濁沼 広樹
横浜国立大学卒業後、エンジニアとしてのキャリアをスタート。株式会社ヒトクセを経て2017年8月に起業。自社サービス以外にもAI・データxマーケティングに関するコンサル事業を行う。
2018年度の訪日外国人の数は3200万人と言われており、前年比で12.3%増だ。外国人観光客の総数は2020年東京オリンピックが開催されるまでこのまま増え続ける予定であり、その数は年間4000万人を超えてるという。これだけの数が来日すれば、国家で最適な対応をしない限り必ず不便が生じる。例えば日本の交通手段が問題となってくる、いくら英語の看板があるとは言え鉄道の線路の多さは世界随一と言われ、東京都の地下はまるで迷宮のようだ。訪日外国人の日本滞在時の問題に対してAIを用いた解決法を提供する企業がある。「TEIT」社に迫る。
英語圏の人が、快適に旅するためのチャットボットサービス「HANNA」
一言でいうと「英語圏の人が、快適に旅するためのチャットボットサービス」です。僕らがフォーカスしているのは外国人のための交通手段と飲食店選びのお手伝い。この問題をチャットボットが解決する仕組みです。
例えば交通において、もちろんどこからどこまでいくつ通常の交通手段も問題ですが、移動時間が分からないことも大きな課題になっています。チャットボット「HANNA」に現在地を入力し、行き先を入力すると所要の時間を教えてくれます。
また、飲食店情報も掲載してある別のサイトを見る必要があります(例えばトリップアドバイザー)この情報って少し偏りがありますよね。そこをまるで現地の人が進めるような情報を提供するのが、僕らのサービスです。
交通情報と飲食情報の2軸で情報を提供するチャットボットのようだ。
利用するユーザーについてきいた。
やはり利用していただくのは英語圏の方たちが最初になります。アジアの方たちってなんとなく標識の漢字を理解できますが、英語圏の方たちは全くわかりません。彼らにつかっていただけるようチャットボットの名前も「HANNA」にしました。
英語圏にフォーカスしたサービスのようだ。
競合サービスについて聞いた。
グーグル検索が大の競合になりますね。ただグーグル検索って実は雑音がすごく多いんですよね。検索をしたあと、ほしい情報のまわりには必要のない情報もまぎれていますよね。迷っている旅先だとそんな悠長に探してられません。あくまでも検索をさせない、これをモットーにサービスを作っています。
サービスを立ち上げた経緯について聞いた。
昨年の5月に前職を退職しました。そのあと旅行に行ったんですけど、一つ気が付いたのが一人で旅をするのって本当に不便だなと思ったんです。言語が分からないし、標識も分かりずらいおまけにネット環境も安定しない、もし一人ガイドがいればなーこんな気持ちで作ったのが今の「HANNA」です。
ベンチャー企業ってみなさんビジネスありきでプロダクトに落とし込むんですけど、僕らは良いプロダクト(技術)を上手なビジネスに変える会社です。
旅行時に感じた課題をサービス化したという。
将来の展望を聞いた。
今の「HANNA」ってまだ認識できる言語が少ないんですよね。例えば、○○駅~○○駅だと見つけられるんですけど、「○○駅の○○商店に行きたい」などの質問はまだ判別がつきません。なので適当な質問にも対応できるように自然言語認識のAI開発もどんどん進めていきたいですね。
また、日本に来るユーザーだけでなく、旅行に携わる業界すべてにタッチしていきたいと思っています。技術を使ったOEMモデルでドンドン世界に展開していきたいですね。
技術に投資をし、先端技術であるチャットボット、AI開発を進める「TEIT」社。今後どのような技術革新を見せてくれるのか、実に楽しみだ。
取材担当中山
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