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インタビュー 2019.10.08

人が中心にいるAIサービスの開発。 株式会社Lightblue Technology

AIがさまざまな分野に応用され始めている。

今回紹介する株式会社 Lightblue Technologyは、AIの画像認識能力をヒューマンセンシングに応用している。また、自然言語処理能力を文書検索に応用したサービスも提供している。

どんな企業なのだろうか。詳しく見ていこう。

代表取締役 プロフィール

園田 亜斗夢

東京大学工学部卒業。東京大学大学院工学系研究科在学。AIの社会実装、レコメンダーシステムの研究を行う。人狼知能プロジェクトメンバー。人工知能学会学生編集委員。ビジネスコンテスト優勝、受賞歴多数。AI関連本執筆。

人にフォーカスした画像解析。「ヒューマンセンシング」

――ヒューマンセンシングについて教えてください。

ヒューマンセンシングは画像解析の技術を応用しています。人にフォーカスしたAI画像解析サービスです。

姿勢推定•行動認識、位置推定、顔向き推定、感情推定、物体認識等を組み合わせることで、人の状態の把握を行います。

現在、建設現場では1営業日あたり1人が死亡しています。また、製造業でも死亡事故は起こっています。ヒューマンセンシングはこのような課題を解決できるサービスです。

――具体的にどんなサービスですか?

建設現場や工場での動作の判定や推定を行うことで、個人がどういった状況にあるのかを分析します。分析を通して、安全性を判断や危険な状態にある人の発見が可能になっていますね。

これらのことを通して、作業負荷の均等化をするのはもちろん、生産性の向上も実現できます。

――ヒューマンセンシングの競合について教えてください。

株式会社ABEJAさんなど競合はたくさんいますね。

特にリテールに特化した画像解析のサービスは多いです。

――ヒューマンセンシングの強みはなんですか?

弊社のサービスは工場特有の画像認識に特化していることが強みになっています。

工場は広い範囲を見る必要はありません。見たい部分は限られています。だからこそ、お客様にアノテーションしていただき、見たい部分を絞ることができるんです。

工事現場での動きの変化であれば、時間や位置関係の組み合わせで行動を判定できます。たとえスピードにしか違いがない工場のような環境でも、前後関係を判定することで、安全性について分析できるんです。

――工場などに特化していることが強みになるんですね!

運用コストを削減していることも強みですね。

AIを開発するときにお金がかかるのは、運用の場面なんです。

その運用の部分を、工場の動きに特化して計算量を少なくすることで、コストを削減しています。

――コスト削減もできるのはすごいですね。

動画検知だけでなく、感情なども読み取れるようにしていきます。この取り組みを通して、汎用的なサービスの基盤を整備していきたい。

工事現場や建設現場におけるあり得ない動作を含まないデータを作っているので、高いレベルでサービスが提供できるようになっています。

情報抽出に特化した自然言語処理を文書検索に応用。

――文書検索についてのサービスについて教えてください。

弊社が開発している文書検索サービスは自然言語処理技術を応用しています。情報抽出に特化していることが特徴です。

弊社の文書検索サービスは、従来の検索と比べて欲しい情報だけ得ることができるんです。根拠となる情報をハイライトするなど、情報に直接アプローチします。

――使い方を具体的に教えてください。

情報を入力して10分待てば、同じような質問をマトリクスでまとめることもできます。それをもとに、情報を資料にまとめられるんです。情報の内容をチェックしたり、修正したりすることなども簡単です。

検索業務の半分以上を削減できます。

――自然言語処理のユーザー

弊社の開発した自然言語処理技術は、Q&Aのフリーワード検索やカスタマーサポートなどの分野で活用できます。

チャットボットの膨大な言葉のリストを用意する工程で、フリーワードから答えを抽出・チェックするだけで、データが取れるようになるんです。Q&Aを作る部分で私たちのモデルで簡単に作ることができます。

そのほかにも、文章を扱うことの多いリーガル業界にも応用することができますね。

人が中心にいるサービスを。サービス開発までの経緯にせまる。

――ヒューマンセンシングの技術を開発した経緯について教えてください。

画像認識の技術を開発したのは、祖父が林業をしていたのがきっかけです。

実は、林業ってとても危険な産業で。

台風などで甚大な被害はでますし、最悪死亡事故も起こってしまいます。

現代において、体を使って働いていて亡くなってしまうのは悲しいこと。だからこそ、人が安心して輝ける社会を目指したいと思ったんです。

こんな思いから生まれたのが、今のヒューマンセンシングのサービスでした。

――自然言語処理の技術を応用した「文書検索」サービス開発にはどんな背景があったのですか?

自然言語処理の技術を開発していた時、履歴書を選別したいというお声をいただきました。今も、その技術は実現することは可能です。興味のある人にだけ時間を使うことは、ひとつのポイントとなるでしょう。しかし、本当にAIで人を選別することはハッピーなことなのでしょうか。

僕らはハッピーだとは思っていません。人が中心にいる社会を目指しているからです。

今後も、人が中心にいるサービスを開発していきます。

――一見、関連性のない「ヒューマンセンシング」と「文書検索」サービスですが、提供するきっかけはなんだったのでしょうか。

画像認識と自然言語処理には、シナジーがないとよく言われます。

しかし、僕らの強みはシナジーではない。東大での評価が高く、日経新聞と共同研究ができるほどの技術力です。開発するうえで工数がかかるだけの部分は、ある程度のエンジニアにはできてしまいます。

僕らの技術を応用していった結果、ヒューマンセンシングと文書検索のサービスを提供しています。

また、2つの違った種類のプロダクトがある方が、会社として営業がしやすい特徴があります。

サービスの柱を増やしていく。株式会社 Lightblue Technologyの今後の展望とは?

――社名の由来を教えてください。

株式会社 Lightblue Technologyの「 Lightblue」は、そのまま「水色」という意味です。僕らは、青い海・空を残せるような仕事をしていきたい。

工場での作業の最適化や検索の業務の負担を減らせれば、環境が良くなることにつながりますよね。

そんな思いがこもっている社名になっています

――プロダクトの展望について教えてください。

今後、サービスの種類は増やしていく予定です。

僕らの原点には、労災をなくしたい、人間中心でありたいという想いがあります。

これらの想いを実現するために、今後も活動していきたいですね。

人を中心としたサービスで業務の最適化へ。株式会社 Lightblue Technologyの今後に期待だ。

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編集後記

取材担当橋本


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投稿者プロフィール

橋本 雅弘
橋本 雅弘
大学では社会福祉学を専攻。現在はStartupTimesのほか、日本最大級のAIメディア「AINOW」でも執筆。学生スタートアップ特化型アクセラレータープログラム「GAKUcelerator」でメンターを勤める。

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