中川 達生
1980年生まれ 奈良県出身 2003年3月 神戸大学工学部機械工学科卒 三菱重工業(株)での開発設計職 三井物産(株)での海外営業職を経て2014年12月に独立 2015年10月 株式会社テクニコル(現社名 株式会社ROX)創業代表取締役に就任 趣味は野球
国内のビックデータ市場は2019年には1400億円に達すると言われいている。2014年からは年平均27%の成長率を誇る、新興市場と言える。AIを生成する際、最も必要とされているのが「教師データ」と言われる大量のデータだ。そのせいもあってか、データサイエンティストという職業は現在のどの企業でも引っ張りだこである。よりリアルな社会課題を解決するべく、データ解析の技術を持つ「ROX」が立ち上がった。
一言で言うと「データ解析技術」の企業です。サービスは様々、データ解析を使った来客予測や化粧の巧拙判定のお化粧予測AI、バイタルデータを使ったストレスや熱中度可視化など取り組んでいます。昨今はお客さまで既に膨大なデータを蓄積されていることが多いので、お客さまが持つデータを弊社が分析し、課題解決に役立てるというサポート事業もしています。今注力しているのは、飲食店向けロスカットを行う需要予測(来客予測)AIです。
サービスの概要を聞いた
来客予測AI「Hawk」
来客予測AI「HAWK」では、今までの来客数や料理の注文数などを曜日や天気でカテゴライズし、一日の来客数や料理の出る量などを予測するAIです。来客数や注文の予測をすることにより、無駄がない発注を実現。肉や魚などは、生鮮物のためあまり保存がききません。そういった鮮度の高い食材の浪費を避けることができます。
居酒屋やパン屋、ファミリーレストランで活用されているという 来客者数予測AIをご利用頂いているのが飲食店では、お米が足らなくなると全メニューに影響が出ます。お米を多めに炊かざるえないという事情があり、それゆえお米の廃棄ロスがあるという問題がありました。その飲食店に過去のデータが残っており、それを活用して機械学習システム(AI)を作りました。結果は、来客者数予測AIにより、お米の廃棄を半減出来るなど、かなりの経費削減効果があったと聞いています。
お化粧評価AI「Swallow」、化粧前後の顔写真を用いて 化粧がプロの化粧に近づいたかどうかを測定するという
https://www.youtube.com/watch?time_continue=1&v=zhGIwIjrWFE
熱中計測「Heat°」、人の生体データを解析し 機械学習により熱中度合い(Heat°)を可視化するアプリを開発
競合サービスについてきいた。
各分野で競合他社がおります。需要予測だと有名なベンチャーから大手企業まで取り組んでいますね。我々の強みは実際に実績を出せたこと、他の企業さんが結果を出せていないわけじゃないんですが、AIを使った需要予測は特に実績になりにくいと思います。また、過去の蓄積データを有効活用するので、我々はかなり初期導入費用を安くしております。より効果のあるものにフォーカスし続けたいですね。
なぜ創業したのかをきいた。
急に暗い話になってしまうのですが、6年前に親友が他界しました。仕事でうつ病になり、苦しんでいたのを覚えています。そこから会社のあり方や働き方に問題意識を持つようになりました。 身近な親友の死を身近に遭遇し、自分もいつ死ぬかわからないと思うようになりました。「やりきったと思える人生にしたい」と強く思うにようになり、かねてより独立したいという想いがあったので、起業に踏み切りました。
データ解析の技術や今のサービスはこれまでの私の実務経験に加えて、社会人の大学にいき勉強をし直しました。そこから今の事業にたどりついたというわけです。 これはよく思うのですが、会社ごときが人の人生を決めちゃいけないと思うんですね。なので、私はウチで働いてくれている方一人ひとりの人生を尊重したいと思います。そんな働き方ができる会社を作っていきたいです。
友人の死をきっかけに独立、働き方改革を科学でサポートするべくデータ解析の道に行ったという。
将来をきいた。
我々のVISIONはおもしろいことをやること。人生を面白く、世の中を面白くする。面白いと思えるサービスをどんどん展開していきたいですね。
世の中に大量のデータ、それを分析する企業、そことどう差別化をするか考えたときに、たどり着いたのが本当に使えるデータサイエンス。机上の空論の結果ではなく、しっかりとした実績を出し続ける。言葉にするとありきたりで陳腐かもしれませんが、そこを一番大事にしています。
当面は日本中心に活動しますが、近い将来に海外展開もしたいと思います。狙いは東南アジア、私の経験でも親日感が強い国が多いので、好きな市場です。弊社のメンバーは海外経験も豊富なので、海外進出は現実的な目標として考えています。本当に使えるデータサイエンス、より社会を良くするVISIONを持つ「ROX」の今後の活躍に期待している。
取材担当中山
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