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インタビュー 2017.01.26

「人生に、祭りを。」マツリズム大原さんの「お祭り」スタートアップ

「どんなテーマで起業するのか…」多くの起業家さんが考えるポイントの1つ。

今日は、「お祭り」をテーマにスタートアップをする方のインタビューです。地域のお祭り体験ツーリズム「Ma-tourism」を運営する一般社団法人マツリズムの大原さんに話を聞いてきました。

【編集部注】ETICの鈴木さん、野田さんのご紹介で今回の取材につながりました。ありがとうございました。

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<大原さんの略歴>

1983年神奈川県南足柄市生まれ。幼少期から祭りに強い憧れを抱いて育つ。大学在学中に祭りの魅力に目覚め、米国留学時にはソーラン節の普及を行う。日本GE株式会社、NPO法人クロスフィールズでの勤務を経て、2016年に退職、マツリズムを設立。
blog: http://manabuohara.hatenablog.jp/

原点は大学当初の「ぼっち」生活

おしん記者

祭りって面白いテーマですね!どこからこんなテーマが出てきたんでしょう?

大原さん

実は大学に入った当初はいわゆる「ぼっち」で。馴染めなくて居場所がなかったんです。

おしん記者

「祭り」とは遠い感じから始まりますね(笑)

大原さん

そうなんですよね(笑)自信をなくし引きこもりがちだった時に、友人に誘われてお祭りに参加したら「こんな自分でも受け入れてくれた」感覚があったんです。そこが原体験。

おしん記者

そこから起業まで10年ほど時間があきますね。

大原さん

アメリカ留学した際にソーラン節と祭り文化を広める活動みたいのをやって。卒論では「円陣」について研究をしたりしました。

おしん記者

円陣?

大原さん

そう、3つポイントがあるんですよ。「身体接触」「前傾姿勢」「声のおおきさ」これが揃わないと円陣は心理効果があがらず逆効果。

おしん記者

またマニアックな。

大原さん

60くらいの円陣をビデオに撮って分析し、心理実験をして研究しました。

1度は就職…しかし

おしん記者

じゃ、そのあと順調に創業という感じで?

大原さん

それが、1度は就職をして、約5年半、外資系金融機関で地方営業をやっていました。

おしん記者

エリートじゃないですか、この会社。

大原さん

休日に趣味で祭りに触れたり参加を続けていたんですが、地方で営業していると、地方の課題や祭りの力を感じることが多かったんです

おしん記者

それで創業を。

大原さん

そうですね。その後約4年間企業向けの人材育成をするNPOで働かせていただいた後、2016年にマツリズムを創業しました。

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Ma-tourismは地域の人とともにお祭りに「参加」することで、その歴史・文化・人の温かみに触れられる体験型ツーリズム。

提供するのは「宴会まで参加して、次の祭りに誘われる」体験

おしん記者

どんなサービスをしてるんですか?

大原さん

「地域の担い手と共に祭りに参加して、地域の文化・歴史、そこに生きる方々の生き様に触れる」ことをサービス提供しています。

【編集部注】Ma-tourism参加者が茶色衣装、地域の受入側が灰色衣装。

おしん記者

祭り専門の旅行代理店みたいな?

大原さん

そうですね。「お祭り後の宴会まで参加させてもらい、次の祭りに誘ってもらえるわれる」ような濃い体験の提供を目指しています。が、参加者側は「祭りに参加するきっかけがない、参加する方法を知らない」方々が圧倒的で。

おしん記者

たしかにね、でもハロウィーンとかはお祭りしたいわけですよね。

大原さん

人とのリアルなつながりを求めている。シェアハウスとかもそうだと思うんです。都会のまぁまぁ有名なお祭りでも高齢化が進んでいて、で若い担い手がいなくて。地方だと「そもそも人が居ない」レベルで。ここをつなぐのが役割です。

おしん記者

どうやってつなぐんですか?

大原さん

お祭りの企画段階から地域に入らせていただいて、課題をお聞きして。そのあと参加者を集めながらお祭りについての事前講習、受け入れ側と参加者側でのスカイプ対話などもしてもらうこともあります

おしん記者

練習や事前交流するんですか?

大原さん

そうです、例えば阿波踊りだと、1時間練習したり対話するのとしないのとでは、行ったときの楽しめ方が全然違うし、受け入れ地域の方々からも「こいつら分かってるやん」と仲間に入れてもらいやすいんです。

おしん記者

確かに。満足度がかわりそう。そのあとは現地にと。

大原さん

そう。あとは、お祭りへ参加してもらって、終わったあとも交流の促進をしていきます。「宴会まで参加して、次の祭りに誘われる」ような2回目の継続参加も増えてきてます。

祭りを通じて「ただいま」「おかえり」を目指す

おしん記者

まだはじめて半年くらいですけど、どんな実績、将来像ですか?

大原さん

Ma-tourismはこれまで約2年で7都市15回、のべ150人にが参加してもらっていますが、このつながりをより深く、そして輪を大きくしたいですね。『多様な人が混ざり合い支え合う「感謝と受容」の社会』みたいのを作りたいんです。

おしん記者

どんなところが厳しいんですか?

大原さん

四国山間部のお祭りの話ですが、人が居なくて神輿を軽トラでかつぐような具合です。数年以内に止めざるをえないか、形を変えるかしかなくなっているお祭りもたくさんあります。

おしん記者

感謝と受容の部分は?

大原さん

学生の頃の私のように「都会で居場所を探す若者」を「地元の誇りである祭りが廃れて悲しむ担い手」が受け入れてくれる。2年目ともなると、地域を超えて「ただいま」「おかえり」という会話になったり、3年目には地元の人から衣装をもらうまでになるような感謝がやりとりされる…そんなイメージです。

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徳島県三好市などでのMa-tourismでは「ただいま」「おかえり」といったコミュニュケーションが始まっている
※エンジのハッピがMa-tourism参加者

おしん記者

いいですね。いま力を入れていることはありますか?

大原さん

参加者の参加費で運営費を賄っているところがあり、自治体さんとの取り組みも増やしたいと思っています。あとは参加者の幅もどんどんふやしたいですね。そういったことをやってくれる、マツリズムを一緒にをつくっていきたいと思ってくれる仲間を探すことに力をいれています。
【編集部注】マツリズムの活動説明会が行われているので、興味がある方はぜひ行ってみては?
■ マツリズム活動説明会
2/25(土)13:00-15:00 @irori日本橋
活動説明会はこちらから

編集後記

「祭」にフォーカスして事業を立ち上げようとしている大原さん。祭りのことをお話されるときはとっても楽しそう。こっちも元気が出る時間でした。

スタートアップタイムズでも大原さんのようなスタートアップの支援として取材を行っていますのでお気軽にお問い合わせください。

取材はこちらから

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