十河 宏輔
AI(人工知能)を活用したSaaS(Software as a Service)ソリューションを提供しているAnyMind GroupのCEO。 マイクロアドでのNo.1営業を経て単身ベトナムに渡り、ゼロからベトナム法人を立ち上げ、設立10ヶ月で単月黒字化達成。その後もシンガポール法人、フィリピン法人、タイ法人、インドネシア法人、マレーシア法人立ち上げに参画したのち、2015年に史上最年少でマイクロアド本体の取締役に就任。 2016年4月にAdAsia Holdings Pte. Ltd.を設立し、CEO&Co-Founderとしてアジアの広告業界において、爆速で成長中。 2018年1月にAdAsiaの親会社をAnyMind Groupとしネット広告に留まらず、インフルエンサー・マーケティング、HR業界へとビジネスを拡大中。
スタートアップ界隈では、採用管理ツールのHRアナリストが大型イグジットをしたのはそう記憶に遠くない。2018年には200億付近の市場規模になるだろうと言われているHRテックは近年のホットワードだ。多くのツールが登場する中、人事担当はツール選びに苦戦している。そんななか広告事業でAIのノウハウを培ったAnyMind社が総合的な採用管理ツールを打ち出した。それが今回紹介する「TalentMind(タレントマインド)」になる。
採用候補者マネジメントプラットフォーム「TalentMind」
一言でいうと「採用候補者マネジメントプラットフォーム」です。僕らは採用の募集からオファーまで一元管理します。このソフトウエアに行けば全部できるようなイメージでサービスづくりをしています。面接設定から日程調整まで、自社で使っているメールツールに飛ばなくても全部プラットフォーム上で管理できるサービスになっています。
今採用担当者のみなさんってすごくマニュアルなタスクが多いんです。レジュメのチェックなどは大きなタスクになっています。僕らのサービスではテクノロジーの力でマニュアルな仕事を自動化します。もっと人がやるべき仕事、例えばソーシングなどに力を使って欲しいですね。
サービスの特徴としてもう一つあるのが、マッチング度のスコア化です。これができることにより、面接に優先順位をつけることができます。上にあるのが、応募者の実際の管理画面になります。スコア度数や個人分析を自動でやります。
人がやるべきところは残しつつ、その他の業務を自動化したという。
利用する企業についてきいた。
どの企業にも使われるべきサービスにしていきたいですね。しかし業務が煩雑になりがちなのは、やはり大型採用をされている企業さん。数が多ければ多いほど、お役に立てると思いますよ。また、使えば使うほどエンジンは学習をします。より企業ごとに特化したサービスになるでしょう。
競合サービスについて聞いた。
日本だとそれなりに競合がいるジャンルですね。ジョブカンさんとかはかなり強いと思いますよ。ビズリーチさんもATSを出されてますね。僕らが脅威と思っているUSの企業がまだ乗り出していないのが一つポイントです。僕らのサービスが勝負するポイントってAIによるスクリーニングの技術だったりするんです。
AIによる技術が大きく競争優位性につながっている。
サービスを立ち上げた経緯について聞いた。
いま現在までで、アジアを中心に11の国と地域、全部で13の拠点を立ち上げてきました。社員は全体で300人ほどいますが、そのうち日本人はわずか2割程度。他8割の大半がその国出身の、いわゆるローカルメンバーなんです。
新しい拠点を立ち上げる度に、HRチームがローカルメンバーの採用に力を入れてくれていますが、日本と違って、一つの求人に対する応募の量がハンパじゃないんですよ。人材の流動性がとても高いアジアで、仕事が自分の興味に合わないとわかったらすぐに動き出すんです。だから私たちの求人も出せば出すだけ、応募の数もどんどんやってくる。1回の募集で300人ぐらい来ちゃうともうてんやわんやです。それだけいろんな人材に出会える機会があることはとてもありがたいのですが、選考や面接の優先順位をつけられないことが1番の課題でした。そこで僕らの持っているAI技術を生かし、企業(採用担当者)と求職者とのマッチングができれば少しでも負担が減るのではないか、と考えていました。
そしてアジアの採用現場は、スケジュールを管理する仕組みがあまり整っていないことも特徴的です。自分たちでもこんなに大変なのに、大企業は相当だと思いましたね。この課題ってどこでも持っているものだと思うし、これを解決するのがまさにATSサービスです。僕らの持っているAI技術も生きてくる分野だと思うので、新規事業開発に乗り出しました。それでできたのが「TalentMind」です。
自社で感じた課題をサービスづくりに利用したという。
将来の展望を聞いた。
将来的なお話というより、直近のお話なんですけど。僕ら今まで新卒採用をしていなかったんですよね。きっかけはソーシャルメディアから直接アポイントを取って来た学生の子を採用して、その後すごく活躍してくれました。もっとちゃんと新卒を取ったらすごく戦力になるんじゃないかと、思い立って新卒採用を開始しました。
サービスの方でいうと、日本で展開をしていきたいと思っています。アジアにも僕らはたくさん拠点を持っていまして、タイではすでに半年前からローンチをして少しずつ企業を増やしています。やはり日本ってアジアの中でもそれなりにサイズがある国ですよね。そこを取りに行きたいですね。
スタートアップが新卒採用を開始する、これは様々な意味で大きな転換点になるだろう。本メディアが引き続き注目していく一社だ。
取材担当中山
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