土居 晃大朗
1997年生まれ。東京大学2年。複数社のスタートアップでインターンの後、東大起業サークルTNKという起業を志す学生の集う団体の代表を務める。
2012年の政府統計では、在学中起業者は約4000人。5年前の9000人弱から半減し、学生起業家は減少傾向にある。
その中でGunosyにCandleなどの有名スタートアップを例年輩出する学生団体がある。それが日本最大の起業サークル「TNK」だ。現代表の土居さんによるとTNKはエコシステムだという。
TNKは学生サークルではあるものの、起業家輩出団体、企業家の卵を集めるエコシステム、場づくりコミュニュティだと思っています。
これだけの実績がある団体ならば相当数の応募がありそうだが、どのように運用するのだろう。
1期あたり100名程度の応募がありますが、1期30名までに絞っています。クローズドで2期に分かれて計60名で活動しています。ものすごくアクティブなのはそのうち30〜40名くらいでしょうか。
どのような学生が集まってくるのだろう。
起業したいというわけではなくて、意識高いサークル探していたりする人もいますね。「ザ・変わった東大生」としてさんまさんの番組に出ている人気者みたいな子もいたけど、落ちちゃったりして(笑)
東大サークルと言っているものの、東大以外も多くて、4-5割が東大、早慶が毎年多くて明治、亜細亜、などなど、多種多様です。
100名から30名ほどに絞る流れはどんな流れなのか。
オープンな勉強会をした後、面接して選考しています。「起業したい」の熱量、地頭の良さ、カルチャーに合うかなど、評価項目を決めていてそれに沿って審査を進めます。結果として大学にかかわらず優秀な学生が多いですね。
選ばれるとどうなるのだろう。
毎週勉強会があって先輩起業家によるレクチャーがあります。例えばジャフコの投資家による中国の状況、AltaAppsの森川さんによるブロックチェーンの講義、フリークアウト佐藤さんによる広告の勉強会やGameWith今泉さんによる勉強会などもありました。
その他、ビッグゲストという意味ではBase鶴岡さんとキャンプファイア家入さんとの対談イベントもやりました。年に1回、前期は2か月のチームを作りビジネスコンテストがあり、後期はプロダクトを作ってみるという流れになっています。
学生の時からこういった活動がきちんと行えるのは珍しいと言えそうだ。
なぜTNKは生まれ、続いているのか。
初代代表はダブルエル保手濱さんですね。それから2期はナイルの高橋さん。10年前ぐらいって東大で起業するのは珍しく異端だったんですよね。
保手濱さんが個人で光を浴びることが多かったですが、ビジコンで優勝して堀江さんのカバン持ちをするみたいな話になり、テレビに出たりして、メンバーが集まってきたのが団体として大きくなるきっかけだと聞いています。
あとは「Gunosy福島さんらの代なども飲み会がメインのサークルだった」とか(笑)
とは言え、こういった学生団体を11年も続けられている理由は何か。
今まで続いてる理由は、起業サークルで実績がでているからですね。卒業生ネットワークもしっかりしていて、サークルで学んだことをインターンで実践するというようなやり方ができている。例えばCandleなどは疑似起業インターンの場になっています。
さらにGraffity森本さんのような若い起業家も続いている。
この取材自体もTNK卒業生からの紹介で始まった。
学習と実践を潜り抜けて起業して実績を残す。とてもいいサイクルができている。
将来を聞いた。
「TNKマフィア」と言えるような起業家集団に成長したいですね。純粋に起業家が増えるといいな、期あたり5社くらいなのでどんどん増やしたいと思っています。
どういった取り組みになっていくのだろう。
すでにいくつか実績がありますが「新規事業に興味ある学生集まれ」というような採用イベントやプロダクトに対する企業の協賛などをやっていきます。
現役世代もそうだけど、先輩も育ってきているのでどう社会に還元できるのかということが大事になってくると思っています。
起業家エコシステムの一端を担う学生団体の「TNKマフィア」の今後、引き続き追っていきたい。
取材担当進藤
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