村山 毅
慶應義塾大学経済学部を卒業後、会計系コンサルティングファームにて経理・人事を中心にシステム構築、BPO、業務改革等のコンサルティングに従事。2011年にオートメーションラボ株式会社を設立し、教育事業者向け教室運営システムを開発、運営。2017年に同事業を売却。2016年よりRPAを使った業務コンサルティング事業を開始。
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)という言葉は耳新しくない。その市場規模は現在7,000億円であり、5年後には8,000億を超えるといわれている。この数字は、企業が総務・人事・経理に抱えている課題をそのまま示している。バックオフィス人員が劇的に減っていない前提において、アウトソーシングの増加は業務量の増加を意味する。よりRPAの需要が高まるが、業界でも十分に浸透していないのが現状だ。「オートメーションラボ」社では、RPAサービスを軸にバックオフィスの業務改善を試みている。
一言で言うと「経理の仕事自動化」サービスです。現在のバックオフィス部門が抱えている課題を解決するために、業務時間の削減、決算早期化、繁忙期のピークカットなどを通して解決をします。経理の仕事は大企業になると毎月請求書が何十万枚もの数字になります。ここを自動化できるだけでも大きな時間の削減になると思います。
オートメーションラボは、RPAプロダクトと導入コンサルティングの2本立てで展開している。
クライアントの経理人員不足という課題に対して、社内で効率化するならRPAの導入コンサルティングを提供します。外部委託しても良いという場合はBPOとして経理を受託してしまいます。BPOした場合にも弊社内部でRPAを活用して効率化するので、従来のBPOよりも短納期かつ正確なサービスを提供できています。
現在はコンサル業務・BPOがメイン、独自プロダクトもローンチ予定だ。
競合サービスについてきいた
やはり古くからの課題が見えているジャンルですので、競合も多いです。我々の強みは請求書フォームに特化していること。それが意味することは2点。非定型フォーマットに対応できるという点、会計まで一気通貫で処理できる点です。汎用的なOCRにおいて必要とされている帳票定義を不要にしました。また、書いてある内容を元に勘定科目を判定、会計データとして使えるものにすることができます。BPOの経験を活かした使いやすいUIも特徴の一つです。
より業界にマッチしたサービス展開をできるのが強みだという。
なぜ創業したのかをきいた。
私は元々コンサル会社、会計系の会社にいました。そこで気になったのが、システムは若干先進的にはなったが、昔から職場・人の働き方はあまり変わっていないこと。無駄とも思える業務に価値があるのか、いつも不思議に思っていました。経理の帳票とか、古くから同じしきたりでやっていることが一瞬で終わってもいいんじゃないか。
これまでの経理の仕事は過去を振り返ることに主眼が置かれていました。行われた企業活動のデータ化ですよね、ここを自動化できれば、もっと未来のことを見れるようになります。本来考えなければいけない分析や計画の業務に時間を費やせるようになります。
未来型のバックオフィスを作るために本当に使いやすい、最適化された製品やサービスを作りたいと思い、創業にいたりました。なので、バックオフィス革命、これが私の使命です。
日本人の特徴を理解し、海外文化をも知るその環境から生まれたサービスなのだろう。
将来の展望を聞いた。
私たちは自動化と言っても、100%を目指しているわけではありません。人間がやるべきものはあります。それ以外の人がやらなくて良い仕事をできるだけ自動化してあげたいですね。
長年バックオフィスを見てきて自動化できるネタってたくさんあると思っています。たとえば「反社チェック」とか、これどの会社も同じようなことやってますよね。そういうのをどんどん自動化していきたいですね。
あくまでもバックオフィスにこだわる。これが私の信念です。バックオフィス革命の第一段として自社プロダクトを現在開発中、今年にはローンチする予定です。
オートメーションラボが経理の世界を変える、その未来を楽しみにしている。
※取材後、12月10日に請求書100枚を3分で処理するAI-OCR「sweeep」をリリースし、順調にユーザを増やしているそうです。
取材担当中山
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