伊藤和真
PoliPoli Inc. CEO l 週刊東洋経済 「すごいベンチャー 100」l LCNEM マーケティングアドバイザー l 2018年春に毎日新聞社に俳句アプリを事業売却 l ex- F Ventures , GeekSalon
2016年の改正公職選挙法の適応により、選挙権を持ちうる年齢は20歳から18歳に引き下げられた。結果として、約300万人近い、18歳・19歳が有権者となる。これにより、選挙に対する関心を高めるのが狙いだが、近年は政治関する関心のなさが一つの問題となっている。問題を構築する理由としてあげられるのは、やはり政治家と一般市民の距離感だ。SNSの流行により少しは解決されたかに見えたが、根本的な問題解決にはならない。市民と政治家の距離を近づけるべく、インセンティブ設計を用いた発言のプラットフォーム「ポリポリ」は政治に対しての関心を高めるべく動き出した。
政治家と市民をつなげるトークンプラットフォーム「ポリポリ」
一言でいうと「いいことを言ったらお金がもらえる」サービスです。いいことは政治の発言に限定されます。僕らのプラットフォームは政治家と一般市民をつなげるプラットフォーム。その中には、コミュニティ作成を促すべく、政治家のファンになる部屋が用意されています。
サービスの中には、Polinと呼ばれる共通通貨が存在します。世論調査や市民からのコメントをもらえるプラットフォームになります。しくみとしては、市民から政治家へ投げ銭のような形でトークンを渡します。また市民側はアンケートに答える、世論調査を受けるなどして、トークンを獲得することができます。
政治活動に参加することで、独自トークンを獲得できるという。
利用する政治家や市民についてきいた。
政治家は若手の政治家さんから、有名な政治家の方まで。一般的にITの導入が進んでいないので、積極的に普及させていきたいと思っています。まずは30代~40代の政治家さんに使ってもらうイメージですね。SNSでの発信の代わりだと思ってもらえると使いやすいと思います。
市民側はやはり、若年層の方を最初にターゲットにしようと思っています。僕らが解決したいのは政治関心を高める点です。今まで選挙に行っている方はもちろん、政治って何?選挙って何?の政治初心者の方に是非使ってほしいですね。
トークンという若者に受けるしくみを使っている理由がうなずける。
競合サービスについて聞いた。
国内での競合は全くいませんね。やはり日本という国は民主主義国家の中でも、発信力がアナログだったりします。インターネットでの発信というよりは、オフラインの選挙カーやチラシ配り、講演などに力を入れています。ここのIT化を促進させてたいのが僕らの狙いですね。
※本取材は6月時点のものになります。
サービスを立ち上げた経緯について聞いた。
元々僕はIOSエンジニアで、ベンチャー企業には興味を持っていました。現在はまだ学生なのですが、積極的にインターンをしていましたね。F Venturesと呼ばれるベンチャーキャピタルでもインターンをして、サービスがグロースするのをみていました。政治×テクノロジーはその時に思いつきました。アプリありきで作っていましたので、起業したつもりは全くなかったですね。
アプリ開発ありきの起業のようだ。
将来の展望を聞いた。
将来的にはdappsと呼ばれる自立分散型のサービスにしていきたいと思っています。僕が作りたいのは既存の政治界にあるような派閥ではなく、市民みんなで参加できる世界です。もしサービスにみなさんが集まるとどうしても、一極集中になってしまいます。情報の透明性なども担保できなくなってきます。それって結局の今の政府と変わらないじゃないですか。そこを市民にどんどん与えていきたいですね。
将来的には東南アジアなどの、IT後進国にも導入を進めたいです。政治の構造が似ている国であれば、十二分に導入をするメリットがあると思っています。
政治の世界は参入しづらく、企業としてはマネタイズをするのが難しい。高い理念を持ち、あえて難しい市場に参入を試みるPoliPoli社の未来が楽しみだ。
取材担当中山
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