AIに対する先入観はいまだに根強い。
「AIならなんでもできるんでしょ?」「AIを開発して、売上増やしちゃうぞ!」「Googleが囲碁で世界チャンピオンに買ったんで、それと同じレベルの人間より凄いやつ作っちゃうぞ☆」
などなど、これらの認識とAIを開発する企業の認識のずれは、プロジェクトの成功率を著しく下げる。
このような状況を避けるために、AIについてのトレーニング・
どんな企業なのか。詳しく見ていこう。
代表取締役 / CEO
Shoichiro Abe
神戸大学経営学部卒業。
大学卒業後、国内大手メーカーにて事業企画、法人営業に従事。事業投資、子会社の経営管理、営業戦略立案等幅広く経験。その後、東工大発AIベンチャーに参画し、営業、マーケティング、採用、労務、財務と幅広く携わる。数十件のAI導入プロジェクトを担当する中で、社会実装の難しさに直面しながら、数々の導入を実現させる。2019年1月、「使えるAIを皆様のもとへ」をコンセプトに株式会社Pros Consを設立。
取締役 / CTO
Masanori Sakata
東京大学工学部卒業・同大学院機械工学専攻修士課程修了。
在学中、機械学会賞受賞。文科省による第一期MIT代表派遣生。大学卒業後、大手自動車関係会社にて、設計開発業務に携わる。最年少社長賞受賞。その後、産業界の自動化の重要性を感じ、東工大発人工知能ベンチャーに参画。大手メーカーの画像検査や予知保全などのAI化を手掛ける。2019年1月、株式会社Pros Cons設立。
――株式会社Pros Consの事業を教えてください。
私たちは、実務で使えるAIを皆様のもとに提供すべく活動しています。
具体的な事業としては、AI開発を一気通貫に行っています。特徴は無料のトレーニングとコンサルティングを提供していること。
これらの取り組みを通して、AIを理解してプロジェクトを進められます。
――他にサービスの特徴はありますか?
特徴は高速プロトタイプ開発を行っていることです。
従来のAI開発ではPoCに半年かかり、そこからSIerと組んで作業をするためにさらに半年かかるといったことがあります。使ってみてもPoCレベルで実際に使えないことも。このような状況は我々の本望ではありません。
この問題を改善するために、弊社ではPoCをやっている時点からデモAPIを開発しています。
報告した段階で手元で使えるものを開発します。その後、実際に使ってみることを通してPDCAを回し、改良していきます。
――ユーザーについて教えてください。
ものづくりや防災、自動車、流通小売り、ヘルスケアの業界向けにサービスを提供させていただいております。
もともと自動車メーカー出身なので、モノづくりや製造業がメインのターゲットになっていますね。
また、データが整っている流通小売り業や在庫の適正化をしたり、地方自治体から受注が取れる防災分野にも取り組んでいます。
現在、AIの導入を検討している企業様を中心にアプローチしていきたいと思っています。
――株式会社Pros Consでは、サービスの開発を進めているということでした。どんなサービスになっているんですか?
現在開発しているのは、
良品の画像のみで異常検知ができるサービスです。 一般的な異常検知のサービスでは、
大量に不良品を学習する必要がありますが、 不良品を定義しづらい課題がありました。不良品の発生が稀で画像が集めにくいことや、 不良品のバリエーションが多いことが理由です。 そのため、弊社が開発する異常検知サービスは、
通常の状態を覚えて異常を検知できる機能を開発しました。 不良品画像を集めることなく、
すぐに異常検知システムを立ち上げることができることが特徴とな っています。 多品種少量生産ラインなどで効果を発揮することが期待されます。
――想定しているターゲットについて教えてください。
異常検知のサービスは、金属や繊維などの工業製品はもちろん、
食品業界にも応用していこうと思っています。 食品は工業製品と違い、
材料や調理具合によって一つ一つ外観が微妙に異なっています。 また、異物混入だけでなく、割れ、裂け、
焼け過ぎなど異常のバリエーションも多く難易度が高いことも相ま って、AI導入があまり進んでいません。多品種少量生産が多いことも一因としてありますね。 コアラのマーチ、ドーナツの動画では、
たった3個の学習で異常検知を実現しています。 まず実際に簡単に使ってみて、役立つかどうかを判断して頂き、
順次導入を進めていきたいと思っています。
食品の異常検知の実例
「コアラのマーチ」の場合
ドーナツの場合
――異常検知のプロダクトの競合について教えてください。
株式会社システム計画研究所さんの「gLupe」や株式会社 アダコテックさんは競合ですね。
教師なし学習を利用するという点では、 株式会社マクニカさんも競合になっています。
――競合他社にはない、強みを教えてください。
AIを体験しやすいように、使いやすいUIを意識して設計していきます。料金も安価に使えるようにすることを考えています。
100%精度を高めるだけではなく、直感的で使いやすいようなサービスにしていきたいですね。
――プロダクトを開発したきっかけについて教えてください。
現在、とにかく簡単に手元でAIを使いたいというニーズがありますよね。しかし、いろいろなサービスがあって、できることやできないことがある。
だからこそ、まずはAIを体験して触ってみてほしいと考えました。これがサービスの開発のきっかけです。
AIを手軽に体験していただくために、業務利用で使っていただけるものを開発し、ソリューションに関するサポートもしていきます。
――株式会社Pros Consの立ち上げの経緯について教えてください。
この企業を立ち上げる前までに、一般的なAIプロジェクトの成功率が低いことを痛感していました。
そのため、使えるAIを作っていきたいと思ったんです。これが弊社を立ち上げたきっかけになります。
――株式会社Pros Consの社名の由来を教えてください。
株式会社Pros Consの社名には、「メリット・デメリット」「賛否両論」という意味が込められています。
まずはAIの「メリット・デメリット」をよく理解してから開発できるような社会にしたい。
そして、「賛否両論」を巻き起こす、既存の業界を壊すようなプロダクトを創っていこうと思っています。
――今後プロダクトはどんな進化をしていきますか?
現在、技術的には精度向上のためにプロの手によるチューニングが必要です。原理を解き明かしていって、パターンを作りたいと思っています。
パターンを作り、さまざまな場面で活用できるようにしていきます。
これらの取り組みを通して、ちょっとAIを導入してみたいと思ったときに、弊社が開発しているプロダクトがユーザー様の頭の中に浮かんでいただけるようなポジションを確立していきたいと思っています。特に工場の外観検査などで使っていただきたいですね。
――目指している世界について教えてください。
現状として、AIは一部の企業や人にしか利用されていません。
これからはもっと気軽にAIを使える社会を作っていきたい。AIが普段の生活になじむようになっていけばいいなと考えています。
そのために、まずは工場から事業を作っていきます。
AIがもっと身近な社会の実現へ。今後さらに活躍の幅を広げていくとのこと。これからの動きに注目したい。
取材担当橋本
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