コンバージョン獲得に特化したチャットコマース「ジールス(Zeals)」。
ジールスは、会話を通じて商品を買うことに特化したチャットコマースを成果報酬で提供している。
特徴は、ユーザーと継続的な関係を築くことができ、CVRを高められる点。ほかにも会話構築から運用まですべて丸投げ可能であることや、ユーザーとの会話データを活かした会話体験の改善と独自開発のプッシュエンジンによるCVRの最大化も実現している。
今やジールスは日本最大級のチャットコマースサービスと言っても過言ではないだろう。
この日本最大級のチャットコマースを運用する株式会社Zealsは「日本をぶち上げる」というミッションのもと活動している。
「日本をぶち上げる」というミッションに込められた想いとは?どのように「ジールス」は生まれたのだろうか?
代表取締役CEO 清水正大氏に話を聞いた。
代表取締役CEO
清水正大
「日本をぶち上げる」というミッションで活動する株式会社Zeals。どんな経緯でミッションを設定したのだろうか。
「日本をぶち上げる」というミッションは、最初は掛け声のようなものでした。それでも、この一文には私の想いが込められています。
というのは、私の経験にルーツがあるんです。
ミッションの裏に秘められた清水氏の経験とは、いったいどんなものなのだろうか。
私は工業専門学校を卒業後、JFEに入社し航空機の製造をしていました。
しかし、ここでの自分の仕事にピンときていなかったんですよね。辞めることも考えましたが、工場は年功序列の世界。高卒で工場に入った人は転職する人はおろか、退職する人などほとんどいない世界でした。
そのため、自分の中で仕事に対してもやもやしつつも、惰性で仕事を続けていました。人生を変える決意ができていなかったのです。
そんなもやもやした日常に転機が訪れたという。
JFEで仕事をしていた一年目の終わりに、東日本大震災が起こりました。
そこで向こうの工場が被災していたんです。
もしこの震災が西日本で起きていたとしたら、自分も被災していたかもしれない。自分の人生これでいいのかなと思いながら、人生が終わっていたかもしれないと思うと怖くなりました。
そこで、一念発起して人生を変える努力を始めることを決意。しかし、さまざまな障害に阻まれたという。
地元の文化があって、仕事を辞められない雰囲気がありました。しかし、自分は大きく変わりたい。人生をかけて何かを成し遂げたいと思っていました。
しかも、東日本大震災のせいで日本は大変な状態になっていた。そこで、自分が日本をぶち上げたと言えるような未来を創ることが私の志になりました。
それからの日々は、「日本をぶち上げる」ことを具体化してきた人生だったという。
私が日本をぶち上げるためには、なにもかも変わらないといけないと思いました。でも、なにをすればいいのかわからない。そこでもっと知識をつけると同時に、仲間を探さないといけないと思ったんです。そのため、まずは大学受験に挑戦しようと思い立ちました。
しかし「仕事を辞めて大学受験をし東京で挑戦したい」と家族に相談すると、家を追い出される勢いで反発されました。親族から「腑抜けになってしまった」と言われたほどです。
誰も応援してくれない状況でした。お金も自分でなんとかしなければいけなかった。
それでも、諦めたくない、志を追いかける道に踏み出す第一歩となる大学に挑戦したいと思って必死に歯を食いしばって勉強しました。
結果、なんとか大学への道を掴むことができたんです。
大学受験の挑戦を経て、清水氏は大学1年生の時に起業するために行動をはじめて、法人を登記した。仲間も集め、充実した日々だったという。
その後「ジールス」開発までには、どんな経緯があったのだろうか。
起業した当初は、日本をぶち上げる会社を作ることだけを考えていました。しかし、実際になにをするのかという計画がなかった。
そこで、いろいろなことをして、事業について探りました。最終的に、事業を決められたのは株主との出会いがきっかけでした。
その株主の方からは「志と気持ちの強さは良い。だからこそ、何をしないといけないのか、真剣に向き合わなければいけない」と言われたんです。闇雲に行動していた自分はこの言葉にハッとしました。それから、日本をどうやってぶち上げるかを徹底的に考えました。
考えた結果わかったのは、自分たちは目の前のことが見えていなかったということ。本当に自分たちじゃないとできないことをしなければいけないということでした。
これらを通して、日本の抱える大きな課題に真正面から挑みたいと思うようになりました。
日本のどんな課題に目をつけたのだろうか。
課題として目をつけたのは、「人口減少・労働力減少」でした。
この課題は、日本が世界最先端で抱えている課題であり、日本で課題解決ができれば、世界も救えると思ったんです。
そこで、この人口減少の課題を解決するために、最初はロボットの開発に取り組みました。ロボットが人口減少を救うと思っていたんです。
ロボット事業に取り組み始めた清水氏。
しかし、ロボット事業の難易度は高い。費用もかかる。ロボットの使用用途も不明確だった。
苦しい日々が続いたという。
ロボット開発に試行錯誤していく中で、コミュニケーションテックに出会いました。
機械が人のように対話できるようになれば、第三次産業であるサービス産業に革命的変化を起こせるかもしれない。そう思って、コミュニケーションAIにフォーカスしたビジネスを始めました。
コミュニケーションAIの開発を進めた清水氏。しかし、ここでまた課題に直面する。
コミュニケーションAIのソフトを提供しようにも、搭載するためのインターフェースがなかったのだ。
どうやってこの局面を乗り切ったのだろうか。
コミュニケーションAIの活用で悩んでいるさなか、Facebook CEOのマーク・ザッカーバーグ氏が、FacebookメッセンジャーのAPIをオープン化しました。
この日、Facebookメッセンジャーの中でチャットボットが作れるようになったのです。これはチャンスだと思いましたね。世界13億人に自分のコミュニケーションAIを広められると思いました。
ここで腹をくくって、それまでに開発したソフトウェアすべてをメッセンジャーに流し込んだんです。メッセンジャーとLINEに対応したチャットボットが作れるプロダクトを開発しました。
新しい波にすべてを懸けた大勝負でしたね。
ジールスがチャットボットフレームワーク「BOT TREE (※現在名:チャットコマース「ジールス」)」を開発した当時は、チャットボットの黎明期。そのため、チャットボットのスタートをどこよりも早く切れたのだという。
そして、メッセンジャー上でチャットで何かを届けるテーマに踏みこみ、コミュニケーションを科学する事業になるところにまで、落とし込むことに成功。チャットコマース「ジールス」の誕生である。
ジールスは今後、どのような進展を目指していくのだろうか。
現在、市場にはチャットコマースのプレーヤーが増え続けています。
この状況の中で、やりたいことをやるだけでなく、市場の中で勝っていくことも大事になります。
技術的な進歩を遂げるのと同時に、市場で勝ち切ることも意識しています。
「市場で勝ち切る」具体的には、どんな経営をしていくのだろうか。
SMBではなくエンタープライズを主軸にジールスの拡大を進めていきます。
これは、エンドユーザー数を大切にしているからです。闇雲に社数だけを追うよりも、その先にいる一人でも多くのエンドユーザーの生活にチャットコマースを届けていきたい。
そうすればデータも一番多く集められると同時に、体験ももっと磨いていけるようになります。
これからも社会に価値あるものを届けていこうと思っていますね。
常に時代の先を読み、事業を展開してきたジールス。
今は、どんな時代の風を読んでいるのだろうか。詳しく聞いた。
現代の世の中は、多様化しているように見えて、実はシンプル化していると思うんです。
その代表例はLINEとヤフーの経営統合です。LINEとヤフーが統合して、新しいひとつの計勢圏である「スーパーアプリ」を創ろうとしています。これが進めばアプリの独占・寡占が進み、使われるアプリの数はどんどん絞られていくでしょう。
このように、世の中は多種多様なものが増えていくように見えて、実は一つの大きな存在に集約化されていっています。
「社会はシンプル化している」と語る清水氏。では、今後どのようなテクノロジーが発展していくと予想しているのだろうか。
次のテクノロジーの主戦場は「スーパーアプリ」になると予測しています。これは社会変革と言っても過言ではない、非常に大きな時代の流れです。かつてのPC時代のブラウザ、次にきたスマホ時代のネイティブアプリ、これからはスーパーアプリ時代のアプリ内アプリケーション(チャットボット・ミニアプリ)が躍進していきます。
私たちはこの時代の流れを予測して、スーパーアプリ上で動くサービス(チャットボット・ミニアプリ)にすべてを懸けてきました。スーパーアプリ上で動くプロダクトを磨きこんできたんです。
これからも、この激変の時代の中で、アプリ内アプリケーションを盛り上げていきたいと思います。
これからは「スーパーアプリ」がテクノロジーの主戦場となると予測する清水氏。
では、その次の時代にはどんな世界が待っているのだろうか?
スーパーアプリの次は、デジタル世界がリアルへ進出しはじめると予測しています。
オンラインとオフラインの境界線が無くなるOMO(オンラインマージオフライン)が当たり前になります。
そのため、アプリによって店舗の体験が変わったり、店舗自体が無人化されるなどの、デジタルとリアルの融合が始まると思っています。
そんなリアルとデジタルがまじりあう世界において、ジールスはどんな役割を果たしていくのだろうか。
デジタルとリアルが融合していく「OMO」に挑戦していきたいと思っていますね。
新しい時代の中で、ユーザーにとってまったく新しい体験を提供し続けていきたい。ジールスを進化させていき、会話データを活用できればリアル店舗の体験を変えられると思っています。
どうしてここまで、先進的な攻めた事業を展開できるのだろうか。その裏にある想いを聞いた。
私たちは既存のビジネス領域では勝負しないと決めています。そして今多くの人が予想している未来は必ず実現するとも考えています。
だからその未来がくることは前提で、大事なのは「誰が、いつやるか」だけなんです。
今はスーパーアプリが現実味を帯び始めました。私達はその最前線でスーパーアプリに対応した事業に全力を注ぎ、未来リアルへの挑戦へと展開することで、日本発祥の次なる産業革命を興し、日本をぶち上げます。
今後のジールスに目が離せない。サービスが気になった方は、ぜひサイトもチェックしてみてほしい。
取材担当橋本
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