ニッポン手仕事図鑑 編集長
映像ディレクター / プランナー / 写真家
大牧圭吾
1977年、長野県安曇野市生まれ。
映像ディレクターとして、秋田県、長野県、神奈川県、和歌山県など、全国の地方自治体の移住促進PR映像などを手がける傍ら、「ニッポンの手仕事を、残していく」をコンセプトに掲げる動画メディア『ニッポン手仕事図鑑』を2015年1月に立ち上げ、編集長に就任。日本の未来に残していきたい技術や文化を、国内外に向けて発信している。
2016年に『一般社団法人 100年先のこどもたちへ』の理事に就任。2017年9月、監修の『子どものためのニッポン手仕事図鑑』が発売。
世間の流れは速く、AIやフィンテックなど新しいものがどんどんあらわれ、古いものは取り残されつつある。
一方、技術の高さや長年続く伝統の価値が見直され、最近注目を集めているものもある。
伝統工芸品だ。オリンピック、インバウンドブームなどもあり伝統工芸品の価値が再認識されてきている。
それでも、伝統工芸品自体、時代の変化に対応しきれていない部分もあり、いまや伝統工芸品は後継者不足、新たな販路開拓など様々な課題に直面している。日本に誇る文化を無くしてはいけない。
今回紹介する「ニッポン手仕事図鑑」は動画の力で、伝統工芸品と職人をサポートしていく。
詳しく見ていこう。
ニッポン手仕事図鑑は「日本でいちばん、職人を愛するメディア」です。日本の手仕事を伝える職人にフォーカスをあてています。
現在は70人の職人さんの動画を公開しています。
それらの動画の取材は、テレビとは違う雰囲気で行っています。職人さんからも「テレビの取材は覚えていないが、ニッポン手仕事図鑑のスタッフの取材は覚えている」とお声をいただきました。「ニッポン手仕事図鑑」は、目の前にある思いや技術をどれだけ本気で伝えられるかにフォーカスして取材をしています。
ニッポン手仕事図鑑の動画一覧。様々な伝統工芸品(手仕事)・職人さんの動画が閲覧できる。
動画の一例。職人さんの仕事に対する哲学や生業にフォーカスを当てたクオリティの高いものとなっている。
ニッポン手仕事図鑑の取材先は、日本各地の「手仕事」を生業とする職人さんたち。
伝統工芸には、漆だけでも様々な種類があるんですよね。しかし、あくまで図鑑としてのスタイルを保つために、地域と職種が被らないようにしています。
幅広いジャンルを取材したいと思っているんですよ。その中でも、特にまだ注目が集まっていないような職人さんにフォーカスしていきたいですね。国や県が指定している工芸品はもちろんですが、指定されていないような工芸品も取材していきます。後継者問題にも取り組んでいきたいと思っています。
現在、ニッポン手仕事図鑑ではイベントとして「後継者育成ツアー」を行っています。後継者を募集している職人さんは、ハローワークで探すぐらいしか後継者を見つける方法がありません。
そこで、ツアーを通して、後継者を探せるようにしていきたいと思っています。行政と仕事をすることも多いですね。
移住促進PRの取り組みや、地域の教育などに携わらせていただいたりしています。
北海道の自治体では情報発信の講座を企画させていただきました。自治体の人の育成などの行政との取り組みも増やしていきたいですね。
ハイクオリティな動画は、多数のビデオグラファーによって支えられている。
当メディアでビデオグラファーが世に出るきっかけも作りたいです。
ですから、編集長の目線からのアドバイスはしますが、基本的な構成などはビデオグラファーに任せています。動画には個々のビデオグラファーの個性が出ます。その動画に他のビデオグラファーは感化され、よりよい動画がどんどん出てくる化学反応が起こるんです。
サービスを立ち上げた経緯について聞いた。
私は高校時代は本気で野球をやっていました。それはもう、プロを目指していたぐらい。しかしケガをしてしまい、野球の道が断たれてしまったんです。普通はここで腐ってしまうところなんですが、その挫折経験をいかしてスポーツジャーナリストになりたいと思ったんですよね。
夢の実現のためにジャーナリスト系の専門学校へ。その後転職し、広告を勉強するためにコピーライターとしての経験を積みました。
現在の社長に誘われて、株式会社ファストコムに就職。
もともと地方創生には興味があって、現在メディア「ニッポン手仕事図鑑」の編集長をやっています。これまで情報発信に関わってきた中で日本の魅力を発信したいという強い想いが自分の中にあることに気づきました。
日本文化が好きなのは、個性ある地方がたくさんあるから。
個性豊かな町がたくさんあってそれぞれ文化が違う、これらの文化ってその土地で働く人が作っているんですよね。
日本の素晴らしい文化を残すために、地域で働いている人にフォーカスを当てて、残していきたいと思ったんです。
将来の展望を聞いた。
「ニッポン手仕事図鑑」をビジネスとして本格的に展開していき、より多くの人を巻き込めるようにしていきたいです。
大変ありがたいことに、最近色々な企業さんから、一緒に仕事をしたいとお声掛け頂く機会が増えてきました。個人でも、手をあげてくださるかたがたくさんいらっしゃって。しかしすべての方と関わることができず、とても悔しい思いをしました。「ニッポン手仕事図鑑」のマネタイズにむけ、新しいビジネスモデルを構築しています。今までの「ニッポン手仕事図鑑」のポリシーを崩さず、職人さんのメリットになるようなメディア運営をしていきたいです。
巻き込む人を増やすための新しい試みとして、コンペも開催します。
「ニッポン手仕事図鑑」では、3年間で70本の動画を作ってきました。しかし僕の中では70人しか取材できなかったという思いが大きくて…。コンペを開催して、作品が100集まれば、一気にコンテンツを作りだせます。
また、入賞した・しないに関わらず、ビデオグラファーに仕事を生み出すことも目指しています。
2020年にはさらに規模を拡大し「映画祭」として開催したいですね。最終的には、手仕事の魅力を伝えるメディアとして、より発信力を強化していきたいです。
伝統工芸品や職人の姿を動画で残し、広めていく「ニッポン手仕事図鑑」
これから動画コンペも開催される。動画を制作している人、動画業界に興味のある人はぜひチェックしてみてください。
取材担当橋本
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