日本中小企業のデジタルトランスメーションの現状 「デジタル戦略」実行中の中小企業:6割は「十分に確立していない」
・デジタル戦略が確立していると回答したのは欧米諸国の約半数の40%
自社のデジタル戦略は確立している回答した日本の中小企業勤務者は40%でした。
これは、同調査を行ったカナダ(85%)、スペイン(88%)、メキシコ(79%)、英国(86%)と比較すると半数ほどと著しく低い数字となります。
・デジタル戦略の導入が「難しい」と回答したのは79%
デジタル戦略の導入が「かなり困難」または「どちらかといえば困難」と考える人は79%を超え、欧米諸国と比べてこちらも大きく上回っています。
・企業がデジタル戦略を取り入れる理由の1位は「顧客の要望に応えるため」
DX推進が課題となる日本市場において、デジタル戦略を新しく取り入れる動きが活発ですが、企業がデジタル戦略を取り入れる理由として多く挙げられたのは以下の3つ。
1、顧客の要望に応えるため 37%
2、低迷する売上を伸ばすため 32%
3、競合他社に後れをとらないため 29%
・デジタル戦略として最も実施される取り組みは「自社独自のECサイト」
企業のデジタル化には非常に多くの取り組みが必要ですが、その中でも1番多く実施されたのが自社独自のECサイトの建設または改善でした。コロナ以前よりも取り組む企業が増えたことから、新たな販路拡大対策としてECサイトを採用した企業が多いことが伺えます。
・52%が「既存のスタッフでデジタル戦略を策定した」と回答
デジタル戦略の推進の際、人員の増減があったかどうかという質問に対しては、既存のスタッフのみで特にトレーニングを受けることなく、通常業務と並行してデジタル戦略を実施した答えた人が52%と1番多い回答となりました。
ノウハウや知識が不十分な人材にデジタル戦略を任せているという現状は特筆すべきところです。
【まとめ】
デジタル戦略の確立やその導入度についての評価は、回答者の主観に依存する部分はもちろんあります。しかし、中小企業の間では、自社のデジタル戦略に対してまだ改善すべき余地があるという意見が多いのは事実です。
その要因として考えられるのは、データ収集・分析などのテクノロジを十分に駆使されていないことと、従業員の専門知識の不足があります。人員を削減せずにデジタル化に取り組む姿勢自体は称賛されるべきものですが、学習システムを取り入れてスキルギャップの解消に努めることや、アウトソーシング (外部委託) を利用することも検討する価値があるでしょう。
調査結果の詳細は、リンク先「日本中小企業におけるデジタル化の現状」をご覧ください。
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