武藤康平
米ボーディングスクール卒業後、筑波大学卒業。モルガン・スタンレーにて30件以上(総額約3兆円)のクロスボーダー案件を担当。元英国首相トニー・ブレア氏率いるシンクタンクのプライベート・エクイティー投資部門(イスラエル/パレスチナ)にて中東における再生可能エネルギー、金融機関への投資を担当。現在は、途上国における社会的な問題をビジネスで解決するべく、現地企業へのコーポレートアドバイザリー業務を行うと同時に同地域におけるVC/PE投資に携わる
国際的に、後進国と呼ばれているアフリカが変わろうとしている。水道、ガス、電気などの一般インフラが整わない中、アフリカ大陸では密かに2G回線が張り巡らされている。今や国民の生活を急速に変えるのは、インフラではなくITだという。急速なITの進化は目まぐるしく、電車がない中でも彼らはスマフォでゲームをしたりする。ITの一人歩きがもたらす悪影響についてはいささか想像できないが、利益を人々にもたらしていくのは間違いないだろう。今回はそんなITスタートアップが急成長を遂げるアフリカ大陸で駆け回る日本人起業家を紹介する。
一言でいうと「現地の起業家を助けるグローバルファーム」です。現在私たちはチームのほとんどがアフリカに定住し、既存のシステムを破壊しうるスタートアップ企業の業務支援をしております。具体的には、ハンズオンで他国展開(アフリカ大陸内で)や資金調達を手助けしています。
アフリカの国内では今様々なITスタートアップが立ち上がってきています。例えばアフリカでは銀行に入れるのは一部の方達、殆ど人が銀行を利用できていません。当然銀行にお金を預けられない分、リスクも当然増えますよね。(盗難などの)その課題を解決するべく、P2Pの保険サービスのスタートアップが立ち上がりました。
そういったスタートアップが正当な評価を受けて、資金調達や仲間集めができる環境を作るお手伝いが僕らの仕事になります。現在は南アフリカを中心に、海外のVCや日系企業とのパイプ構築をしています。
多種多様な業界との繋がりを生かして、アフリカのスターチアップ企業を支援しているという。
上記のマップがダブルフェザー社が関与を持つ国々を表す。日本はもちろんのこと世界的に影響を持つ、先進国との関係も多いのがわかる。大手の商社や日本の自動車メーカーもクライアントだという。
競合についてきいた。
いないわけではないです。PE分野だとAIC(エーアイキャピタル)やサムライの子会社であるリープフロッグベンチャーですね。まだまだアフリカはスタートアップにとっても発展途上。僕からしたら、競合というよりも一緒に盛り上げていく仲間だと思っているんです。
起業した経緯について聞いた。
新卒で入社したのがモルガン・スタンレー。スタートからクロスボーダー案件の担当をして、30件、総額3兆円ほどの大きい案件を任されました。その後イスラエルのPE部門に移り、政治的な理由で頓挫した民間企業の再生を担当していました。今の僕のパートナーと出会ったのもここでのこと。2人とも仕事でアフリカに行くこともあって。徐々に興味を持ち始めました。ボランティアで、何度か日系企業とアフリカを繋げる仕事をしたこともありましたね。
金融に関しては、誰にも負けないと思っています。戦略アドバイザーや会計もとても大事なのが今のアフリカのスタートアップ。僕の知見を生かして、アフリカの今を変えたい。こんな想いが起業へ僕を突き動かしましたね。
長い国際での仕事経験が、アフリカでの事業を始めるきっかけになったという。
将来の展望を聞いた。
僕らの社名は、日本の古来よりの家紋からきているもの。日本の武士階級には、鷹の羽の違いがさねと呼ばれる、2枚の羽を交差させる家紋があります。それが僕らのダブルフェザー。日本の武士道を持って、世界に羽ばたく意味を込めています。また、「能ある鷹は爪を隠す」こんな意味も込めているんです。
今後アフリカは圧倒的に人口が増える。その反面、日本は沈みゆく船。沈まないためには、海外成長にかけることが大切なんです。今そのジャンルに張れば、10年・20年後には我々が一番バリューを出せる状態を作れます。
これからはまず自分たちのファンドを組成していきたい。日本とヨーロッパとアフリカを繋げるファンドにしていきたですね。
アフリカに投資をする、ひいては日本経済を救う。大きなビジョンを持つ、「Double Feather Partners」を応援していきたい。
取材担当中山
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