橋本 貴智
バスケでインターハイ3回出場。センター試験3回出場。早稲田大学卒。学生時代に様々なスポーツイベントやプラットフォームを創る。2016年シリコンバレー、ラスベガス、リオ五輪、スペインとグローバル経験を積む。一般社団法人Japan Sports Hubを設立し代表理事も務める
近年、日本におけるプロバスケットリーグが統一を果たしBリーグが結成。より多くの資金を投下する形になった。現在スポーツ業界での就業者は130万人を突破し、1300億円の市場規模を持つ大型の市場となってきている。しかし業界には未だに課題が多く残っている。プロスポーツ選手の寿命は短く平均的な引退は30代後半とされており、その選手生命はわずか10数年だ。より多くの人材が引退後再度業界に還元できるシステムを作るべく、スポーツ業界の仕組みを変えようとする「Ascenders」社に取材を持ちかけた。
スポーツの人材領域を支援する「Ascenders」
一言でいうと「スポーツ業界の人材領域の支援」をしています。我々は三つの軸を持って事業をしています。インキュベート・マネジメント・エージェントの3本柱を現在は事業の主軸としています。
詳しく事業の説明をします。インキュベートとはスポーツ選手を支える側の人材育成事業になります。元スポーツ選手の方達がトレーナーになったり、コーチになったり、ここの部分のキャリア教育を我々が担っています。
マネジメントでは、現役トップアスリートに特化したセカンドキャリア形成やブランディング広告運用などを我々がお手伝いしています。やはりトップアスリートは皆魅力を持っていますが、本業にほとんどの時間を費やしているためセカンドキャリアを見れる選手は少ないです。
最後にエージェントですが、これこそスポーツ人材の斡旋やマッチングなどをやっています。一般的な人材紹介業のアスリート特化版と思ってください。今のところアスリートの人材領域を全てカバーする形で事業展開をしています。
3つの事業でアスリート特化型の人材事業を展開中だ。
利用する企業とアスリートについてきいた。
僕らのサービスでいうユーザーはプロアスリートと近辺の就業者、企業などがあります。企業でいうとスポーツ系企業600社とスポーツ用品の企業やプロチームなどがあります。プロチームから学校法人、ジュニアなど競技に絞らず、現状ではトレーナーを多く現場に繋いでおります。
競合サービスについてきいた。
競合でいうと大手人材業社がスポーツ事業を持っていますのでそこと競合してきます。僕らの強みでいうと、トータルサポートが違う点ですかね。人材の斡旋だけで終わるのが人材業者だとすれば僕らはその後のキャリア形成やマネジメントにも口出しします。立場としてはスポーツ選手のマネージャーのようなイメージですね。僕らは高校まで運動部だった人を主なターゲットにしています。スポーツを高校まで本気でやっていた人の割合のが圧倒的に多いので、そこのキャリア形成のお手伝いをしています。
アスリートに対するトータルサポートと早期での介入により競合優位性を構築しているようだ。
サービスを立ち上げた経緯について聞いた。
都内の八王子高校(現:八王子学園)というインターハイ常連チームのバスケ部のキャプテンをしていました。しかし、当時のバスケの状態ではプロと実業団2つのリーグに分かれ、協会もゴタゴタ、バスケを続けていく未来が見えず、プロの道に進む画が見えませんでした。大学進学を選択しましたが、高三の冬までずっとバスケをしていたので、当時の偏差値は28。これを2年で77までにあげて早稲田に入学しました。 入学してからある経営者に話を聞く機会ができました、そこで初めて経営に興味を持つようになりました。僕は挫折しましたが、友人の何人かはプロ選手になりました。そこでセカンドキャリアの相談を受けることも多くなりましたね。僕自身も元アスリート、彼らの悩みは共通の悩みでもありました。これを解決したいと思い、創業を決意しましたね。
プロを目指すが挫折、同じく課題を抱える同期のために作ったのがこの会社だという。
将来の展望を聞いた。
スポーツの領域で一番価値があるのは、もちろん選手です。いい選手を育てるためには、それを作る一流のエコシステムがないとダメですよね。アメリカにいったとき、スポーツに特化したアカデミーがありました。その施設はどの学校よりも優れており、プログラムも充実しています。日本でいう部活は海外では全く違うものになっています。
日本は先進国の中でもスポーツ業界でハイエンドアカデミーを持ちません。それでは日本が世界的なスポーツ大国になれないのは目に見えています。だから僕はエコシステムに投資をしたい、そのためのまずは人材業なんです。
将来は有名なNBAの選手でコービーに投資してもらいたいです。彼は100億のファンドをやっていますから、僕らにもきっと投資してくれるはずです(笑)
スポーツの夢の国、スポーツ特化型の学校を作りたい。大きな理想を抱える橋本氏を引き続き追うつもりだ。
取材担当中山
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