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インタビュー 2020.02.19

消防点検を安く簡単に依頼できる「スマテン」で、日本の建物の安全・安心を支える――株式会社スマテン

消防点検は半年に1回やらなければいけない。これは、法令で定められている。

しかし、全国で半年に1度消防点検をしている建物は、49.8%しかない。つまり、日本のおよそ半分の建物が消防点検をしていない、安全でない建物かもしれないのだ。

課題はこれだけにとどまらない。消防点検は国家資格が必要なのだが、この資格を持っていない人が点検をしていることがある。点検の方法も人によって違い、質にはばらつきがある。仕組みもアナログベースの書類作成や管理をしなければならず、効率が悪い状態だ。

このような状況の消防業界を「スマテン」はITの力を使って解決する。

スマテンとはどのようなサービスなのだろうか。代表取締役 都築 啓一氏に話を聞いた。

プロフィール

代表取締役
都築 啓一

建物の消防設備点検を、より便利で簡単にするオンラインプラットフォーム「スマテン」

――スマテンについて教えてください。

スマテンは「建物の消防設備点検を、より便利で簡単にするオンラインプラットフォーム」です。

建物の消防点検を依頼したい人と消防点検者の双方を支援できるツールになっています。

――具体的にはどんな使い方ができますか?

消防点検を依頼したい建物オーナー様は、地域ごとに業者を探すことなくスマテンに一括で依頼するだけで消防点検が行えます。

というのは、消防点検に関しては全国にいるスマテンのパートナー業者が消防点検をする仕組みになっているんです。

依頼にもとづいて、スマテンのパートナー業者が消防点検をするようになっています。ここでの特徴は、スマテンは消防点検者に直接依頼していること。下請けが消防点検をすることはありません。資格を持った担当者が、消防点検をします。

他にも、書類を一括でデータ管理できる機能もあります。この機能により、点検状況を可視化します。

使い方はたったの3ステップ

――建物オーナーがさまざまなメリットを受けられるサービスですね!

現場の消防点検者に対しての機能もあります。

従来は、紙で作成していた報告書の作成を、スマテンはスマホでできるようにしました。

スマホから簡単に報告書が作成できるようになれば、作業効率を向上させられます。このように、業務効率を上げて単価を最適化できるようにしているんです。

――スマテンのユーザーについて教えてください。

ユーザーは個人・法人問わず建物管理者の方です。

消防点検の依頼が面倒な方や建物管理の数が多い方、報告書の管理に困っている方にオススメのサービスです。

――スマテンの特徴はなんですか?

スマテンの特徴は、建物の消防点検を依頼したい人と消防点検者の双方を支援できる仕組みを活用することで、双方の課題を解決し、かつ適正な料金で消防点検ができることです。

――データはどのように活用していくのですか?

消防点検のデータを活用して、建物の価値の可視化をしたいと思っています。

消防点検をしているか否かのデータを集めることで、建物の優劣の判断ができます。消防点検をしていないようなデータが集まれば、その建物の安全性は疑わしいものだということがわかるようになるんです。

――データはさまざまな活用ができそうですね!

最終的には、建物情報のプラットフォームを持ちたいと思っています。

他にも、現在賃貸情報サイトなどには設備情報はありません。そこで、賃貸情報に設備情報を追加して、入居者に安心・安全をアピールできるようにしていきたいと思っています。

建物データを活用して、ブラックボックスになっていた建物の情報を明るみに出していこうと思いますね。

防災に対する課題意識。それがスマテン開発のきっかけだった

――起業した経緯について教えてください。

19歳で飲食店を起業しました。名古屋でバーを経営していたんです。

そんな中で、東北で大震災が起こりました。個人的に復興支援にボランティアとして参加。その後、飲食に戻り太陽光事業に参入しました。産業用太陽光発電のビジネスを担当したんです。

しかし、太陽光事業もブームで、先が見える事業。そこで新たな事業を探し始めました。

――それからどんな新しいビジネスに取り組んだのですか?

参入する新たなビジネスの条件としては、レガシー産業であること、イノベーションが起きていない業界であること、必ずなくてはならないものという3つで探していました。

そこで、被災地では火災がひどかったことを思い出したんです。そこで防災業界に踏み出そうということを決意しました。

――防災業界では、最初にどんな事業に取り組んだのですか?

最初は消防点検の事業を立ち上げました。この事業の中で、消防業界はアナログだということを実感。それだけでなく、法律違反をしている建物がおよそ半分もあることを知りました。

当時から防災・減災の必要が叫ばれていたにもかかわらず、不特定多数のところで法令点検がされていないのはおかしいと思いました。

この課題を何とかしたい。そう思って、スマテンを開発しました。

――防災業界に対する課題感が「スマテン」開発のきっかけだったのですね!

オーナーにとって、消防点検はコストでしかありません。どれだけ消防点検の大切さを訴えかけても「やらない」と言われてしまえば、どうしようもない。

そこで私たちは、消防点検をやってもらえるような仕組みづくりをしていくことを決めました。スマテンで消防点検をすることで、付加価値がつくようにしていく。そうすれば、結果として消防点検が広がり、社会貢献になると思っています。

日本の人々と建物をまもり、安全安心な暮らしを支えるテックカンパニーに

――スマテンの今後の展望について教えてください。

今後は、エレベーターや貯水槽などの法令点検の項目も対応できるようにしていこうと考えています。

それぞれの法令点検に報告書が付随するので、そのデータを集めていきます。そして、設備点検をすればするほど的確なデータがたまるようにしていきたい。そのデータを使えば、不動産の査定が可能になることを目指しています。

スマテンで消防点検をしなければ、入居者がこないというような状態を目指していきたいですね。同時に、入居者の方にも消防点検の大切さを知ってもらえたらなと思っています。

――ビジョンやミッションについて教えてください。

ビジョンは、日本の建物点検の未実施をなくすことです。このビジョンを達成することで、「日本の人々と建物をまもり、安全安心な暮らしを支えるテックカンパニーになる」というミッションの実現を目指しています。

従来の消防業者さんが、このビジョン・ミッションを実現することはほぼ不可能でした。

しかし、スマテンで消防点検をすることによって、付加価値をつけていけるような仕組みづくりができれば、実現できると思っています。

今は消防庁とも連携しています。防災業界の課題を幅広く解決できるサービスを構築していきたいですね。

スマテンが気になった方はぜひサイトをチェックしてみてほしい。

サイトへ

編集後記

取材担当橋本

消防点検されていない建物が半分もあるなんて…!驚愕の事実を知ってしまった取材になりました。

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投稿者プロフィール

橋本 雅弘
橋本 雅弘
大学では社会福祉学を専攻。現在はStartupTimesのほか、日本最大級のAIメディア「AINOW」でも執筆。学生スタートアップ特化型アクセラレータープログラム「GAKUcelerator」でメンターを勤める。

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