最近、スタートアップが出てきている営業領域。Saleshubの江田さんにインタビューしてきました。
江田 学
大学1年次よりソーシャルコマース事業、リアルアフィリエイト事業を手掛けるスタートアップに立ち上げから参画し、営業部門を担当。 その後、株式会社Saleshubを設立し、代表取締役社長に就任。
平成24年就業構造基本調査によると「営業職業従事者」は労働人口の8.6%。つまり約500万人が従事する職業が営業だ。長らくIT化が遅れていた職種のひとつだがセールスフォースをはじめとしたCRMを中心にサービスが普及し、直近ではスタートアップの参入が増えている。
この領域でちょっと変わった「リファラル営業」というモデルに挑戦するのが「Saleshub」の江田さんだ。
Saleshub(セールスハブ)は、お客さんを紹介して欲しい企業とお客さんを紹介できる個人のマッチングサービスです。企業は完全成果報酬で顧客を獲得することができ、紹介した個人はお祝い金を獲得することができます。おかげさまで現在、サービス公開1か月半で270社を超える企業にご登録いただいております。
採用の世界では「リファラル採用」という社員紹介方式の採用手法があるが、その営業版と考えていいだろう。
利用方法はシンプル。
利用企業は「こういう人を紹介してほしい」という紹介依頼をSaleshubへ投稿。「それなら紹介できる人がいる」というユーザーが「この事業のサポーターになる」ボタンから応募をする。
サポーター応募後、企業側の審査を経て合格して初めて紹介活動を行うことができるようになる。後は興味がある方が見つかり次第、企業へ紹介し、成約すればサイトに提示されている報酬が受け取れる仕組みだ。
お祝い金には、企業と知り合いのアポをセッティングすることで獲得できる「アポのセッティングに対するお祝い金」と紹介後、ビジネスに発展した際に獲得できる「ビジネスの成約に対するお祝い金」の2種類がある。金額も数千円から、案件によっては数百万円になるものもあり、つながりの多い営業マンであれば、かなりの副収入を得ることも難しくない。
営業支援領域ではCRMやMA(マーケティング自動化)が全盛の中このようなビジネスを始めたのはなぜか。
スタートアップ界隈ではよく、「世の中の一番の負を解決しろ」といったことを言いますが、僕にとっての一番の負はなにかなと考えた際に、それは前職で経験したテレアポと飛び込み営業でした。やる方もやられる方も辛いこれらの営業手法が少しでもなくなっていけばいいなという思いでSaleshubを開発しました。
江田さんの思いはサービスサイトにも記されている。
なぜリファラル、紹介と言う形を取ったビジネスモデルにしたのか。
従来のようなテレアポや飛び込みでは、どんなに商材がよくても拒否されてしまうことがほとんどです。ですが、よく知っている人からの紹介を通すことによって、内容をよく聞いていただき、興味を持っていただけるようになるというのが理由の一つです。知り合いからお客さんを紹介してもらったことのある企業さんも少なくないと思いますが、そんな昔からある「紹介営業」をインターネットの力によってよりスムーズに便利に行い、法人営業を加速させていくことができればと思っています。
利用者の声にも紹介されているように、お祝い金だけでなく、知り合いにいいものを教えてあげたいという純粋な好意が紹介を生んでいるよう。
友人からの紹介が1次のフィルタリングとして機能することで見込み度の高い顧客の紹介を受けられそうだ。
リファラル文脈では人材紹介のリファラル化を進めるスカウターなどがあるが、競合などを含め将来はどのように考えているのか。
現状ではダイレクトな競合はいないと考えていますが市場でいえば、営業代行会社さんやテレアポ代行会社さんが競合に当たるのかなと考えています。未来の営業は、価値ある事業を作り、Saleshubに紹介依頼を出しさえすれば、後は事業に共感したユーザーさんがどんどんお客さんを連れてきてくれる、そういった世界を作っていきたいと考えています。
営業領域の先はあるのだろうか、展望を聞いてみた。
採用の領域ではRefcomeさんやSCOUTERさんなどがありますが、営業のリファラル領域をSaleshubが担っていきたいと考えています。
また、昨年末に政府が副業解禁を発表をしましたが、デザイナーさんやエンジニアさんが自分のスキルを活かして副業を行える環境は整ってきているものの、営業マンやビジネスマンが気軽に副業ができる境はまだまだ整っておりません。営業マンが自分たちのスキルを活かして気軽に副業ができる、そんな新しい働き方を作りたいと考えています。
Saleshubは半年の目標としていた300社を早期に達成する見込み。今後は今年度中に導入社数1000社、紹介営業をしてくれるサポーターを1万人に増やすことを計画しているそうだ。
おしん記者
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