従来フリーランスが仕事の報酬を受け取るのは、1~2か月後であることが多かった。
しかし、その間の支出のせいで、資金繰りに悩んでしまったり機会損失を生んでしまったりすることがある。
今回は、そんなフリーランスにとって苦しい状況を改善できるサービスを紹介したい。
yup株式会社の運営する「yup」だ。フリーランス向け報酬即日先払いサービスを提供している。
どんなサービスなのだろうか。詳しく見ていこう。
代表取締役社長
阪井 優
1989年大阪府堺市生まれ。智辯学園高等学校、大阪教育大学卒業後、NTTドコモ、コイニー(2018年に「hey」のグループ化)を経て、2019年2月にyupを創業。友人のフリーランスの資金繰りの大変さに衝撃を受けたことを原体験として、フリーランス向け報酬即日払いサービス『yup(ヤップ)先払い』の開発を行っている。
――yupのサービスについて教えてください。
yupはフリーランス向けの報酬即日先払いサービスです。
フリーランスの方が取引先に送った入金前の請求書情報をyupにアップロードしていただければ、報酬を前払いします。最短で当日にお支払いできます。
もちろん、取引先にサービスの利用を知られることはありません。
――ユーザーについて教えてください。
メインのユーザー様は、デザイナーや広告のコンサルティング・運用をしている方、フリーのディレクターやPMの方が多くなっていますね。
半数の方がクリエイターや広告関係のお仕事をされています。
――主なユーザーはフリーランスでクリエイティブな仕事をしている人なんですね!
yupは請求書さえあれば使えるサービスです。そのためフリーランスの方でなくても、アルバイトや法人でも使うことができます。
現在、中小企業様にもご登録いただいています。
yupの仕組み
――競合について教えてください。
現状として、報酬を先払いするビジネスモデルの企業が増えてきました。
例えば、OLTAさんなどです。OLTAさんは、大きな案件を対象とされています。
一方弊社では、少額の請求書を主に専門としています。そのため、OLTAさんとは、競合ではあるけれども棲み分けができていると思いますね。
サービス面でも、審査の方法など異なる点があります。
――他に類似するサービスはありますか?
給料の先払いサービスという点では、Paymeさんも類似したサービスです。Paymeさんは企業と契約するサービスになっています。
それに対してyupでは、ひとりひとりの個人の方とそれぞれ契約を結んでいます。
ひとりひとりと契約を結ぶためには、精度の高い与信精度が求められます。この与信制度が確立されている点がyupの強みになっていますね。
――yupを立ち上げた経緯について教えてください。
私は大阪出身で、身近に町工場がたくさんありました。
その環境では、資金繰りに困っている方がたくさんいたんです。
この問題を解決したいと思ったことがサービスを立ち上げたきっかけになっています。
――身近な環境の原体験がきっかけになっているのですね!
他にも私自身がコイニーの事業に関わっていたこともきっかけにあります。
コイニーは、キャッシュレス決済の事業。カードの売り上げを受け取るまでに時間がかかる課題がありました。
お客様からもっと早くお金を受け取りたいというお声を頂いたんです。
――すぐに売り上げを受け取れないのは厳しいですよね…。
他にも私の周りにフリーランスの方が多かったこともきっかけになっています。
その方々に話を聞くと、支払いサイクルがきついという話をよく聞いていたんです。
独立してから給料がなかなか払われないという声が届いていました。
この課題をシンプルに解決できる方法を探していたんです。そこで、請求書をアップロードすることですぐにお金を受け取れる仕組みを作ろうと思いました。
――それから、実際にサービスを立ち上げるまでにどんな経緯があったのでしょうか?
実際に思いついたアイデアをNewsPicks主催の起業家道場でピッチしました。しかし、評判は辛口でした。
これが私にとって、逆に燃えるきっかけになったんです。
それから資金調達に動き、yupのベータ版をローンチしました。
――今後の展望について教えてください。
今後は請求業務の自動化やお金の振り込みを保証できるようなサービスの開発を考えています。
具体的には、ユーザーの方に請求書を作成し送付、入金を確認し、保証までする。この一連のシステムを整え、自動化していこうと思っています。
――ミッションについて教えてください。
私はこのサービスをアジア圏に持っていきたい。
というのも、私は1年半の間、東南アジアを放浪していた経験があるんです。
現地で感じたのは、個人商店が多いこと。台湾の個人商店の方に話を伺うと、請求書の支払いは3か月後とのことだったんです。日本よりも個人商店の状況が厳しい環境にあることを実感しました。
だからこそ、yupは日本だけにとどまるサービスにするつもりはありません。日本を代表するような金融サービスにしていきたいと思っています。
yupが気になった方はぜひサービスをチェックしてみてください!
取材担当橋本
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