古城剛
1974年生まれ。大阪出身。大学卒業後、大手化学品メーカーに入社。入社3年目で新規プロジェクトの立上を経験する。2,000年ネットベンチャーに転職。大手企業とベンチャー企業の良し悪しを経験して会社のあるべき姿を形づくるべく2003年29歳のときに株式会社シエルコを設立し代表取締役社長に就任。
昨年のインターネット広告費用は合計1.5兆円、今年は17%増の市場になっている。テレビ離れやスマフォの流通に伴いインターネット広告は今やテレビCMを置換する存在となってきている。多種多様なチャネルの増加により、ネット広告担当者の業務が煩雑化してきたのは想像にたやすい。各業者の比較をしているうちにすべての時間を使い切ってしまう、こんな現象もあるようだ。シエルコが提供する「Ogive」はAIによる広告の採点や入札作業を代わりにやる。
リスティング広告の運用を人工知能が提案する「Ogive」
一言でいうと「リスティング広告の運用を人工知能が提案する」サービスです。今のインターネット広告、特にリスティング広告は裏側の入札を人が手動で行っています。グーグルの場合はAIの仕組みを提供しているんですが、中身がブラックボックスになっています。これだとユーザーは中が見えづらく困ってしまいます。「Ogive」はAIによる最適な入札を提案します。
僕らのサービスでできることとしては、予算管理、月間の予算推移を過去データから分析、入札提案、広告運用の採点など。
入札提案では、AIが過去のデータに基づき入札単価の最適化やデータ分析、レポート作成を行ってくれます。担当者側は最後の意思決定部分をするだけで簡単に入札ができるようになります。
広告運用の採点では、今までトータルで出している広告運用の良しあしを偏差値で採点をします。他社と比べて一目瞭然で定量的に測定が可能です。
人の手でやらなくてもいいことをAIが代行しているようだ。
利用するユーザーについてきいた。
やはり利用していただけるのは、広告代理店の企業さんや事業会社、経営コンサル、個人事業主の方たちですね。主に広告運用を担当する方たちが直接使うことになります。
広告運用の担当者が使うサービスのようだ。
競合サービスについて聞いた。
競合はわかりやすくいうとグーグルですね。しかし、前にもお伝えした通りグーグルの場合は仕組みがブラックボックスと化していてよくわかりません。我々の場合は人がやる部分とAIに任せる部分をしっかりわけています。そこが強みなのかもしれませんね。
サービスを立ち上げた経緯について聞いた。
僕は元々広告の業務に携わることが10数年続きまして、どれだけ毎日煩雑な業務があるのか十分理解しているつもりです。AIという技術に出会いました。すごく興奮したのを覚えています。そこから数学を改めて勉強して、今のサービスをリリースするまでに至りました。
広告の業務を熟知しているからこそ、担当者が使いやすいサービスを作れるという。
将来の展望を聞いた。
「Ogive」が現在できるのは入札や広告運用の査定の部分ですが、僕らがやりたい領域ってマーケティング全般なんです。AIって人を完全に代替はできません。しかしお手伝いすることはできます。今のマーケティングにおける業務って人がやるべきものと人がやらなくてもいいものがあります。僕らは人がやらなくてもいいもの全部のお手伝いをしたいと思っています。
以前のマーケティングは「あの人にお願いすればいい結果がでる」このような属人的な領域でした。しかしAIの導入により、もっとすべてを定量的に測定できるようになるのです。誰でも簡単にマーケティングをできる、こんな世界を作りたいですね。
シエルコが目指すマーケティング全般に通用するAIは、僕らの日常の業務を削減してくれる。そこから生まれた時間はより人が注力するべき部分に使えるという。引き続き見守っていきたい。
取材担当中山
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