近年、優秀な人材は転職市場に現れなくなった。知人の会社で働いたり、自ら起業したりすることが増えているからだ。
一方、採用側のエンジニアのニーズは増え続けている。市場に一定数しかいない転職活動している人材の争奪戦が発生。既存の転職市場はレッドオーシャン化している。
今後は優秀な人材の持続的な採用のために、転職潜在層の採用へシフトする必要があるだろう。
そんな時代の中で、個人の才能を可視化し、企業の採用を支援する企業が現れた。
LAPRAS株式会社だ。
才能を見える化するサービス「LAPRAS」と、人工知能がその企業に適した人材を探し出す「LAPRAS SCOUT」を提供している。
どんな企業なのだろうか。詳しく見ていこう。
代表取締役 CEO
島田 寛基
――LAPRASについて教えてください。
LAPRASはAI技術を活用して、オープンデータから個人のプロフィールを自動生成します。その情報をもとにそれぞれの方に適した転職情報をお届けするサービスです。
特徴は、長いフォームに入力する必要は一切ないこと。LAPRASは、技術情報共有サービスやSNS等のアウトプットから情報を収集し、機械学習・自然言語処理技術を用いてスキルや志向性を客観的に分析します。
経験年数や希望年収などの数値情報だけでなく、コードやブログ投稿のような数値化できない情報も分析。ユーザーの興味関心を持った企業を確認し、連絡を受け取ることができるのも特徴です。
――個人ユーザーにとってのメリットを教えてください。
LAPRASを使えば転職意思がなくても、企業とゆるくつながれます。
また普段の発信を蓄積すればするほど、誘いがくるのも強みですね。
週末にブログを書いたり、書いたコードをオープンにしたりするだけで転職活動ができるようになります。
――ほかにメリットはありますか?
ほかにもユーザーファーストの機能を備えていることも強みですね。
興味のある雇用形態も選択できます。社員契約だけでなく、副業やフリーランス、インターンなど幅広い雇用形態に対応しています。
企業がユーザーをタレントプールに入れると、そのユーザーに通知が届きます。その後、ユーザーはその企業に対して興味の有無を選択可能。
個人ユーザーは、自分のプロフィールのどこをクリックされたのかまで見られます。これにより、どこに興味を持たれたのかを可視化しているんです。個人ユーザーは情報をアウトプットした後に、何が見られているかも気になりますからね。幅広い情報をユーザーは見られるようにしています。
――なぜ、そこまで情報を個人ユーザーにオープンにするのですか?
「オープンであれ」というのを1つの行動指針としているからです。
私たちの扱っている情報は、個人ユーザー側にクローズにしません。エンドユーザーを大切にしているからです。個人ユーザーの利益を最大化させられるようにしています。
そのため、情報は徹底的にオープンにします。
――LAPRAS SCOUTについて教えてください。
LAPRAS SCOUTは、LAPRASで作成した個々のエンジニアのプロフィールをもとに、企業が能力のスクリーニングと転職時期の予測をできるサービスです。
エンドユーザー自らが作成するプロフィールアカウントに入力する転職希望度などにより、独自のマッチングアルゴリズムで最適な候補者をお知らせします。この機能で、転職潜在層にもアピールできるのが特徴です。
公開している経歴やアウトプットから能力のスクリーニングと転職時期の予測を行うと同時に、独自のマッチングアルゴリズムで最適な候補者をお知らせします。
――LAPRAS SCOUTの特徴について教えてください。
LAPRAS SCOUTは、候補者の活動を時系列順に並べ替え、一覧で表示できます。
そこでは、職歴・経歴はもちろん、SNSのリポジトリや参加したイベント履歴などのオープン情報を閲覧できるんです。
そのオープンデータをもとに、どのプログラミング言語が使えるのかも算出しています。他にもエンジニアが書いたコードがどれだけスターされたか、どれくらいコントリビュートしたかが可視化できるんです。
最終的に、技術・ビジネス・影響力の3軸の数値を算出しています。
LAPRAS SCOUTの仕組み
――LAPRAS株式会社を創業してから現在にいたるまで、どんな苦労があったのですか?
最も苦労したのは採用です。
もともと採用経験のないメンバーで、採用をしていたので苦労は絶えませんでした。
――どんな風に採用活動を勧めたのですか?
採用のためにやっていたのは、まず自社のプロダクトを使って、1か月に50人と面接することでした。
結果として、エンジニアを2人採用できたんです。
この経験は、今のプロダクトを改善するのにも役立ち、今のサービスにもつながっています。
――今後の展望について教えてください。
今後は転職活動以外にもサービスを展開していこうと考えています。
LAPRASは自分の鏡のように育てていくものです。そのためデータが育つと、やりたいことや好きなモノ、ユーザーのプライベートまでわかるようになるでしょう。
まだ構想段階ですのでどの領域に進むかは決定していません、でもこのデータを活用して「人」と「商品・人・デーティング」などのマッチングもできるのではないかと思っています。
――他に展望として考えていることはありますか?
他にも、情報のソースを広げていくことも考えています。
今のLAPRASは能力情報を保有していますが、そのほかにも個人ユーザーの趣向性の情報や行動情報なども集めていけたら面白いと思っています。
これらの情報は、よりその人の性格を如実に表しますからね。この情報をもとにレコメンドしていきたいと思います。その人が知らないんだけど潜在的に求められているものがわかるようにしていきたいです。
最終的には、社会のインフラとなれるように努力していきます。
――ミッションについて教えてください。
ミッションは、「あらゆる事象を必然化し、世の中のミスマッチをなくす」ことです。
人は知っている選択肢の中からでした意思決定できません。いい選択肢に巡り合えた時にだけ、ミスマッチはなくなります。しかし、自分が持っている選択肢というのは、偶然巡りあっていることが多い。そのため、運が悪いとミスマッチが起こってしまう。そこで、私たちのサービスで、最適な出会いをすべて必然にしたいと考えています。
夢を叶えるための選択肢をシステムから提案していきます。そうすれば、自分が気づいていない適性でさえも、選択肢として広げられると思うんです。
人の選択肢を広げ、ミスマッチを無くせるようにしていきます。
LAPRAS株式会社が気になった方は、サイトをチェックしてみてほしい。
取材担当橋本
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