PEASKE.KAWAHARA
Co-Founder, CEO&CCO
渋谷区在住の連続起業家、技術投資家。18歳で起業し過去100案件以上のプロジェクトに携わる。2014年、TECHFUNDを創業、現共同代表。
YUTA.MATSUYAMA
Co-Founder, CEO&CTO
9歳からプログラミング、初代Trippieceエンジニア。元サイバーエージェント人事、2013年全社MVP「ベストスタッフ賞」受賞。現TECHFUND共同代表。
暗号通貨市場は爆発的な成長を遂げ、一躍時の言葉となった。日本国内のブロックチェーン関連の市場規模は、2021年に300億円規模にも達すると言われている。企業では、ブロックチェーン技術を活用した事業を続々とスタートさせ、ビジネス界では今なおホットな話題と言えるジャンルになる。この暗号通貨を発行する際に必要な技術基盤を一般的にはブロックチェーンと言うが、同技術基盤の簡易化を実現するクラウドサービスを運営するのが「TECHFUND」社である。
一言で言うと「簡単にブロックチェーンアプリケーションを作れる」サービスです。従来、ブロックチェーンアプリケーションを作るためには高度な専門的知識を必要としましたが、我々はそれを簡易化しJavaScriptベースで取り扱えるようにしました。
※ブロックチェーンとは、暗号通貨を発行する上で必要不可欠な技術基盤だ。取引履歴をP2P(Peer to Peer)と言う分散型ネットワークで共有管理することにより、改ざん不可能な取引履歴を構築することができる。分散型で改ざん不可能な技術だからこそ、信用取引が必要な暗号通貨の発行及び交換に最適な技術なのだ。
ブロックチェーンアプリケーションを簡単に作れるクラウドサービスの「ACCEL BaaS」。
現在は事前登録を行っている段階である。
LISK、Ethereum、NEO、NEMと言ったブロックチェーンの各プロトコルをJavaScriptで呼び出す仕組みとなっており、WEBエンジニアでも簡単にブロックチェーン上にアプリケーションを作れると言う。
ソフトウェア上の裏側の仕組みとしては、元々のブロックチェーンプロトコルの上にウォレット作成、送金、メッセージなど様々なメソッドを用意しています。そのため、ブロックチェーンアプリケーションを構築するために必要となる新たなプログラミング言語やインフラストラクチャの学習をせずとも利用できると言うのが大きな特徴です。
画像では、実際にJavaScriptのコード入力によって簡単に「ウォレット」の生成や暗号通貨の移動で使われる「送金(Transfer)」を行うことができる画面を紹介している。
弊社への相談で最近多いのが、「経営層や上司などからブロックチェーンで何ができるのか教えてくれ。」と言われたが、実際に動くものを見せるまでにコストがかかる、というものです。
やはり担当者の方たちも安く早く仮説検証を行いたいけど実際難しい、と言う方が多いですよね。そんな方たちのお悩みを解決できればと思っています。
AIやブロックチェーンはほとんどの企業が注目する技術だが、専門的な技術者のいないチームでは上からのオーダーを完遂させるのは難しい。
競合サービスについて聞いた。
Etherpartyなど特定のプロトコルや機能に特化したサービスはありますが、「ACCEL BaaS」のようにマルチプロトコルで汎用性の高いサービスはかなり珍しいと思います。今後は対応するプロトコルを随時追加していきたいと思ってます。
ブロックチェーンと一口に言っても使われているプロトコルは様々
※現在Bitcoinへの対応はしておりません。(
サービスの今を聞いた。
海外で先行リリースしたと言う事もあって、既に海外からの反響もあります。海外ではブロックチェーン技術に対する関心が強いということもあり、国別で言うと、台湾やスイスからも登録がきています。国内外のユーザーで既に200人以上の方が登録をしてくださいました。
ブロックチェーンの導入では、始めるにあたっての必要知識や技術が導入促進を滞らせている。Blockchain as a Serviceにより参入障壁を下げることによって、更なるアクセラレーションが期待できるのだ。
どういう経緯で創業したのか。
社名の通りなのですが、
我々はもともと技術力を投資するアクセラレーターからスタートし ました。当時は技術的なサポートだけではなく、採用サポート、 会社立ち上げのサポート、デューディリジェンス、 資金調達のサポートに至るまで様々な「技術投資」 を展開していました。しかし、 支援数の増加とスタートアップとの物理的な距離もあるなど、 事業としての限界を感じ始めました。 ハンズオンの支援に限界を感じ、ハンズオフ型で支援していかなければならないと言う方針にシフトし始めたのはこの頃からでした。当時相談としても多かったブロックチェーン開発の領域では共通の課題も多く、私たちがツールを作ることによってハンズオフで解決できると感じたためテーマをここに定めました。
そして、より多くのブロックチェーンプロジェクトやそこからICOをするプロジェクトを生み出したい、ブロックチェーンやICOによってより多くのスタートアップの可能性を最大化させたい、という想いから現在のサービス「ACCEL BaaS」をローンチするに至りました。
数々の挫折を乗り越えつつも、創業当時から変わらず、「起業家をメジャーな職業にする!」というビジョンの元、その時代のトレンドやニーズに合わせて柔軟にピポッドしてきたと言うTECHFUND社。
将来の展望について聞いてみた。
我々の目標は、今年一年で2,
000人のユーザーを獲得する事です。 ユーザー数が増えることによって技術者コミュニティが活発になり 、 よりブロックチェーンアプリケーションが作りやすくなるはずです 。 また、ICOを行うブロックチェーンアプリケーションが増えればいいなと思っています。現在は業法の制約があり国内スタートアップがACCEL BaaS上からICOをする事はできませんが、ICO案件が増えるということは投資案件が増えるという事にも繋がりますので、将来的にはスタートアップと投資プレイヤーの非中央集権型の価値(有価証券であれ、デジタルトークンであれ、技術であれ)の交換プラットフォームになっていきたいと思ってます。例えるなら、スタートアップ版の株式市場と言ったところです、ちょっと大げさですが。
ACCEL BaaSを世界中にマーケティングする一方でICOの分析もしています。現状のICO案件のスコアリングは人の手によって行われてますが、我々はアルゴリズムでスコアリングしています。流失問題や持ち逃げなどの課題も多いジャンルですので、より定量的で再現性のある詐欺判定ができれば、市場全体が健全化していくのではと思っています。
「ACCEL BaaS」は、今後の日本におけるブロックチェーン技術を発展させていくに違いない。今後の暗号通貨市場に一石を投じる「TECHFUND」に期待だ。
取材担当中山
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