山根春輝
島根県出雲市生まれ。慶應義塾大学在学。
少し暗い話をする。年間の自殺者の総数について調べたことがある方はいるだろうか。2017年の調査では、一年あたり約2万もの命が自殺によって消えているのが現状だ。原因としては、失業、精神疾患があげられるが、往々にして相談が相手がいないというのも理由の一つだろう。一人の自殺は周囲6人に対して強い影響が出るという、WHOの調査結果もある。そんな大きな社会課題に挑むべく、日々の生活にちょっとした味方を提供する「rainy」が立ち上がった。
一言でいうと「一人で泣いてる人に、ちょっとした味方を届ける」サービスです。日本の社会において、弱さとかさみしさって非常に言いにくい文化があります。まして、家族や友達だから言いにくいなんてことも。僕が作りたいのは、そういった悲しさやさみしさを第三者に伝えることで解消していけるサービスなんです。キャストと呼ばれる方達が皆さんの味方になります。
現在在籍するキャストは10名以下、一人一人を厳選しているため急激にキャスト数を増やすことはないという。
プラットフォームへの登録等はありません。美容室を予約するくらいの感覚で、フォームから予約できます。
そこでキャスト(弊社で採用いたします)と呼ばれるプロ人たちを指名していただきます。キャストさんたちがあなたの痛みを少しでも和らげるようにそばにいてくれます。直接会う、チャットをするなど選択ができる形になっています。
実際に利用する場合の料金体系だ。月額、一回限りと利用方法も種類が多い。
仕事に疲れている・人に悩みを打ち明けたいなど心理的に弱っている時に使って欲しいです。職業でいうと、サラリーマン、主婦、学生など様々な方が利用してもらっています。過去にはお医者さんや起業家の方もいました。
キャストは一人ひとり弱さを持っていて、だけどそれを受け入れて好きでいる人、男性もいたり、女性もいたり、LGBTの人もいたり、と人の痛みを理解できる方が多いイメージですね。
僕らが作る世界観は、「ちょっとした味方を提供する」こと。カウンセリングではないんです。おはようって言ってもらえるだけで嬉しい、少し元気が出て明日も頑張れたりしますよね。詳しくは是非HPをみてください。
サービスを立ち上げた経緯について聞いた。
小4の時に母を、高校の時に父を亡くした僕はずっと祖父母と一緒に生活をしていました。しかし祖父母がほとんど動けなく、通学と介護を両立する必要があり苦労したのを覚えています。
大学在学中に初めての起業をしました。ただやっぱり疲れたんでしょうね、1年を経た段階でやめたくなり退職をしました。その後は起業から遠ざかろうと知らないホストの世界に飛び込みました。前職が教育系、対子供のサービスをやっていたことからアダルトでリアルなホストという世界は非常に新鮮僕にとっては新しかったです。と同時に僕はお客さん、キャストからちょっとした違和感を感じました。みんながみんな寂しさを抱えている、でもそれを届けきれない。ホストでも普通のサービス業にも解決できない部分をサービスにしたのがこの「rainy」でした。
夜の世界のホストから、今のキャストのインスピレーションを得たという。
将来の展望を聞いた。
rainyという会社は、人の幸せにフォーカスを当てる会社にしていきます。より自然な形で困っている人のところに人を届けるサービスに。難しいテーマではあのですが、挑戦していきたいですね。
キャストの総数は年内に増やそうと思っています。どうしても今の人数ではお客様全てに対応できず、お断りするケースもでてきています。キャストという仕事はかなりプロである必要がある、その事前研修をよりいいものにしていきたいです。
今年中には100名の体制にしていきたいです。僕らが大事にしていること、それはキャストは多様であるということ。だから今は一人一人の背景に思いや魅力があるかをしっかりと見極めています。
人々の心のスキマを埋めていく、ちょっとした幸せを日常に届けるrainyは急成長を遂げている。今後に期待だ。
取材担当中山
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