石井 大輔
株式会社ジェニオ代表取締役。 1975年岡山県生まれ。京都大学卒業後、1998年伊藤忠商事に入社し繊維カンパニーでPaulSmith等を担当。ロンドン、ミラノでの駐在を経て、2011年ジェニオを創業。2015年、シリコンバレーの起業家育成組織OneTractionの指導のもと米国で事業推進。2016年、人工知能(AI)に特化した人材紹介 & 受託開発のTeam AIを立ち上げる。FinTech、医療など産業別のデータ分析ハッカソンやAI研究会を毎週渋谷で開催し、オープンイノベーションコミュニティ会員3000人を形成。メディアAI NOWの”人工知能業界著名人Twitter10選”として選出。
AI業界の市場規模は年率140%の成長が見込まれ、今後2兆円に到達しようとしている。近年の日本の課題である労働力不足は、ここのジャンルにも影響を与えているようだ。市場規模の増加に伴い労働先が増える一方、AIの研究開発を行えるエンジニアの数は少ない。国家としての課題でもある労働力不足をコミュニティづくりによる人材育成を試みる「Team AI」が解決するつもりだ。
100万人の機械学習コミュニティを目指す「Team AI」
一言でいうと「AIエンジニアに特化した人材紹介」をやっています。僕らが作っているのはAIの研究家コミュニティ。参加してくれた人には教育コンテンツを無料で提供。その就職先などもサポートするのが特徴です。
僕らが目指すのは100万人のAIエンジニアを育成できるコミュニティです。開始したのは約2年前、今は毎日イベントと定期的なハッカソンなどを行いコミュニティの維持と拡大を目指しています。専門家を呼んでLTや充実したAI教材が僕らのコミュニティの売りです。参加していただけるとAIに関する知識だけではなく、就職先の支援もしています。
渋谷で毎日イベントをやっているようだ。
利用するユーザーについてきいた。
コミュニティの参加者としては、修士課程が7割博士が1割と大学院卒の方が多いですね。
参加企業側はAIのエンジニアを採用したい企業が多いですね。大企業や研究所などがほとんどです。
大学院卒の参加者が全体の8割を占めているという。
競合サービスについて聞いた。
競合はいますが、僕らがやっているのはあくまでも教育がメイン。なので中々みなさん離れないでいただいているのが印象ですね。研究会にも特化していて、大事にコミュニティを育てています。転職がうまくいかなかったらまた戻ってきてくれる、そんな農耕型のコミュニティづくり、人材紹介を行っています。
サービスを立ち上げた経緯について聞いた。
僕は元々京都大学で数学を研究、その後伊藤忠商事に就職して知的財産などの新規事業をやっていました。担当していたエリアが欧米ということもあって、LAに行くこともあったんですね。そこでシリコンバレーのITのすごさを目の当たりにしました。当時はゴリゴリの日系企業だったので、全く違う世界でしたね。憧れありきで、会社をやめアメリカに移住しました。
シリコンバレーで仕事をしていましたが、向こうってすごくミートアップが盛んでそこに参加してAIに興味を持ち始めました。ミートアップってすごく役にたつんですよ、情報がたくさん手に入りますし、技術ベースになるとどれが最新か一人ではわからなくなりますからね。これを日本でもやりたいと思い、帰国して創業しました。
シリコンバレーにあこがれて、移住したのが創業の原点のようだ。
将来の展望を聞いた。
現在僕らはコミュニティ5000人までいきました。国内でAIエンジニアが5000人いるのは僕ら「Team AI」だけです。これをリアルイベントだけで、10万人規模にしていきたいですね。また、海外の優秀な人材も入れたいと思っています。やはりミートアップですので、人種も国籍も関係ないですよね。
今AIの人材紹介のニーズはすごく高いんですね、なので自社AI製品も販売したいと思っています。(HR領域)
100万人のコミュニティを目指す「Team AI」は今後日本のエンジニア不足問題を解決できるのか。彼らの努力がAI領域において日本に利益をもたらすのは間違いない。応援している。
取材担当中山
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