代表取締役
大北 潤
1990年2月1日生まれ。鳥取県出身。
2012年3月玉野総合医療専門学校理学療法学科卒業。2012年4月新卒で医療法人天和会松田病院に入職。リハビリテーション業界の教育における地域格差を感じ、理学療法士を2年9ヶ月で同病院を退職し、上京。ITサービスの基盤をつくるため、2015年1月にWeb制作・広告プロモーション会社を設立。2016年4月にリハビリテーション業界の教育を変革するため、Rehatech Links株式会社を設立。
理学療法士・作業療法士という職業を詳しくご存じだろうか。
理学療法士は何らかの理由で身体機能が低下した方に対し、運動療法や物理療法を用いて日常生活で必要な基本動作ができるように回復支援を行うリハビリの専門家。
作業療法士は、身体や精神に障害がある人、病気やケガなどで後天的に身体が動かしにくくなったり、精神的に落ち込んだりした人に対して、作業活動を通じて、日常生活の動作で困らないようサポートしていく専門家だ。
主に、私たちがケガをした時や介護が必要になった時に活躍する職業である。
これらの職種の学習を手助けするサービスがリハテックリンクス株式会社が開発する「リハデミー」だ。
詳しく見ていこう。
――「リハデミー」について教えてください。
リハデミーを一言でいうと「全国どこのセラピストでも、平等に情報を得られる教育オンラインコンテンツ」です。
リハビリテーションに関する動画を、1タイトル5時間ある動画を60タイトルほど、提供させていただいております。
また、セラピストの方へ、最新情報に触れていただくために、海外論文を翻訳したものを月に30本アップしております。
加えて、セラピストの第一線で活躍している先生方にインタビューをするコンテンツも制作しています。
このようなオンラインコンテンツ以外にも、オフラインで講習会やセミナーの開催もさせていただいています。
――ユーザーにはどんな方がいらっしゃるのですか?
現在のリハデミーは理学療法士や作業療法士の方に多く利用していただいています。
トレーナーや柔道整復師、整体師の方にも利用されることがありますね。
理学療法士や作業療法士は、給料が安いなどのネガティブなイメージを持っていらっしゃるかもしれません。でも、実際はそんなことは全くなくて。
リハビリテーション業界の最前線でご活躍されている講師陣の話を聞くコンテンツを用意しているので、どんな考えでどんな仕事をしているのか知ってもらい、世界を広げてもらいたいと思っていますね。
――競合について教えてください
セミナーを開催されている企業さんはいらっしゃるのですが、オンラインコンテンツとセミナーのどちらもやっているところは少ないですね。
また、映像コンテンツを扱っていたとしても、DVD販売であることもあります。
当社はネット上にて、最新の情報を提供しています。
――立ち上げまでの経緯を教えてください
新卒では病院にて、理学療法士をしていました。2年9か月働いていましたね。
そこから自分の人生を見つめなおして、上京。WEB関係の会社を立ち上げました。
それでもリハビリテーション職への思いは消えなくて。
WEBと理学療法士の掛け合わせができないかと思ったんです。そこで経験上、課題を感じていた理学療法士・作業療法士の教育に着手。
現在の「リハテックリンクス株式会社」になります。
――今後はどんな進化をするのでしょうか?
現在のリハデミーはリハビリの知識や技術がメインコンテンツになっています。これは、患者さんの治療が担当者によって変わるという現状を解決したいと思ったからです。
実は、現在の理学療法士・作業療法士には研修期間がないんですよ。そのため、技術力に差が出てしまうことがある。
どの理学療法士でも、ある程度の症状は専門性をもって治せるようにするために、教育を行い治療の平準化を目指していきます。
この実現のために、リハデミーでは教育の入り口を作りたい。
4~5年後には、リハビリ業界だけでなく、看護師や医師などのメディカル領域の教育、患者様やご家族を支援するためのコンテンツも作っていきたいと思っています。
――リハデミーは今後どんな展開をしていくのですか?
リハデミーには現在約900名の会員様がいらっしゃいます。
情報の入口となるようなフリーペーパーをお届けしているんですが、もっともっと理学療法士・作業療法士の専門知識の学習に興味を持っていただきたいと思っています。
講習会やセミナーも開催しています。2月には東京ビックサイトで1000名規模のセミナーをさせていただく予定です。臨床家と研究者の関わりを作り、どんなふうに臨床と研究を融合させるのかディスカッションをします。
これらの取り組みを通して、年内に3000名の方にリハデミーへ登録していただくことを目指しています。
ーーこれから登録者の方を増やしていくんですね。それ以外に展望として考えていることはありますか?
大学と連携して教育を進めていくことも考えています。
保険内診療をするためには、確固としたエビデンスが必要です。
エビデンスに基づいていないものを、国のお金を使って提供するわけにはいきませんから。
そこで、理学療法士・作業療法士がエビデンスに基づいた治療を提供できるように、治療効果を可視化させ、さらに進歩させていきたいです。
可視化が進むことで、理学療法士・作業療法士の知識・技術が、学問としても進歩していくと思っています。
リハデミーは規模の拡大とともに、学問の進歩を目指して進む。
取材担当橋本
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