今林 広樹
暗号技術とデータセキュリティ、機械学習(AI)、パターンマイニング、ビッグデータ解析あたりが専門領域。「データを暗号化したまま、検索・解析・アクセスコントロール」する研究開発やってます。
AI全盛の今、データ収集から活用・分析まで、一貫した自動化のニーズが高まっている。だが、企業の要望に合わせて開発することが多いSI業態では再現性のない都度のスクラッチ開発になりがちだ。
その中で再現性にこだわり自動化AI開発サービスを行っているスタートアップがある。それが「EAGLYS」だ。
「データサイエンス、AI、セキュリティ」このキーワードで企業様とサービス開発をしています。現在は製造、医療、バイオなどで受託をやりながら、近い将来Railsのwrapperのような形でレゴのようにAIを作りたいと思っています。
なぜそこに至ったのだろう。
元々ブラックボックスなAIに疑問を持っているところがあります。〇〇業界で成功したけどWeb業界で再現しない、ということを起こさないようにしたいと思っていて再現性にこだわって事業をしています。
たしかに、ある業界で開発されたエンジンが他業界に持ち込まれたが、まったく再現しない、機能しないということはよく聞く話だ。
事例はどこの会社にもありそうな業務が書かれているが、どんな技術ラインナップなのだろう。
自然言語だと、用語辞書の自動生成、ディープラーニングに関連する論文収集、競合や営業先候補のプレスリリース自動収集といったものですかね。
数値評価では、不動産物件の販売額・売却額査定システム、製造ラインの機器異常検知・故障時期推測システム、システム構築費の見積自動化システム、画像だと、結婚式映像の自動ブレ検知、笑顔部分だけのフレーム抽出・検索などがあげられますね。
バレーのプレイスタイルを画像分析を解析してスコアブックの自動化をしたりとか、表面的なレコメンドではなく、記事内容文脈を解析してレコメンドする新しい軸を提案したりとか、業務分析、自動化対象業務の選定、テスト実装、フィードバック反映、自動化システムの開発、導入・運用まで一貫してやっています。
社内に存在する自動化ニーズを一通り対応してくれそうだ。
なぜEAGLYSは生まれたのか。
そもそも脳について興味があり、小さいころから意識についても興味がありました。それで神経系の学部に進みマウスの海馬の解剖とかもしてきました。学部の時に機械学習と出会いで脳の作りと似てるなと思って「自分の脳を強化できないか」と思ってハマって、大学院から本格的にやりはじめたんです。
最近増えている、神経系からのAI領域との発展的出会いだったようだ。
日経新聞に「モンスター人材」として掲載頂いてた!!感謝です!(ある方に教えてもらうまで知らなかったw) pic.twitter.com/dBjD6q6qQM
— 今林広樹 (@Vayasix) 2017年7月25日
今林さんは、AIモンスターとも呼ばれる人材なのだが、研究の世界に残る選択肢もあったのではないか?
そうですねぇ。将来を考えるとAIの次に何が来るのかと考えたりしつつ、サービスになるほうが楽しいと思って。資金調達するのも、研究論文のために研究資金をとるのも変わらないので起業したんですよね。社会で使われることの方が楽しいなぁと思ったんです。
研究の世界と2足のわらじをはく人も増えているが、産業界にとってはうれしい話だ。
将来を聞いた。
まだ始めたばかりで大きなことを言うのもなんですが、セキュリティAIをやりたいですね。「データを暗号化したまま解析・アクセス制御する」セキュリティ技術の研究開発でJ-WAVE出演にでたりとか、文部科学省enPiT認定をいただいてたりとか。セキュリティに興味があります。
ラジオ出演も果たすなど今林さんの動きは様々な場でも評価されるようになってきている。
ネタバレしないようにざっくり言うと、AIは価値のあるデータが集まってくるわけです。ここにはハッカーが集まってくる。企業側はここを守れるようにしなければいけない…とここまでにしておきましょう。
AIや業務自動化を検討している企業には情報セキュリティの懸念で導入が進んでいない企業も多い。将来が有望なスタートアップだ。
取材担当進藤
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