株式会社nehan代表取締役
中原誠
自称、一つのグラフでビール3杯はいけるデータオタク。愛車は赤のRX-7。
コロプラ、ドリコム、DATUM STUDIOにて多種多様なデータを分析し、現職に至る。
データ人材不足という社会の課題を抜本的に解決すべく、分析ツールnehanを提供中。
著書:データサイエンティスト養成読本(技術評論社)
ビッグデータの活用に注目が集まっている。
ビッグデータから新たな知見や洞察を獲得できれば、競争優位やビジネスチャンスの獲得につながるかもしれないからだ。
しかし、ビッグデータを活用するのは簡単ではない。
データの前処理だけでも膨大な時間がかかる。
その前処理の段階の負担の軽減を目指すプロダクトが、株式会社nehanが開発する「nehan」だ。
果たしてどんなサービスなのか。詳しく見ていこう。
――サービスについて教えてください。
nehanのサービスを一言でいうと、「データ分析を最適化するSAAS型クラウドサービス」です。
現段階では、データサイエンティストの方を対象にしたウェブサービスになっています。
現在データサイエンティストが増えてきているんですよね。そんなデータサイエンティストの方の業務を効率化して、思考する時間を最大化することを目的にしています。
扱うデータは様々で、売り上げデータや顧客データなど幅広く対応しています。
ノードをつなげてデータ処理を実施。分析プロセスが可視化できる。
様々な前処理も、基礎集計も、機械学習も実施可能
簡単操作でグラフを可視化できる。
作ったグラフをダッシュボードにまとめて共有
――どんな企業が「nehan」を使っているのですか?
現段階のnehanはデータサイエンティスト向けのサービスになっています。しかし、これからはデータ分析をしたことがない人にも扱えるサービスにしていきたい。誰でも簡単にデータ分析をできるようにし、データ人材不足という社会的課題の解決を目指しています。
また、nehanをトライアルしていただいた企業様は、小さい規模から大きな規模まで幅広く使っていただけましたね。
加えてAIスタートアップがデータ処理をするときにも使えるように対応しています。
このように、データを持っているところであれば、どんな企業でも使えるサービスになっていますね。
現状だとデータが持っていても、企業に専属のデータサイエンティストがいるのは珍しいんです。しかし、データサイエンティストがいなくても、データを持っていて、営業活動を最適化しようとしている企業様がいらっしゃいます。このようなところもターゲットになっていますね。
――競合について教えてください
汎用的なデータの統合分析ツールという点で、競合はSASさんかな。
SASさんとは思想の違いがあります。というのも、SASさんはAI開発に力を入れてらっしゃるんですよね。
「プログラム不要でAIを開発可能」がセールスポイントになっています。それに対して、nehanはAIをセールスポイントとしていません。
AIを使うにせよ、データを分析するにしろ、まずはデータの前処理が必要になります。
実はこの準備の時間に業務の8割の時間が費やされているんですよ。nehanはこの準備段階を圧縮します。これが最大の特徴ですね。データの準備段階にフォーカスしている会社は少なく、他のデータ分析ツールと比べても違う点になっています。
――立ち上げまでの経緯を教えてください
新卒では@typeに就職しましたが、当時はリーマンショック真っただ中。入社したはいいものの、希望通りの配属にはならなかった。
そのため、半年で会社を辞め、コロプラ、ドリコムとソーシャルゲーム領域の会社を渡り歩きました。
この時はソーシャルゲームのデータを扱う機会が多かったですね。しかし、一つの業界のデータを見続けるのに飽きてしまったんです(笑)
そのため、たくさんのデータが見られるデータ分析のコンサルティング会社に転職しました。ここで色々なデータに触れ、種類や規模が様々なデータを扱いました。この業務を通して、データのパターンをつかめたことが今のnehanにとって非常に役に立っています。
――その後nehanを立ち上げてからの経緯を教えてください。
nehan創業当初のメンバーは4名。全員で開発をやっていました。私はメインの設計を担当。
実は創業した時から、自分たちで分析コンサルをやっていて。そこでnehanがサービスとして通用するかどうか検証を続けていました。それから1年経って、人に提供できるようなレベルになったなと思ったので、nehanを本リリースしたんです。
nehanのサービス名は、仏教用語の「涅槃」が由来になっています。「涅槃」のニュアンスは、人々を苦しみから救い、新たな境地へといったもの。
僕たちもサービスを通して、データ分析のつらい部分を抱えている業界を、救ってあげたいという想いで「nehan」というプロダクト名をつけました。
「データ分析を楽にする」ことがメインテーマになっています。
――今後のnehanの展望を教えてください。
今までコアの業務として、データの受託分析をやっていました。これからはnehanのプロダクトが主軸になっていきます。
しかし、nehanを売るだけの会社にはならない予定です。今までのデータ分析で培ってきたノウハウを見える化するツールを合わせて、データ分析の内製化を支援していく会社に進歩していこうと思っています。
ツールを売ってハイおしまいとするのではなく、分析をしてきた者として、アドバイスも合わせて行っていきます。
nehanはデータ処理で苦しむ人々への福音をもたらせるか。今後の展開に期待だ。
取材担当橋本
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