山本考伸
トリップアドバイザー日本代表 兼 APAC担当副社長、楽天トラベル株式会社代表取締役社長を経て、
衣食住は人が生きる上で欠かせない要素である。その中の住である不動産業界の市場規模は12兆とかなり大きいものだ。さまざまなマーケティングオートメーション(MA)サービスが展開されているが、顧客の動向にフォーカスしたサービスは少ない。そこに着目したのが「KASIKA」サービスを運営するCOCOLIVE社である。
一言でいうと「不動産業界の人や家を建てる人のためのマーケティングオートメーション」ツールです。営業の方には反響数アップ、アポ数アップ、顧客育成で役にたちます。ユーザーにとっては、最適な住まい体験を実現させたいと思います。
不動産業界特化マーケティングオートメーションツールの「KASIKA」
Google Analyticsのような使用感で、クライアント側では自社サイトに「簡単なタグ」を入れるだけで使い始めることができる。
サービス上ではどんなことができるのか。
「KASIKA」では、クライアント企業様に登録いただいた自社サイト上の情報を分析することができます。顧客IDと紐付けているので、誰がどこのサイトを見ているかを可視化できます。最終的にはクライアント様に見込み顧客のカルテを作成します。
ユーザーの興味や行動分析を行うことにより、どの物件に興味を持つかを分析し、クライアント企業の営業に直接役立てるものである。上の図では、ユーザーのページ訪問数を活発度としてランキング化、ユーザーの訪問ページや物件ごとのページ滞留時間を分析できるという。
一概に住宅といってもお客様別でニーズは異なります。
WEB上の話でもそうですが、 決まった路線の駅から徒歩10分以内の中古マンションのページば かりじっくりと読んでいるお客様に郊外の戸建て物件を紹介しても あまり意味がないですよね。物件とお客様のミスマッチをできるだ けなくせるよう最適化に努めています。 私たちのサービスは実際の営業の現場でも役に立ちます。現場の営業に対してもお客様の分析をお送りし、顧客に最適な提案ができるよう努めています。
不動産という業界は最終的に対面に依存をするものです。やはり高単価の案件が多いので、人と会って会話で決める方向性が強いです。
企業の自社ホームページの問い合わせ増加を促進する機能。既にサイトの反響獲得率が40%アップした実績を持つ。
ご契約企業様の自社サイトからの反響数を増やす機能も取り入れております。例えばボタンが見えにくいサイトの再構築や、顧客のニーズに合わせて「あと一押し」ポップアップなども取り入れています。
例えば、物件の検討件数や興味を持っている物件の手数料割引なんか魅力的ですよね。
顧客育成機能も充実している。分譲住宅の売買では、ユーザーは長期的、かつ慎重に取引を進める。「KASIKA」ではユーザーのニーズをキャッチし、最適なタイミングでの自動メール配信機能を導入している。ユーザーの購買意欲向上に役立つ機能だ。
競合について聞いた。
様々な汎用のMAツールがありますが、
不動産業界ではほとんど浸透していません。というのは、 多くのMAツールはショッピングサイトなどオンライン上で取引が 完了するサービスを対象に設計されており、 お客様の育成経過や顧客分析のデータを営業担当者に共有する仕組 みがなく、営業の現場で使えないものになっているからです。” このお客様はサイト訪問・ メルマガ開封が多くスコアは123ポイント、優良顧客です。 営業よろしくお願いします!”と言われても、 具体的にどんなメールやサイト上の情報に興味を持ったのかわから ない限り、お客様に寄り添った接客はできないですよね。
最終的には対人で完結する業界だからこそ、営業現場での使い勝手に注目した、 我々のMAサービスを導入して頂きたいと思っています。
サービスの今を聞いた。
2017年5月に開始したベータ版サービスをご利用いただいた会
社様と一緒に機能改善・追加開発して、 2018年2月から正式にサービスを開始しましたが、 既に大手3社への導入を含めて実績を伸ばし始めています。 メディア掲載も沢山いただけましたので、 更にサービス拡大を目指していきたいです。
現状ユーザーにフォーカスを置いたサービスはあまり見受けられない。住宅検討の際にユーザーにとって必要な情報が取得できれば、仲介、ユーザーともにうれしいものなのは間違いないだろう。
創業の理由をきいた。
前職は旅行業界にいました。その会社では、
ただ単に便利に安くホテルを予約できるサイトを作るのではなく、 それぞれのお客様の活動データを分析することで” ぴったりの宿に出会っていただく” ことをミッションとしていました。企業としては常に、 一歩先の顧客体験を目的としていたので、 大変学びになったのは記憶に新しいです。。 ホテル探しもいいですが、やはり生活の基盤になるのは住宅ですよね。私が感じたのは、不動産業界のオンラインとオフラインの断絶でした。オンライン上で蓄積された情報がオフラインで反映されない、またはオンライン上の情報を最適に分析ができていないことも大きな課題であります。
やはり最終的には人に頼る業界。私のいた宿泊業界はオンライン上で完結していたので、また違った価値を提供できそうだと思いこのジャンルに飛び込みました。
日々の生活で旅行を頻繁にする方も少ないだろう。ビジネスで多く渡航をする場合は、会社からの指定で宿が決まるためユーザー自身で宿泊サイトを利用することもあまりない。そう考えれば確かに住まいに関することがより重要になってくることだ。
将来をきいた。
今は対企業様のサービスで展開しているが、私たちの使命はユーザーの家さがしのお手伝いです。
現在展開中のMAツールによってユーザー動向のデータを蓄積し、そのデータを使い今後は最適なレコメンドをユーザーに出せるようにサービス展開したいと思っています。
あまり表舞台に出るサービスではないが、将来的に物件探しが簡単になったタイミングで思いだしていただきたい。「COCOLIVE」社の技術力に期待だ。
取材担当中山
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