かつて日本は、様々なテクノロジー分野において、リーダーのポジションにいた。
しかし、現在はどうだろう。様々な領域で遅れを取っていると言わざるをえないのではないか。
このような現状を独自のカリキュラムのプログラミング教育で変革しようしているのが、CODE CHRYSALIS(コードクリサリス)だ。
THE IMMERSIVE BOOTCAMPというプログラミングの「突入型」教育を行っているという。
どんなサービスなのか。詳しく見ていこう。
共同設立者&CEO
カニ・ムニダサ
EMC(現在はDell EMC)、Greenplum、Pivotal Labsのエグゼクティブとして、業界のリーダーがソフトウェアを構築する方法を変え、顧客の成功を推進。
さまざまな地域で、業界の壁を超えて事業の革新をサポート。日本生まれ、スリランカ育ちのカニは、東京農工大の機械システム工学科を卒業。専攻は機械システム工学。
日本とアメリカで18年働いた後、Pivotalを退職し、 教育にかける情熱を追求するためにHack Reactor に移る。2017年、サンフランシスコから東京に引っ越 し、Code Chrysalisを共同設立。
――CODE CHRYSALISのサービス「THE IMMERSIVE BOOTCAMP」を教えてください。
THE IMMERSIVE BOOTCAMPは、自律性を持った柔軟性の高いソフトウェアエンジニアを育てることを目的としたプログラムです。
IMMERSIVEは突入型という意味で、3か月間、月曜日と金曜日にフルタイムで集中して学習するエンジニアプロクラムになっています。3か月間で、企業の即戦力になれるような、プロのソフトエンジニアになることが目標です。
CODE CHRYSALISを卒業した人で、企業に入って、そのチームのエンジニアリング全体を変えた人もいらっしゃいますね。
――THE IMMERSIVE BOOTCAMPはどんなカリキュラムなんですか?
プログラミングの学習方法は、2人でコードを書いていくことに特徴があります。ある特定のシチュエーションを設定して、その問題を解決するようにペアを組んで考えていくんです。その問題の解決方法は完璧である必要はありません。いい方向のソリューションであれば、評価します。自立性を最も大事にしていますね。
このような教育を通して、コーディング力だけでなくコミュニケーション能力をつけ、即戦力のプロとして働ける人を育てています。
サービスの特徴
――なぜそのようなカリキュラムになっているのですか?
プログラミングはハードスキルだけでなく、コミュニケーション力や自立性などのソフトスキルが大切なんです。
コミュニケーションができず、ただ依頼されているものを作るだけでは給料は上がっていきません。
依頼以上のものが作れて、企業に対してバリューを提供できるようなエンジニアを育てられるカリキュラムになっています。
――教えられるプログラミング言語を教えてください。
CODE CHRYSALISでは、カリキュラムの最初はJavaScriptでソフトエンジニアリングの基礎を教えていますが、全てのプログラミング言語に対応しています。
JavaScriptで基礎を学んだあとは、問題解決に必要なプログラミング言語を柔軟に選択できるエンジニアになってほしいと思っているんです。
というのもプログラム言語は、あくまでツールにすぎないからなんですね。お気に入りの言語はあるかもしれませんが、それに執着しては問題解決につながりません。課題によって、様々な言語に対応できるエンジニアになる必要があります。
様々な課題を解決できるエンジニアを育成するために、1週間で今まで使ったことのない言語を勉強して、プロダクトを創り発表するカリキュラムも用意しています。
これらの学習で、ソリューションによって、さまざまな言語を導入できるエンジニアを育てます。
――なぜJavaScriptなんですか?
JavaScriptはユーザーが多いだけでなく、バックエンド・フロントエンドに対応できる応用性の高い言語です。また、学習しやすいので、プログラミングの初心者の方にとって、最適な言語と言えます。
実はスタンフォード大学でも、コンピューターサイエンスのカリキュラムをJavaScriptに変えているんですよ。
JavaScriptで、ソフトエンジニアリングの基礎をしっかり学べるようになっています。
――ユーザーについて教えてください。
もともとBtoCのサービスでしたが、今年から法人向けにもサービスを提供しています。
――CODE CHRYSALISを立ち上げた経緯を教えてください。
日本のソフトウェア業界を変えたいと思ったからですね。
私は90年代に日本の大学を卒業しました。当時、日本は様々なテクノロジー分野でリーダー的な存在。しかし、現在はリーダーポジションを失いつつあります。
これはなぜなのか。
理由は、ハードウェアにこだわりすぎて、ソフトウェア能力の大切さを忘れている現状にあるからではないでしょうか。
日本は、シリコンバレーになれる可能性があったのに、ハードウェアの能力を大事にしすぎるがゆえに出遅れてしまったんです。
そんな日本で、ビジネスだけでなく、企業を動かしたり影響を与えられる機会はこれ以上ないと思ったんです。
そこで、日本でプログラミングを教えようと思いました。
――CODE CHRYSALISの展望を教えてください。
私たちは、3つの展望を考えています。
まずエンジニアリングのリーダーを育て、日本のソフトウェア業界を強くしたいということ。
2つ目に、女性のエンジニアも増やしていきたい。
最後に、プログラミングのコミュニティを作っていこうと思っています。現在の日本では、情報のシェアがとても少ない。競争相手にはもちろんのこと、企業内でも情報をシェアしない風潮がありますよね。これはエンジニア業界にとって非常に良くないこと。多くの人がプロダクトに関する知識を、平等に得られるようにしていきたいです。
これらのミッションの達成のために、無料でイベントも行っているとのこと。日本のプログラミングコミュニティに対するサービスをどんどん広げていくCODE CHRYSALISに期待がかかる。
取材担当橋本
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