スタートアップ企業の悩みは多い。資金調達はもちろんのこと、スケールする場面においてはエンジニアやデザイナーの人的リソースが必要になる。
そんな人的リソースを含め、スタートアップを包括的に支援するスタートアップスタジオがある。株式会社Sun Asteriskが運営しているSun* Startup Studioだ。
どんな企業なのか、詳しく見ていこう。
スタートアップスタジオとは:
次から次へとイノベーションを創出することを目的とした新しい支援組織のこと。スタートアップを生み出す上で必要となる重要なファンクション(資金・人材、事業設計、マーケティング、エンジニア・デザイナー等)を内製化し、トータルでサポートできることが特徴。
Lean Startup Unit Mnager
船木 大郎
都立新宿高校卒。ゲームのディレクション・開発などを経験。スパイシーソフトソフト株式会社では人気シリーズ「チャリ走」の開発に参加。その後、株式会社ユニコンを設立、COOに就任。プッシュ通知サービス「Fello」(現・MAJIN)の開発設計・事業オーナーとして関わり、株式会社ジーニーに事業売却を行う。2017年7月より現職に参画、Startup StudioマネージャとしてスタートアップやEnterprise企業の新規事業立ち上げ支援を行う。
――Sun* Startup Studioについて教えてください。
Sun* Startup Studioを一言でいうと、「王道のスタートアップスタジオ」です。
今後、スタートアップを立ち上げるにあたって、スタートアップスタジオを利用することが当たり前になっていくと思っています。しかし、日本にはそんな文化は根付いていない。だからこそ、基本的なスタートアップスタジオを立ち上げ、文化を根付かせていきたいと思っています。
――Sun* Startup Studioが支援する内容を教えてください。
Sun* Startup Studioでは、これまでお金で支援していたものを、人的リソースで支援していきます。というのもスタートアップには様々な人材が必要になるんです。
ITであれば、スケールするにあたってエンジニアの数が必要になることはみなさんよくご存知と思います。その他にも、戦略・ファイナンス計画をたてるCFOであったり、ディレクター、デザイナーといった制作側のリソース以外に、広報、法務といったバックオフィス人材も必要になります。
これらのスタートアップに必要なすべての人的リソースを、Sun* が持っているノウハウを生かして支援していきます。
Sun* Startup Studioの強み
――Sun* Startup Studioを利用している企業について教えてください。
使っていただいているスタートアップは、シード・プレシードの段階を想定しています。業種の選択はしていません。
ただし、課題解決のためのアイデアにこだわるようなスタートアップさんとはお付き合いをしないことにしています。
アイデアをベースに考えている人は、そのアイデアが潰えたときに事業を辞めてしまうという人がいるんです。しかし、アイデアというのは課題解決のための1つの手段にしかすぎません。また、アイデアが実現するかどうかは、実力だけでなく運も大きな要因になっています。優秀だから成功する業界ではないんです。
したがって、どんな筋道であれ課題解決に取り組む人にSun* Startup Studioを利用していただきたいと思っています。運などの外的要因によってアイデアが潰れてしまっても、柔軟な選択ができる人が理想ですね。
――実際にSun* Startup Studioを利用している企業を教えてください。
欲しい物件の条件を掲載すると、マッチした物件の紹介がもらえるポータルサイト運営する「 株式会社テナンタ」さんや企業の採用力を強化するWEB面接/動画面接プラットフォームを運営する「株式会社ZENKIGEN」さんなどに現在利用していただいています。
Sun* Startup Studioを利用していただいている企業は様々です。
Sun* Startup Studioの対象企業
――Sun* Startup Studioの特徴について教えて下さい。
VCなどがスタートアップを支援する方法は、おもに資金を渡して加速させることに限られています。しかし、お金をもらっても人を集められないという課題を持っているスタートアップはたくさんあるんです。
Sun* Startup Studioでは、スケールするための1000人以上のデザイナー・エンジニアを抱えています。それらの人的リソースをスタートアップに提供して、一気にスケールすることをサポートします。この施策が、スタートアップにとって最適なソリューションだと思っています。この面でSun* Startup Studio王道のスタートアップスタジオになっているんです。
――経歴を教えてください。
もともと、株式会社ユニコンというスタートアップでCOOをやっていました。そこでは、プッシュ通知サービス「Fello」の立ち上げに、開発設計・事業オーナーとしてかかわり、株式会社ジーニーに事業売却。
その後、大きくスケールする事業をたちあげようとしていたのですが、率直に言ってうまくいかずに迷走しました。途中途中でいくつかのプロダクトをつくっていたのですが、その中のひとつを当時の株式会社フランジアに売却し、チームごとジョインしました。
――Sun* Startup Studioを立ち上げるきっかけはなんだったのですか?
Sun* Startup Studioを立ち上げた理由は、スタートアップ企業の苦しみを知っていたからですね。スタートアップ企業を助けたいという想いがあります。
また、1000人を超える大きな組織が与える社会的なインパクトを持っているSun*で仕事をしたいという想いがありました。
こうした社外に与えるインパクトを考慮したほか、社内にある様々な課題を解決するためにSun* Startup Studioを立ち上げました。
――Sun* Startup Studioが考える展望について教えてください。
これからスタートアップをするならスタートアップスタジオを使うことが当たり前の世界にしていきたいと思っています。
スタートアップスタジオはクラウドコンピューティングサービスに近いようなものですか?と言われることがありますが、あながち間違った見方ではありません。人的リソースをクラウドのように利用できる面では、似ているところがあります。
今までは、クラウドコンピューティングは選択肢としてあまり考えられることはありませんでした。それに対して、現在においてはオンプレでサービスを立ち上げる理由の方が少なくなっています。「普通クラウドでしょ」という文化が根付き始めているんです。
スタートアップスタジオもクラウドコンピューティングのように浸透させていきたい。今後は、受け入れ態勢を整えつつ、30社のスタートアップのご利用していただくことを目指していきます。
――これからSun* Startup Studioを利用しようと思っている企業に対して、一言お願いします!
私たちは、既存の業界をディスラプトして、そのスタートアップが唯一のプレーヤーになることを望んでいません。
既存の企業・事業とエンドユーザー・スタートアップの3者がウィンウィンの関係になっていくようなプランを立てる必要があります。
全ての人・企業を幸せにすることを目指しているスタートアップに来てほしいと思いますね。
スタートアップの苦しみを救うために、スタートアップスタジオの文化が日本に根付かせる。Sun* Startup Studioの奮闘は続く。
取材担当橋本
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