代表取締役
広瀬 好伸
京都大学在学中に公認会計士試験に合格し、あずさ監査法人に入社。その後独立し、上場企業のコンサルティングや企業再生、M&Aに携わる。これらの経験から独自のマネジメント理論「Scale Model(スケールモデル)」を体系化。2017年に株式会社ビーワンカレッジを起業し、2019年にプロダクト化に乗りこむ。
会計データって見づらいですよね。みんなが理解できないし、情報の粒度がバラバラ。ビジネスにおいてお金の流れがとても大切なのに、把握できていない。こんな問題がいろいろな企業で起こっていると思うんです。
そう語るのは、株式会社ビーワンカレッジの広瀬さん。ファイナンスの知識と経験を活用して、ビジネスに新たな仕組みをもたらそうとしている。
それが「Scale Cloud(スケールクラウド)」と呼ばれるサービスである。
Scale Cloud(スケールクラウド) は投資効率をはかるROIC(投下資本利益率)に着目している。
ROICをどんどん因数分解していくイメージです。まずは営業利益率とキャッシュフローに分かれる。そのあと営業利益率は売り上げと費用に分解して…という風に。最終的には、KLI(Key Leading Indicator)にまで落とし込みます。
KLIとは、従来のKPI(Key Performance Indicator)よりも粒度を細かくし、タスクに近い形にしたものである。これが現場の追っていく数字となる。
経営者やマネージャーがこのサービスを使い、それをメンバーが見ることで、自分のやっているタスクが実際に会社の数字にどう貢献しているかを知ることができます。経営側が追うべきマクロの情報と現場の追うべきミクロの情報がつながっていく。このように経営側と現場がつながるということは企業の成長にとって必要不可欠であり、Scale Cloud(スケールクラウド)はそのサポートができます。
Scale Cloud(スケールクラウド)のターゲットは従業員数10〜100人の中小・ベンチャー企業だ。さらに数字で管理している営業が主な企業やIT・SaaS企業に導入がしやすい。
中小企業には限られた資金で最適な投資をし、最大のリターンを得ることが重要になってきます。それなのに、経営者は自分の頭の中で、感覚ベースで経営をしていることが多い。そこで、ROICで投資効率を見える化し、最適な投資先を見つけてもらう。これがScale Model(スケールモデル)です。
Scale Model(スケールモデル)は広瀬さんが独自に開発したマネジメント理論である。これをSaaS型のサービスとしてプロダクトにしたのが、Scale Cloud(スケールクラウド)だ。Scale Model(スケールモデル)をより実践しやすく、簡単に実際の経営判断に取り入れられるように設計されている。
さらに、ビジネスに必要な要素全てを数字で表すことができるという点も注目したい。既存の経営ツールであるSFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)、MA(マーケティング・オートメーション)ではカバーしきれない、コストやキャッシュフローの管理をScale Cloud(スケールクラウド)1つで行うことができる。このような包括的なシステムは日本初であり、現在特許出願中だ。
会計士としてのキャリアを捨て、12年前に独立した広瀬さん。はじめは個人事業主として、上場企業の会計コンサルティングなどを受け持っていた。その後、戦略財務コンサルティング会社を設立。中小企業・ベンチャー企業の社外CFOとして倒産リスクを最小化しつつその成長を支援している。ビーワンカレッジは2度目の起業で、現在兼任しているという。
世の中に対して新しい常識を作りたい。それを後世まで残したい。
この想いから、Scale Cloud(スケールクラウド)が生まれた。初のプロダクト化であり、広瀬さんの知識と経験が詰まったものになっている。
1年以内に100社のユーザーを目指しています。ユーザー獲得だけでなく、データ収集も意図しています。ユーザー企業のデータを解析して、そこから「スケールアップセオリー」を見つけるのが次の段階だと考えています。
この企業の成功の共有や研修を通してフィードバックを行う、というようなサポート付きのサービスに展開させて、高付加価値をつけていくのが狙いだ。
ビジネスの成功エンジンを見つけて、それに火をつけて持続させる。これをサポートするのが私の目標です。日本の中小企業・ベンチャー企業のエンジンをどんどん加速させて、業界を盛り上げていきたいです。
Scale Cloud(スケールクラウド)こそが、ビジネスの新しい常識となるのではないだろうか。
広瀬さんの挑戦は続く。
取材担当下郷
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