エイシング、新たなエッジAIアルゴリズム「SARF(サーフ)」を開発
■注目されるエッジAI業界で進む「自動追加学習」のニーズ
AI業界において代表的なアルゴリズムである「ディープラーニング」は、予測精度も高く画像認識や音声認識などに適している一方で、事前に学習させたデータを元に予測を行っているため、その後の環境変化にすぐに対応できず、変化への対応には改めてモデルを再構築するための作業が必要となる。
そうしたなか、昨今注目されている「自動運転」や「工場の自動化(Factory Automation:FA)」といった分野において需要が高まっているのが、変化に適応して学習済みモデルを更新することで人力の調整作業が不要な上、即時性や高いセキュリティが求められる環境にも対応できる「自動追加学習(オンライン学習)」だ。
■新アルゴリズム「SARF」の開発により、エッジAIのさらなる普及を推進
エッジAI業界で自動追加学習のニーズが高まるなかエイシングでは、社内のエッジAIアルゴリズム専門開発チーム「Algorithm Development Group(ADG)」において、自動追加学習を強みとした独自のアルゴリズム「AiiR(AI in Real-time) 」シリーズを研究・開発している。そしてこの度、「ADG」より、「AiiR」シリーズの新たなアルゴリズムとして、多くの研究者や技術者、メーカーの間で広く利用されているアルゴリズム「ランダムフォレスト」の自動追加学習を実現した「SARF」を開発。
「SARF」は、ランダムフォレストの特長である多量データ処理や高い精度に加え、ディープラーニングに比べパラメータチューニングが少ないといった優位性を引き継ぎながら、自動追加学習も可能にしたアルゴリズム。産業用ロボットの経年劣化によるチューニングや、エアコンの気温変化による温度・湿度の調整などを人力で行う必要がなくなり、新型コロナウイルスの影響で推奨される人的リソースの削減、自動化の推進にも寄与する。また、パラメータチューニングが少ないことから初期学習モデル構築が迅速に行える上、その後の運用時の変化にも追従できるため、作業コストやモデルの再構築が必要かどうかといった判断コストを削減することができる。
この度のランダムフォレストのような広く普及するアルゴリズムの自動追加学習の実現により、「エッジAI」をより身近な生活に拡げるための取り組みを一層推進していく。
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