早稲田大学と民間企業が共同で一般社団法人「NDMA」を設立 データマーケティングにおける国内最大級の産学連携研究を開始
NDMAについて
近年、デジタルマーケティングにおいては、CPA(※1)の効率化や改善などを中心とした、既存市場のシェア内での競争を激しくする近視眼的なマーケティング活動に終始し、生活者の真の幸福に寄り添っていないケースが多く見受けられる。
そうした背景を受け、日本のマーケティング研究の第一人者である早稲田大学の恩藏直人教授を中心に、欧州系最大の経営コンサルティング会社ローランド・ベルガーを経て現在きづきアーキテクトを率いる長島聡氏、事業戦略とクリエイティブを統合したマーケティング支援で多くの実績を誇るGOが、共同で一般社団法人NDMAを設立した。
さらに、メーカー(ブランド)からは大手飲料メーカー、インフラ(交通)からは日本航空、小売(EC)からは凸版印刷、メディアからはドワンゴ、デジタルマーケティングエージェンシーからはアイレップ、マーケティングコミュニケーションイベント ad:tech tokyoを主催するコムエクスポジアム・ジャパンといった、各業界を牽引する企業が領域を横断して参画。データマーケティングにおいて国内最大規模の産学連携研究を実現する。
NDMAは、限られた市場の中でシェアを奪い合うための効率化のみを企図したデータマーケティングから脱却し、今までにない価値や生活者の新しい行動を生み出すことで、市場そのものを広げていく「行動創造」をメインテーマに据え、研究を行う。
研究では、参画企業から集めた業界横断のデータと各社のビジネスにおける知見を結集。早稲田大学の恩藏直人教授を始めとする研究者らと共に最新のマーケティング理論を活用し、生活者・企業の双方から本当に求められるデータマーケティング理論の確立を目指す。
この研究を通じて、各業界が今抱えているデータマーケティング上の課題を、研究者による最新の理論研究と、実務家による最前線のビジネスの知見の双方を投入することで解決していく、今までにない、実践的な産学研究を積み重ねていく。
またNDMAの設立と併せて、「次世代データマーケティングコンソーシアム(NDMC)」を設立し、参画企業を募集している。
※1:1件の成果獲得のために支払ったコスト。顧客獲得単価。
産学研究について
産学研究では、NDMAが研究対象企業の抱える課題をヒアリング・整理しながら、早稲田大学マーケティング・コミュニケーション研究所と共同で研究テーマを提案。研究対象企業だけでなく、他の参画企業からも必要なデータの提供を受けることで、業界横断的、網羅的なマーケティングデータの収集・分析を実現。早稲田大学マーケティング・コミュニケーション研究所の最先端の実証実験、データ分析手法などを駆使し、研究を行う。そして、研究報告書・論文等に加え、課題解決への示唆と今後のアクションの提案といったアカデミック、そしてビジネスの両面で研究成果、アウトプットを提出。従来の産学研究と比較して、ビジネス経験が豊富なNDMAメンバーが、企業、研究機関双方のニーズを汲み取ることで、スムーズなプロジェクト進行を実現する。
これにより、企業の課題抽出・整理から、研究のビジネス面における効果の考察、また実際の事業課題を解決するアクションの提案など、ビジネスの観点においても即効性の高い産学研究を実現。
早稲田大学 恩藏直人教授のコメント
我が国における産学連携研究は、これまでにも様々な取り組みがなされてきています。しかし今回立ち上げたNDMAのように、マーケティングをテーマとして、複数企業を巻き込んで多くの研究者がかかわるという試みはほとんどなかったように思います。
今回のような座組で研究に取り組めることは研究者としても意義深いプロジェクトであると感じております。NDMA所属企業様と共に協力しながら、「需要創造」や「顧客創造」といった従来からの視点を超えた、「行動創造」という視点であたらしい時代のマーケティングの可能性を探っていきたいと思っています。
後世に残るような素晴らしい研究成果を上げたいと思っていますので、今後の取り組みにご期待ください。
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