北見壮一郎
1993年生まれ。株式会社Factory CEO & Founder. 上智大学にて、国際法/政治哲学専攻。サイバーバズの開発局やVoyageのTreasureに参加し、エンジニアとしての経験を積む。また数社のiOSアプリ開発に関わる。現在はプレシリーズA調達中。元々は富の不均衡を解決したいと思い起業。人が好きなことを追求できる世界を目指している。言語は主にSwiftとGo言語。デザインも行う。
今年、映画レビューサービス「Filmarks」は総映画レビューが5000万件を突破したと発表。サブカルや趣味をインターネット上でユーザー間シェアするサービスが流行しているといえるだろう。インターネットの普及により人々はよりネット上での自分の「好き」をさらけだすようになった。そこで, 自分の好きな物だけをアプリ上で表現し、それを中心にコミュニケーションが出来るサービス「Fabulous!」を作るFactory社に取材を持ちかけた。
世界で一番気軽に自分の好きを投稿できるサービス「Fabulous!」
一言でいうと「世界で一番気軽に自分の好きを表現できるアプリ」です。体験としてユーザーに与えるのは、好きしかない世界に身を置けること。基本的にはSNSサービスで、どこよりも好きなものだけに囲まれる体験を作っています。
「Fabulous」上で、ユーザーは3つの機能を利用することができます。自分の好きなものリストをShareするBOX機能。自分の好きなものについて会話ができるROOM機能。最後に自分の登録している「好きな」商品ベースで新商品や類似品のレコメンドが届くレコメンド機能があります。
基本的にはSNSに近いが、ユーザーは好きな物への「熱狂」で自分を表すようだ。
利用するユーザーについてきいた。
僕らのサービスを利用するユーザーは、初期段階で物へのこだわりが強い人やオタクな方々が強い人だと思っています。以前ってミクシーがありましたよね、今はそれがなくなったのでツイッターがかわりに来ているかと思うんですけども、これは自分の表現を好きなものベースでできるわけではなくストレスが溜まります。コアな人たちが遠慮なく「好き」を表現できる世界を作っています。
競合サービスについて聞いた。
競合サービスはPinterestとTwitterですかね。日本ではPixivをリスペクトしています。売上高は, Pinterestは4億ドル以上, Twitterは24億ドル以上の年間売り上げがあります。僕らがイメージしているのは彼らよりさらに気軽に「好き」を表現できる機会を作ることです。専門的なジャンルという偏りではなく「好き」という切り口に特化しているんです。「熱狂」を形にしていきます。
ラファエロやカンディンスキーに刺激を受け、文化的なサービスを作り始める
サービスを立ち上げた経緯について聞いた。
僕が一番注力したいのは「深い感動」です。人の深い感動体験を作ってあげたいというのが今のサービスです。元々勉強していたのが国際法/政治哲学で、大量虐殺などの原因を研究していました。なぜ人は戦争し、虐殺するのかなって。人々は精神的なレベルが低いと争うわけですよ。いわゆる文化的視座の違いですね。人々は美しい絵画やアニメやサブカルなども含む、作品への「感動体験」があると争いが少なくなるんです。僕が最終的に提供するのはそういう文化領域での人類の成長, コミュニケーションです。
元々就職する気満々だったんですけど。ビルゲイツやラリーペイジのプレゼンを聞き、富の不均衡を解決したいと強く思い, 就職している場合じゃないと思い起業しました。日本人で尊敬する人は後醍醐天皇と徳川綱吉です。海外の起業家ではジャックドーシー(Twitter .Inc/Square .Inc)とコリソン兄弟(Stripe .Inc)が好きです。
僕が目指していくのは、いかに人々が好きなことを追求できる世界を作れるか。同調圧力から解放されることを目指しています。
将来の展望を聞いた。
最終ゴールとしては、「好き」を可視化することで人や物, 広告との出会いを全て効率的に、最適化する、人工知能でかつてないインタレストマップを作ること。
いままでそこまで意義あるデータをもっている会社はあったでしょうか。僕らの会社が初になるかと思います。今までは能動的に取得していただけで、僕らは、主体的な人々の「好き」を取得するため, かつてないデータになります。
いままでの出会いは、無駄が多すぎました。人の好きという情報を元に, 人工知能を用いた体験や出会いの最適化をしていきたいです。また人々の主体的な「好き」情報が集まれば、効率的な購買体験, 出会い, そして体験という意味ではVR/ARも提供できますし, ブロックチェーンが作る「信用」もいろいろな方法でいかせます。特に人工知能分野においては最高の結果を出すでしょう。
より人々が好きな物を追及し、社会格差がなくなるそんな大きな理念を持つFactoryを引き続き追っていきたいと思う。
取材担当中山
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