石川 勇介
2006年3月慶應義塾大学経済学部卒業。飲食系ベンチャー企業、国内ERPパッケージベンダー企業、国内最大級の医師向け情報提供企業にて勤務後、自身も悩み取り組んだ妊活分野にて2015年6月に株式会社ファミワンを創業。
妊活とは、妊娠に向けた活動全般のことを指すという。性交渉や不妊治療だけでなく、妊娠についての知識を身に付けたり、妊娠にあたって自身の身体の現状を把握するなどといった活動も含まれることもあるようだ。今や、約5.5組に1組の夫婦が妊活のために検査や治療に取り組んでおり、国内での妊活市場は驚きの3000億円以上。例えば体外受精に絞っても年間40万回行われており、一回あたりの金額も30万~50万と高額だ。体外受精で生まれた子どもは、今や17人に1人、つまりクラスに1人いる計算になる。そんな多くの悩める夫婦の課題解決に向け、LINEチャットを使った妊活コンシェルジュサービスを始めたのが株式会社ファミワンだ。
妊活コンシェルジュの「famione」
ファミワンは、一言でいうと妊活版のコンシェルジュです。子供をほしがっている全ての夫婦が使うことができ、それぞれの状況に応じて、適切に寄り添ったサポートを行うサービスとなっています。妊活には正解はありません。年齢や夫婦の考え方によっても、必要な知識や選択肢は異なってきます。情報自体は世の中に溢れていますし、全員に広義的な一般知識を与えるのはあまり意味がありません。ファミワンでは、LINEを使ったチャットのサポートの形をとることにより利用のハードルを下げ、そしてより個人に最適化したコンシェルジュサービスを提供することができます。
また、チャットとは言っていますが、僕らが使っているのはLINEのプラットフォームだけ。厳密にはチャットでのやりとりではなく、チャットでチェックシートやアドバイスの案内などが飛んでくる形になります。そのチェックシートに回答するだけで、妊活への向き合い方や病院の選び方などをアドバイスします。
チャットだけではなく、総合的なアンケート形式の独自の妊活チェックシートを用意しているという。
利用するユーザーと専門家についてきいた。
妊活のステージにかかわらず、幅広いユーザーに使ってもらっています。妊活を始めたばかりの方や、病院選びに迷っている方、または何度も体外受精を繰り返している方など様々です。基本的には、夫婦で考えて妊活に取り組んでほしいと願っているので、困ったときにファミワンのサービスに気軽に相談してもらうイメージで考えています。いつでも寄り添って味方でいるような存在ですね。毎日使わせるというよりも、数ヶ月ごとなど、定期的に使ってもらえばいいですね。
一般のユーザーも多いですが、福利厚生の制度としての導入という形で、小田急電鉄のような法人のユーザーも増えてきています。
僕らのサービスでアドバイスをする人たちは、国家資格として日本に約170人しかいない不妊症看護認定看護師やNPO法人Fineのピアカウンセラーなど、妊活や不妊の専門家です。選択肢を広げるようなアドバイスだけでなく、病院選びなどもしっかりとその選び方からサポートを行います。
競合サービスについて聞いた。
生理日予測アプリのルナルナやラルーンなどはある意味競合ですね。またWebメディアや個人のカウンセラーも、数多く存在しています。ただ、僕らの場合、多くの専門家と連携しなが進めているので、情報の質や寄り添うスタンスが違います。ここまで丁寧に答えているサービスはほぼありません。また、東京大学などと共同研究も行い、臨床データ等も含めて分析をして、よりサポートの精度を上げていけるようなことも考えています。
専門家の登録による質の高さそのスタンス、そして外部との連携が競合との違いのようだ。
サービスを立ち上げた経緯について聞いた。
私自身も実は妊活の経験者なんです。妊活って想像とは別物ですよ、すごく仲良かった夫婦が急に仲が悪くなるんです。妊活にはこうしたら妊娠するという正解がなく、話してもすぐにすれ違って喧嘩になることも多いです。女性側と男性側でそれぞれ理解されない悩みを抱えます。私もネットを活用して調べていましたが、全部情報があいまいで、自分がやるしかないと思いました。
世の中には望まれない妊娠もあれば、不妊の問題もあります。僕らの会社は家族が一つになるという意味です。ファミリーとワンで今の社名のファミワンになりました。
個人の妊活の経験が今のサービスづくりの根本のようだ。
将来の展望を聞いた。
妊活を始めたら、まずはファミワンを使ってみる。そんな世界を作りたいです。妊活には正解がないからこそ、どう向き合うかのサポートを専門家と連携して取り組んでいく。
その実現に向け、一般の方向けだけでなく、企業や行政とも連携して世の中へ情報を伝えていきたいと思っています。「さらに、弊社で医療監修をしたフジテレビの「隣の家族は青く見える」のように、妊活自体を知ってもらうきっかけも増やしていきたいです。」
また、僕らの立ち位置って病院やクリニックへの橋渡しの場でもあると考えています。必要なタイミングで、必要な受診を考えるきっかけになる。実際に、ファミワンを使って病院に通い始めた夫婦もたくさんいます。クリニックに妊活に取り組む夫婦を繋いであげれるように、日本中のクリニックとも提携していきたいです。勿論、夫婦の選択が最優先ですので、どこに通ったとしても、または病院には行かないと決めたとしても、夫婦を支えていきます。
人類のテーマである子孫繁栄、よりスムーズ・トラブルなく未来を作れるように、「ファミワン」は進み続ける。
取材担当中山
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