましたね。でも、モチベーションが出すまで持続できなかったんです。
なんだかもったいない気もするが、起業するタイミングはそんなものだ。
まだ起業して、半年のタイミングだが今後はどうしていくのだろう。
チーム組成は日本代表レベルだと思っています。たとえば一緒に創業してくれた取締役の関塚は、IBMとPwCを経て、経営コンサルティング業務を経験しています。そのほかに日本を代表するSIなどからメンバーが揃っています。みんながやりたいことをやれる会社にしたいですね。
インタビューに同席してくれた関塚さんは隣でうなづく。
わずか半年で複数の顧客を抱える事業はどうなのだろう。
共同開発で2件決まっていて滑り出しは良い状態です。ありがたいことに黒字なのですが、どんどん人が欲しいですね。
SIVAはもちろんですがB2B事業も事業部化して育てていきたいと思います。
最後に、今後の目指す姿を聞いた。
もっとAIって自由なもののはず、ブラックボックスになっていますよね。競馬を選んだのも「データが豊富」かつ「予想」を楽しむスポーツで人工知能と相性が良くて、結果が公開されているからです。しかも週毎にレースがあって予測の「結果検証」を短時間で行えるので、とってもオープンです。効果があるAIを作り、ふつうの開発にしたい。その過程ですが最短でIPOを果たせたら最高ですね。
BtoC事業とBtoB事業の両輪を展開しながら、上場を目指していく計画だ。
おしん記者
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