外山 隆浩
新卒で株式会社セプテーニに入社しSEO事業の立ち上げに参画。約6年に及びSEOコンサルタントとして従事する。在籍中は、2年ほど部門長としてSEO事業を管掌。同社を退職後、株式会社アイピース(現フランジア・ジャパン)の創業に携わりCMOに就任。WEBコンサルティング事業部を統括する。その後、株式会社スタイルマークスを創業し現在に至る。
矢野経済研究所によると2016年の国内アパレル総小売市場規模は前年比98.5%の9兆2,202億円、紳士服、婦人服、ベビー・子供服いずれも減少している。一方で通販チャネルのシェアが高まっていく見通しで、ファッションテックと呼ばれるIT企業が成長を見せている。
その中でパーソナルスタイリングにこだわっているスタートアップがある。それが「スタイルマークス」だ。
パーソナルスタイリングを誰もが受けられるサービスを始めるにあたり、集客装置として「コーディネート提案型EC」を運営しています。言っちゃえば普通のECなのですが、スタイリストが作ったコーディネイトからアイテムを見せるという流れにこだわっています。28-32歳くらいをターゲットにしています。
ファッションテック領域はスタートアップが多数生まれている領域の一つ。
割とAIとかテックがもてはやされてますが、ぼくらがやりたいのはファッションスタイリストというプロが情報のフィルターとなって”本物”を提案していくスキーム。ことECではセレクトショップ回帰モデルです。
実際、サイトにはコーディネートが多数掲載されている。どういった狙いなのだろう。
どんな素敵な服でも、上手く着こなせないと宝の持ち腐れです。全ての取扱いアイテムではできていないですが、各アイテムを実際にどう着ればいいのかスタイリストが提案することで、よりファッションを楽しんでもらいたいと考えています。
現在構築中なんですが、「裾のロールアップはどこまでやるといいのか」「袖はどこまでめくると素敵に見えるのか」などスタイリストによるマニアな”スタイリングの実験結果”の提供も行っていきます。いわゆる教科書コンテンツ的立ち位置なんですが、雑誌も単純に大変なのでやらなくなってきている領域ですね。スタイリングの奥深さを知ってもらうことで、パーソナルスタイリングサービスにも説得力を持たせたいと考えています。
AIがメインストリームですが、逆張りをして人が介する価値を突き詰めたい。人の力を追っていきたいんです。
人の力を活かすテックと言えそうだ。
なぜスタイルマークスは生まれたか。
もともとセプテーニにずっといてマーケティングコンサルティングをやっていました。そのうちに自分も事業主としてtoCサービスをやりたいと思っていましたが、縁あってフランジアジャパンという開発会社の立ち上げに参画させていただくことに。そこで会社の成長期まで仕事をさせてもらって、会社のフェーズが変わるタイミングで踏ん切りをつけ創業しました。
マーケティングとプロダクト開発のバックグラウンドを持っての起業だったようだ。
ファッションドメインの選択はなぜなのか。
1点目はメディアをやりたくて。なるべく長く使ってほしいので衣食住のどこかにしようと考えたとき、不動産と飲食はしんどそうだなと(笑)
もう1点はプライベートで、奥さんがアパレル販売員で「お前のかっこうはダサい」と助言してくれたんですよね。いわゆるパーソナルスタイリングを受けて続けてきた実体験があったんです。
大学生のころからビジュアル系のファッションをしていて、「アレ」だったんですけど(笑)おしゃれになりました。
最終的にはユーザーにヒアリングしたら「お金のある人のサービスなんじゃないか」とか「誰にお願いしたらいいのか」とか。不満があったので「ここだ」と思って創業しました。
奥さんのコーディネートの甲斐もあって外山さんの普段は、自然に、おしゃれ。
マーケットと実体験、そしてユーザーインタビューでつかんだきっかけだった。
将来を聞いた。
まだ始めたばかりで大きなことを言うのもなんですが、パーソナルスタイリングを一般化させる、手頃にしたいですね。まずはスタイリストのデータベースを作って、検索して見つけるという作りにしたいです。ライトにチャットベースでやれるようなイメージ。
海外だとWISHIのようなサービスが出てきていて、Juniorはチャットの500円、対面型のVIPは数万円というように、気軽に試せるようになってきています。
国内ではまだ聞きなれないパーソナルスタイリングだが、海外では有力スタートアップが出てきている。
パーソナルスタイリングにこだわる理由はもう一つあるという。
実はファッションを支えるスタイリストさんの仕事は安定していないんです。固定の仕事がない方も多くて、もったいないんです。ファッションの文化を作ってる人たちなのに。その才能を社会のために活かしたい。
ビジネス的に言うと、スタイリスト側のアサインは問題ない。いかにユーザーに試してもらうかが重要。なのでメディアから入っているんですよね。
セプテーニで学ばせてもらった、自分の得意なSEOから入って、ユーザーと一緒にパーソナルスタイリングの文化を引き上げていく。3年くらいで「Webユーザーの1割がパーソナルスタイリング知ってるとか、使ったことある」状態に持っていきたいです。
ファッションテックの中の人を活かす試み。成長が楽しみだ。
取材担当進藤
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