(撮影:集合写真家 武市真拓)
島添 彰
大阪府立大学修了後、サントリーシステムテクノロジーに入社。自動販売機の配送管理、販売管理システムの開発・運用・導入を広く担当。同社にて自動販売機の新しいカタチのビジネスモデル提案。 2017年8月にYper株式会社を創業。同社CTOに就任。日本の宅配の再配達問題を解決するプロダクトOKIPPAの立ち上げを実施。現在もプロダクトのグロースを担当。東洋経済社のすごいベンチャー100、Forbes 30 Under 30 Asia 2019に選出。
誰でも簡単にインターネットで物を注文できる時代になった。その一方で、郵便物の再配達依頼の増加が深刻な問題となっている。そこで、宅配の再配達問題を解決する置き配バッグOKIPPAを提供するYper株式会社(イーパー)を紹介する。
サービスを一言で言うと、「袋状の置き配バックとスマホを連動して、宅配の再配達問題を解決するプロダクト」です。
日本では1年間に42億個もの荷物が配達され、そのうちの2割が再配達になっています。1個再配達するのに約150〜200円くらいがかかるため最底でも600億の無駄が出ています。
そういった再配達の問題をOKIPPAは解決する事ができます。システムとしては、置き配バッグOKIPPAを玄関口に吊るすだけで、在不在に関わらず自宅玄関前で荷物が受け取れます。さらにOKIPPAアプリと併用すれば、荷物がバッグに預入完了後に、アプリに配送完了通知が届くシステムになっています。
OKIPPAを利用するメリットとしては、まず常時設置の宅配ボックスではないので場所も取らないためマンションに住んでいる人も利用することができ、面倒な工事やセッティングは不要なので簡単に利用できます。また、盗難防止機能や撥水加工もしてあるので、安心してOKIPPAを利用できます。さらに、荷物待ちや再配達のストレスから解放されるのも大きな利点です。
OKIPPAの折りたたんだ時の大きさはわずか13cm。受け取れる荷物の大きさは最大57リットルと非常に大容量だ。
OKIPPAを利用する事で、荷物受け取りの手間やストレスを解消する事ができる。
ユーザーとしては、週1回以上オンラインショッピングで買い物をするオンラインショッピングのヘビーユーザーをターゲットにしています。ヘビーユーザーは、現在日本で100万から300万人いると言われており、再配達の多くはここから始まっていると考えています。
競合としては、戸建ての方やマンションオーナーを対象とする類似サービスはありますが、個人を対象としたサービスは私たちの他にありません。
起業の経緯について聞いた。
前職はサントリーシステムテクノロジー株式会社という会社で、自販販売機の営業やオペレーション支援システムの開発と運用をしておりました。しかし、やりたいと思っていた新規事業になかなか携わる事ができず独立することを決意しました。私は共同創業者で、社長と私の共通点としては、「社会にインパクトを与えたい」という点でした。起業後は、社長と一緒に30個ほど事業を考え、色々試行錯誤した結果、最終的に現在のOKIPPAにたどり着きました。
将来の展望を聞いた。
今後1年間はOKIPPAで再配達の問題を解決しきりたいと考えています。私たちの想定では100万個のOKIPPAを配る事ができれば再配達の問題は解決できる見込みです。現在13万個の配布が完了しているため、生きるか死ぬかくらいの勢いで残りのOKIPPAを配り切り再配達の問題を解決したいと考えています
今後5年間では、OKIPPAで日本の再配達の問題を解決した後、次は世界に出て国々のインフラを作っていきたいと思っています。日本の宅配のインフラは世界一ですが、一方で世界はまだ宅配のインフラを構築できていないという現状があります。物流に限らず世界中には様々な課題があり、世界をより良くできるサービスをいくつも開発していきたいです。
日本から再配達の問題を無くす架け橋となるか。Yper株式会社更なる進化に期待だ。
取材担当阿部
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