加世田敏宏
2015年株式会社Zenport(旧Sendee)を創業後、多くのブロックチェーン関連サービスの開発を手がける。 ブロックチェーンエンジニアとして大手金融機関の実証試験にも参画した経験も有する。
商社は古くからある業態として日本での地位を確立している。その業務は幅広く、取引先との交渉から、船便の管理、輸入後のおろし売りなど。業務の幅が深いため煩雑にもなりがちだ。Zenportは貿易業務のクラウドソフトとして、業務改善を試みるツールである。
「Zenport」は一言でいうと「貿易業務のクラウドソフト」になります。僕らは貿易、特に輸入をしている専門商社や総合商社をメインにサービス展開をしています。その中でも現在は、アパレルや雑貨、食品などの多品種小ロットの製品を扱う企業にまずは注力しています。彼らの課題は、発注、船積み、在庫などの複数の工程の関係性が複雑で、その管理が大変面倒であること。私達はそれをクラウド上でシンプルに管理するツールを提供しています。
発注から船積みまでの工程をバッチという概念でつないで表現している。これにより複雑な関係性をシンプルに管理できる。
複数の工程を1つの画面で管理。エクセルでは体現できないような見易さだ。
変更があれば社内外の関係者に自動共有。コミュニケーションコストも大幅に削減可能だ。
20人程度の規模のアパレル企業様でも、臨時調整コストに月100時間程度かかっていた。それがZenportを使ったことでコストを95%削減できた。またお客様からは業務をマニュアル化し、属人化を防げるという点でも喜ばれている。
起業の経緯について聞いた。
元々大学時代に、自分にしか出せない価値を残したいという思いがありました。そうなると研究者か起業家しかないから、凡庸な自分には起業家しかないと思い創業。
元々僕は金融に興味を持っていて、お金とモノの流れに興味がありました。課題を探しているとこの業界にたどり着いたというわけです。
歴史に名を残したい、その思いから起業を選択したという。
将来の展望を聞いた。
会社としてのミッションは、国境のない経済を作ること。今はまだ経済や市場は国を基点として語られるが、その考えはもう時代に合わない。世界を1つの市場として捉え、そこで地球上の全ての企業や個人が自由に売買できる未来を作りたい。僕らはこの世界を拡げ、そして近づけたいと思っている。
もう一つのミッションは、日本や東京を世界の受け皿にすること。日本は治安を良く食事も美味しい。また言論の自由もある。人が仕事をして、人生を楽しむには世界でも有数の場所だ。反グローバル化の機運が高まる今だからこそ、世界中の人々にこの環境を提供してあげたい。生まれた場所によらず生きる場所を選べる。そんな世界にしていきたい。
またZenportでは最初から世界で戦える組織にするために、社内公用語を英語にしているという。社員はまだ14名程度に過ぎないのに8カ国の出身者が働く大変グローバルな環境だ。「Zenport」を引き続き応援していきたい。
取材担当中山
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